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「ISPS HANDA夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」
7年ぶりに優勝した小平智「早くアメリカに戻りたい」

Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe、ISPS

左からISPS半田晴久会長、小平智、JGTO諸星裕会長。

  ISPSの北海道シリーズ第2弾は、北海道ブルックスCCで開催された「夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」。前週の「どれだけバーディー取れるんだトーナメント」の優勝賞金額が、1200万円だったのに対し、2試合目の「夏の決戦」は今季男子ツアーの最高優勝賞金額4260万円ということもあり、金谷拓実、大西魁斗、チャン・キムという米ツアーからの帰国組も参戦。また石川遼も参戦し、最終日には1888人のギャラリーが、会場につめかけ、大いに盛り上がった。

 優勝したのは過去、国内ツアーで7勝を挙げ、2018年にPGAツアー「RBCヘリテージ」で優勝した小平智。この優勝を機に、7年間米ツアーで戦ったが、シード権を失い、昨年から国内ツアーを主戦場に戦っている。今大会で通算24アンダーをマークし、2位の大岩龍一とは1打差で、7年ぶりの8勝目を達成。優勝賞金4260万円を獲得し、一気に賞金ランキング5位に浮上した。

「今までで一番嬉しい優勝ですね。この優勝の報告を両親……父親に届けばいいですけど、今いるのは母親なので、母親に一番に報告したいです。アメリカで苦しい時期を過ごして、母親も近くで見てくれていたので、すごく苦しい思いもさせたし、心配性なんで、心配されるのがうっとおしい時期もあって母に当たったりもしましたが、優勝という形でお返しができて、嬉しいです」

 2023年1月、父でありコーチの健一さんが他界。小平は心の支えを一気に失い、「モチベーションが上がらずにゴルフをしていた」と告白した。そんな中、「心もゴルフも整えよう」と6月末から1ヶ月半にわたって渡米し、ゴルフだけに集中する環境に身を置いた。松山英樹と3日間過ごし、一緒にラウンドもしながら、「昔、小平さん、こういう感じでしたよね?」と以前、父から言われていたようなスイングのヒントを松山から言ってもらって改めて気づいた発見や、「パター、うまいですね」と松山や黒宮幹仁コーチから褒められ、パッティングに対する自信を取り戻したことも大きかったという。また、元々使っていたシャフトに戻したら、昔の調子が戻ってきたそうだ。

「ヒデキもそうだけど、一緒に回りましょうと言ってくれる後輩がいて、久常や(平田)憲聖らも“一緒に回りましょう”と声をかけてくれた。本当に人に恵まれているなと思った。夏から秋にかけて大きな試合が続くので、その辺でヒデキにいい報告ができたらいいし、PGAツアー『ベイカレントクラシック』に出場したい、そしてそこでヒデキと一緒に戦いたい。アメリカ合宿に行って、本当によかった」と2日目に首位に立った際、語っていた矢先の優勝だった。

小平の「やる気」に火をつけた岩田寛。

 最終日、9ホールを終えた時に、小平がリーダーボードに目をやると親しい岩田寛が首位に立っていた。
「(岩田)寛さんがトップに立っているのを見てスイッチが入りましたね。(優勝が決まった瞬間に)寛さんが抱きついてきて“泣きそう”と言われて、僕もその言葉で泣きそうになりました(笑)」

 岩田の他、大堀裕次郎もシャンパンを持って駆けつけ、小平の優勝を祝った。また、キャディの市原弘章(プロゴルファー・市原建彦の弟)も小平に抱きついて喜びを分かち合い、優勝の記念撮影にも立ちあった。
「市原くんは長年の親友で、アメリカでつらい時も連絡を取り合っていた。帰国後は、試合を観にきてくれたりして、今年は自分の競技を諦めて、僕のためにバッグを担いでくれている。彼にとっては人生の転機になったと思うし、彼と一緒に優勝したいと思っていたので、嬉しいです」

優勝が決まった瞬間、抱きついて祝福した岩田(左)。
シャンパンを持ち寄り、小平を祝福した大堀裕次郎(右)。小平も勝利の美酒を一杯!

 今回の優勝で、賞金ランキングで一気に5位に浮上。もし賞金王になれば、来季のPGAツアーの出場権を獲得するため、最終予選会から出場できる。これは昨年、金谷拓実がたどった道のりで、金谷は見事5位以内に入り、出場権を獲得した。

「もし1位になれなくても、セカンドQTから行く予定。アメリカにはずっと戻りたいと思っているし、日本でPGAツアーを観ていても、あのトップ選手たちの中にヒデキがいて、プレーしているのはすごいと刺激を受けている。以前、米ツアーに出ていた時、何が悪かったのかと毎日考えているが、練習や食事、ケアなど、前とは違うアプローチをして、通用できるようになりたい」と米ツアーへの強い思いを語った。

 一度は諦めた米ツアーだが、帰国した小平の心に常にあるのは、やはりアメリカのこと。「今回優勝できて、アメリカに挑戦できるのが一番大きい」と語っているが、秋のビッグイベントで好成績を残し、賞金王になって年末に行なわれるPGAツアーの最終予選会に出場することが、小平にとって最大の目標となる。

松山英樹らのアドバイスもあり、優勝した小平。再びPGAツアーの舞台を目指して奮闘する。
大会後は、女子プロレスも披露。ISPSは、ゴルフトーナメント観戦だけでない、新たなゴルフ文化を創造している。
プロレスの後は、花火1000発の鑑賞。小平(左)も夏の夜空に咲く大輪の花火を鑑賞した。右は、鶏のかぶりものを着用し、音楽に合わせて指揮をとるISPS半田晴久会長。

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