Text & Photo/Eiko Oizumi

UAE・ドバイのジュメイラGEで開催される、DPワールドツアー(欧州ツアー)最終戦「DPワールドツアー選手権」が、11月13日から開幕する。過去2年、同ツアーに本格参戦してきた中島啓太は、現在レース・トゥ・ドバイランキングで14位だが、PGAツアーへのパスウェイ(有資格者を除くトップ10)では、9位につけている。今週の試合が終わり、トップ10入りを果たせば、来季は念願のPGAツアーメンバーとして、「ソニーオープン・イン・ハワイ」から始動することになる。そのため、今大会の成績が非常に重要だ。
大会前、中島に今年1年を振り返ってもらうと、次のように語った。
「今年は予選落ちがいっぱいあったので、いい年とはいえない。優勝もしてないですし。でも、今、この位置にいられるのは悪いなりにもいいのかな、と」
昨年は腰痛を患い、オフ期間中はトレーニングも満足にできなかった中島だが、現在は痛みから解放されている。しかし、オフにウエイトトレーニングや筋トレをすることができなかった分、スイングスピードは昨年よりも落ちているという。
「体幹部分のトレーニングが疎かになって故障が出たのを意識して、ウエイトよりも体幹系を鍛えるトレーニングをやった分、体の痛みはないんですけど、スイングスピードが落ちてしまった。去年1番速い時で120マイル/時あったのが、今では115マイル/時に。超えるバンカーも超えなかったりして、ちょっと飛んでないな、と思います」
ツアーも終盤を迎えるところで、テーラーメイドの新ドライバー「Qi4D」をゲット。スピン量が減り、つかまりがいいので、何球か打って即座にバッグに入れたのだという。この新兵器のおかげもあり、飛距離は少し取り戻せているようだが、本格的に飛距離を取り戻すのは、オフに入ってからだ。
また、10数年来、スイングを時々見てもらっているという岩本肇コーチが、今回は帯同。優勝争いや、緊迫した場面で動きすぎるスイングを「止めてもらうため」に呼んだのだそうだ。
もともとすぐにPGAツアーに挑戦したかった中島が、2年の時を欧州ツアーで過ごして挑むPGAツアーメンバーへの道も、いよいよ終盤。トップ10枠に入り、出場権を獲得すれば、「ソニーオープン」から出場するという。だが一方で、「自分の得意技」を持たないとアメリカで戦うのは難しいことも知っている。まずは、今週の熾烈なトップ10争いに勝ち抜くことが先決。その後で、今後に向けて取り組む内容やスケジュールも決まってくる。






