Text & Photo/Eiko Oizumi

6月の「全米シニアオープン」に次ぎ、パドレイグ・ハリントンは、今季2試合目のシニアメジャーに優勝した。
7月24日〜27日にイギリス・ロンドン郊外のサニングデールGCで「ISPSハンダ・シニアオープン(全英シニアオープン)」が開催され、ISPSアンバサダーのパドレイグ・ハリントンが、2位のトーマス・ビヨーン、ジャスティン・レナードに3打差をつけ、通算16アンダーで優勝。2007年、2008年「全英オープン」チャンピオンのハリントンは、「全英シニアオープン」も制覇した5人目の選手となり、歴史にその名を刻んだ。なお、過去この偉業を達成したのは、ボブ・チャールズ、ダレン・クラーク、ゲーリー・プレーヤー、トム・ワトソンがおり、クラレット・ジャグ(全英オープントロフィー)と全英シニアオープントロフィーの両方を手にしている。
「今はとにかく、この大会で勝てたこと、そしていいプレーができたことに興奮している。『全英オープン』で勝って、この試合に勝てた選手は5人しかいないわけで、その仲間入りが果たせたのは本当に嬉しい。歳を重ねるにつれて、自分がどんな足跡を残したか、というレガシーがすごく大事になってくるが、サニングデールのような素晴らしいコースで勝ちたい、記憶に残るようなことを達成したいという気持ちが強くなってくる」
「シニアになると勝てる時間は限られている。55歳、56歳くらいまではまだチャンスがあるが、それ以降は厳しくなってくる。自分もシニアオープンでは何度か2位に終わっていたし、このまま勝てないままだと“いつ勝てるんだ?”と焦りが出てくる。それを思うと、今回勝てたことは本当によかった。ホッとしている」
ハリントンは3日目を終えて、2位のジャスティン・レナードに2打差のリードを持って最終日を迎えた。1番ホールでいきなりイーグルを奪い、リードを3打差に広げると、その勢いのままに6番、9番でバーディ。前半を終えて2位と4打差となったが、同じくISPSアンバサダーのトーマス・ビヨーンが9番からの6ホールで4バーディを奪う猛攻を見せ、2打差まで詰め寄った。
しかしビヨーンは16番でボギーを叩き、勢いがストップ。ハリントンも17番でボギーを叩いたが、18番ティーに立った時は、2位と3打差でリードしていた。最終組で一緒に回っていたレナードも68とスコアを2つ伸ばしたが、通算13アンダーでホールアウト。ハリントンはシニアツアーで通算11勝目を達成し、来年の「全英オープン」への出場権も獲得した。
なお、4位にはオーストラリアのスコット・ヘンド、5位タイにはアーニー・エルス、キャメロン・パーシーが入った。
ISPSハンダとR&Aの協力により、サニングデール・オールドコース13番ホールで出たバーディ1つにつき、750ドルがカンボジアでの支援活動に寄付されることになっていた。しかし、最終ラウンド前に、この額は2000ドルへと引き上げられ、大会を通じて13番で49個のバーディをマーク。4万8000ドルの寄付金が集まり、さらに端数を切り上げて合計5万ドルが寄付されることになった。


