Text & Photo/Eiko Oizumi

ワシントンDC郊外のコングレッショナルCCで開催されている「全米プロシニア選手権」は、通算2オーバーの片山晋呉が日本勢で唯一、予選通過。藤田寛之(通算8オーバー)、宮本勝昌(通算8オーバー)、兼本貴司(通算13オーバー)は、予選落ちを喫した。
第2ラウンドを3バーディ、2ボギーの71で回った片山は、予選カットラインの4オーバーに2打上回り、42位タイで決勝ラウンドに進出。ショットには手応えを感じているものの、グリーン上で手こずり、パッティングのグリップ法などを試行錯誤。5種類のグリップを試しながら、プレーしていたという。
「急に下手になっちゃった。やっぱり芝が違うからかな。考えちゃうんだよね〜。パターも変えたし、グリップも変えながらやってみた。明日もパターを変えるかもしれない。ショットはちょうど、仕上がりがちょうどいい感じ」
フェアウェイもほとんど外すことなく、フェアウェイをキープ。明日からは決勝ラウンドで、あとはビッグスコアを出して上位進出を目指すだけ。
「ショットがいいから、チャンスでパットが入れば……。ラフはUTが入ってるから、まだうまく対処できてるし、今日もラフには2〜3回しか行ってないからね。ビッグスコアを出したいね」
自身にとってシニアメジャー初出場にして予選通過を果たした片山だが、現役時代、海外メジャー出場でアメリカに来たのは、2010年「マスターズ」が最後。それ以来、ちょうど15年が経過している。
「やっぱり日本でやってちゃダメだな、と。藤田さんはすごい。僕は体が痛いし、ああいう生活(米国での長期滞在)ができない。僕はどちらかといえば、すぐに帰りたいタイプだからね(苦笑)」
以前、試合に出場するために米国に来ていた頃は、行きの飛行機に乗った瞬間に「すぐに帰りたい」と思っていたというが、今は、少し様子が違う。携帯電話のおかげで、米国滞在がさほど苦にならなくなったというのだ。
「今は昔と違って携帯電話があるおかげで、日本にいる人とも気軽に話せる。LINE電話なら、無料で話せるしね。僕の中では、この存在がかなり大きい。しかも今回、(盗まれたら)怖いから肩掛けストラップにしたんだ。ピカチュウ(のモンスターボール)もついてる」
彼のキャディバッグやウエアを見ると、ヘッドカバーはウルトラマン、ウエアにもウルトラマンのイラストがついている。
「ウルトラマンと契約してるの。でもすぐグリーン上にいくと、すぐにランプがついちゃう!」と言う。ウルトラマンのランプは、エネルギーが少なくなると赤く光り、地球上では3分間しかもたないことになっているが、あと36ホール、なんとかランプがつかないうちに、上位進出を目指してほしい。

