Text & Photo/Eiko Oizumi

2022年、ザ・カントリークラブ(ボストン)で開催された「全米オープン」で初出場を遂げた香妻陣一朗が、日本予選を通過し、2度目の挑戦を果たす。
昨年からLIVゴルフを主戦場に、アイアンヘッズGCのメンバーとして戦っている香妻は、普段からブライソン・デシャンボー、ジョン・ラーム、ブルックス・ケプカらLIVゴルフの強豪たちとプレーしているだけあって、メジャーの会場でビッグネームたちとプレーすることを恐れる気持ちはない。
「顔見知りが何人もいるのは、心強いですね。前回よりは経験も積めているし、気持ち的にもやれるんじゃないか、という感じがある。ブライソンとかジョン・ラームは、メジャーで必ず上位にいっているイメージがあるので、その辺の選手たちと日頃戦っているのは、自信にもつながっています」
開催地のオークモントCCは、今回で「全米オープン」開催10回目の名門コースだが、「難しいですね。グリーンの傾斜が特に。ラフももちろん難しいんですけど」とグリーンの難しさを語る。そして、全長7372ヤードでパー70の設定で行なわれるが、距離が長いため、ドライバーを持つ回数が多くなるという。
「ティーショットでフェアウェイキープが大事。そこを意識しながら回らないといけないですね」
実際、昼間に練習ラウンドをするだけでなく、香妻にはもう一つ、秘密兵器がある。夜にゲーム(プレーステーション5)でオークモントを回るというのだ。香妻によると、距離も今週の「全米オープン」と同じくらいで、コースの傾斜具合もゲームで再現されているという。難しいグリーンの傾斜も、ゲームでつかむことができるそうで、「PGAツアーのゲームなんですけど、グリーンの傾斜、まじで覚えられますね。もう1回、夜にやったら、ああなるほどと思える。やり込まないと(笑)」
前回は歯が立たず、予選落ちに終わったが、今回は強豪ぞろいのLIVゴルフで日頃揉まれているぶん、「自分でも成長した感覚があるので、メジャーで試したかった。楽しみですね」と香妻は語っている。今年の序盤は腰痛を患い、LIVゴルフを5戦連続で欠場したが、現在は腰に不安はない。グリーン上が難しいというが、得意のパッティングでねじ込み、なんとか予選通過を果たして前回の悔しさを晴らしたいところだ。

