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日本人初! 比嘉一貴が
アジアンツアー年間王者に

Text/Eiko Oizumi
Photo/Asian Tour  Thanks to Asian Tour

アジアンツアーコミッショナー兼CEOのチョ・ミンタン氏(左)から年間王者のトロフィーが贈られた比嘉一貴。

 サウジアラビア・リヤドのディラブゴルフ&カントリークラブで行なわれた、アジアンツアー最終戦「PIFプレゼンツ・サウジオープン」。通算16アンダーの7位で終えた比嘉一貴が、2025年アジアンツアーのオーダー・オブ・メリット(ポイントランキング)で日本人初の1位となり、年間王者に輝いた。2位は2025年インターナショナルシリーズの年間王者スコット・ビンセントで、そのポイント差は199.84ポイント。ビンセントは通算11アンダーで15位タイに終わったが、比嘉を逆転するには(比嘉がこの順位であるとしたら)、2位以上の成績が必要だった。

「本当に嬉しい。日本人で初めてアジアンツアーの年間王者になれたというのは、とても光栄なこと。積み重ねてきた努力が報われ始めたと感じていたが、今週それが現実になって、本当に感動している。来年はインターナショナルシリーズでも1位になれるように頑張りたい」

 比嘉はシーズン序盤から快進撃を見せ、開幕戦の「スマート・インフィニティ・フィリピンオープン」で8位タイ、「インターナショナルシリーズ・インド」で5位タイ、「ニュージーランドオープン」で2位タイと、3試合連続トップ10入りを果たした。
 そして8月に国内男子ツアー「ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディ取れるんだトーナメント」でも3シーズンぶりのツアー7勝目を挙げると、その翌月にはアジアンツアーとの共催試合「シンハンドンヘオープン」(韓国開催)で優勝。続いてアジアンツアー「ヤンダーTPC」(台湾開催)で2連勝を達成。その後、「インターナショナルシリーズ・フィリピン」で2位タイに入り、ビンセントをポイントランキングで逆転して1位の座を奪い返すと、その後は誰にもその座を明け渡すことはなかった。

「アジアンツアーで年間王者になることは、目標の一つだった」

 3年前に国内男子ツアーで賞金王に輝いた後、海外での成功を目標に掲げ、DPワールドツアーやアジアンツアーにも参戦。ドライバー契約を結ばず、自分に最も合うクラブを選択し、ドローやフェードの打ち分けもブラッシュアップ。飛距離を伸ばすためにウエイトトレーニングや有酸素運動にも取り組んで、飛距離も284.41ヤード(2024年)から297.91ヤードまで伸びた。そして、「歯を磨くように、毎日練習している」と語るように、比嘉は「もうこれ以上は劇的な変化は望めないと思えるほど、自分のできることは全てやっている」と全力でゴルフに取り組んできた。

「今の段階では日本ツアーとアジアンツアーしか出られるツアーはありませんが、また日本とアジアでトップを取れるように頑張りたいですね」

 自身のゴルフのピークは、向こう3年間だと感じている。その間に米ツアーにも挑戦したいと考えているが、アジアンツアーで総合優勝を達成した技術と自信を糧に、今後も世界を股にかけた活躍を見せることだろう。

3週間前に「サウジ・インターナショナル」出場のため、サウジアラビア・リヤドを訪れていた比嘉。最終戦「サウジオープン」でアジアンツアーの日本人初の年間王者になるため、再びサウジアラビアの地を訪れるという強行スケジュールをこなした。
海外遠征時は、東北福祉大の先輩でフランス生まれの、神田七保海(かんだなおみ)キャディが比嘉の活躍をコース内外で支えている。

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