Text & Photo/Eiko Oizumi

前週の「LIVゴルフ・香港」で2024年9月以来の個人戦優勝を飾ったジョン・ラーム。LIVゴルフで2度も年間個人王者に輝いている彼だが、539日ぶりの勝利とは驚きだ。今季は開幕戦の「リヤド大会」、2戦目の「アデレード大会」で2位に入り、今年も圧倒的な安定感を見せている。そんな彼が、「シンガポール大会」の開幕前の記者会見に臨み、次のように語った。
「すごくホッとしたよ。優勝をゆっくり祝うことはなかったけど、調子がいい状態で、すぐ次の試合に臨めるのは恵まれている。勢いというものは確かにあると思うけど、それを証明し続けなければいけない。“先週良かったから、今週も大丈夫だろう”と油断するのは簡単だが、そうではない。結果につながる良い準備を、引き続きしないといけないんだ」
香港での優勝で、8カ国目の勝利を飾ったラームだが、これはPGAツアー、DPワールドツアー、LIVゴルフでの勝利を合計した結果だ。ただかつては祖国の英雄、セベ・バレステロスが20カ国で優勝し、セルヒオ・ガルシアも18カ国で優勝している。ラームは次のように語る。
「僕の場合、LIVに来る前は、70年代〜2000年代初頭の選手たちほど、世界中ではプレーしていなかった。たとえばグレッグ・ノーマンは通算100勝以上しているから、きっとかなりの国で勝っているはず。世界中のさまざまな場所でプレーして勝てるというのは、本当に特別なことだと思う。セルヒオ、セベはすごいですが、LIVも10カ国で試合があるので、これから数字を増やしてまずは10カ国、そしていつか20カ国までいけたらいいね」
最近では特にパッティングの調子がいいと話しているが、来週の「南アフリカ大会」の後には、今季の海外男子メジャー第1戦「マスターズ」を控えている。
「20試合以上試合に出て、まだ勝ってないとか、2年間勝ってないとか、言われなくて済むので、その意味では「マスターズ」前に勝ててよかった。努力が報われているというフィードバックを得られたのは大きいし、勝てる位置にはずっときていた。オーガスタに向けては、大きな自信になる」
ここ最近、DPワールドツアーとの問題(罰金の支払いや出場試合数に関するツアーへの反論)や、イラン・イスラエル問題で中東で足止めされていた選手たちを、自身のプライベートジェットを飛ばして香港へ移送したことなど、コース外での話題に事欠かないラームだが、意外とゴルフには集中できており、逆にそれが奏功している部分もあるようだ。
「どんな仕事でも同じだと思うが、物事を区別して考えることが大切。コントロールできないことは気にしすぎない。自分がコントロールできるのは、コース上でのプレーやルーティーン、準備、1打1打への集中だ。むしろコース外でいろいろあると、コースに入った時にゴルフだけに集中できて、解放感がある」
明日から開幕する「シンガポール大会」でも優勝候補の筆頭格だが、その先の「マスターズ」に向けても視界良好だ。




