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ツアー出場200試合目で、PGAツアー10勝目を
飾った日本と縁の深いザンダー・シャウフェレ

Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe

「東京五輪」で金メダルを獲得したザンダー・シャウフェレが、「米カレントCレクサス」で日本2勝目を飾った。左は母のピンイーさん、右は父のステファンさん。

 昨年まで開催されていた、日本開催のPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」に続き、今年から新スポンサーのもと、横浜カントリークラブで開催された「ベイカレントクラシック・プレゼンテッド・バイ・レクサス」。その第1回大会で優勝したのは、世界ランク4位のザンダー・シャウフェレ。今季はケガで思うような成績を出せていなかったが、ようやく今季初優勝を、縁の深い日本で挙げた。

 3日目を終えて、初日から首位をキープしていたマックス・グレイサーマンとともに首位に立ったシャウフェレは、最終日に8バーディ、1ボギーの64をマークし、通算19アンダーでホールアウト。2位のグレイサーマンと1打差でツアー10勝目を飾った。今大会が彼にとって、200試合目だった。
 また、優勝賞金144万ドル(約2億1600万円)を獲得し、世界ランクも3位に浮上。シャウフェレは優勝後の記者会見で、次のように語った。

「最後に優勝してから、1年くらい経過しているので、正直緊張した。優勝で今年を締めくくれたのは良かったし、今月で僕も32歳になるので、この優勝をきっかけに30代中盤に向けていい流れができるといい」

 シャウフェレの台湾出身の祖父母は、今も東京・渋谷に住み、母のピンイーさんは台湾で生まれ、日本で育った。幼少の頃から日本を訪れ、日本はなじみ深い場所でもある。

「祖父母に会うために、日本に初めて来たのは9歳の時。その時に日本の文化について学び、好きになった。自分の息子を日本に連れて来られる日を楽し見にしている。シャウフェレファミリーにとって、日本との深いつながりがあるのは確かだ。そんな日本で勝てたことは、本当に嬉しいし、特別なことだ」

 今年の8月末には、シャウフェレとマヤ夫人の間に長男・ビクターくんが誕生した。今回は、マヤ夫人とビクターくんは来日せず、アメリカの自宅でお留守番となった。 

 「マヤとの間に最初の子供が生まれて、間違いなく精神面の変化はあった。まだ息子は6週間ちょっとだが、彼のためならなんでもできると思える。これまで感じたことのない感覚で、言葉でうまく説明できないが、とても新鮮で、父親になることがこんなに最高なんだと感じている。この後、(米国に)帰って息子とマヤに会うのが楽しみだ」

 最終日には、日本に住む親戚たちが大勢集まり、シャウフェレの応援に駆けつけた。表彰式後の記念撮影では、20人以上の家族と親戚が一堂に会し、1枚の写真に収まった。今回は、父ステファンさんと母ピンイーさんも揃って来日。ここ数年、ステファンさんはハワイに自宅を建築中で、メジャー大会にも姿を見せていなかったが、日本開催の今大会で久しぶりに息子のプレーを見守った。

「(今晩は)家族みんなで集まって、少しお酒を飲みながらお祝いすると思う。まだお酒を飲めない子もいるけれど、みんなで一緒にゆっくり過ごしたい。なかなか会う機会がないから、家族は横浜でも千葉でも、どこで試合があっても時間を作って来てくれる。本当に感謝しているよ」

 第2の祖国・日本で2勝目を挙げたシャウフェレ。1勝目は、2021年の「東京オリンピック」での金メダル獲得だった。今季序盤はケガの影響で欠場を余儀なくされ、自信を失う時期もあったというが、今回の優勝で再び自信を取り戻し、来シーズンへ向けて大きな弾みをつけた。

初日から首位をキープし、完全優勝を目指したマックス・グレイサーマンは、2位に終わった。

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