コロナ禍で５試合実施
今年は試合数増のJGTO

「日本シリーズ」の最終日に撮影された集合写真。選手会長の時松隆光（前列左から3番目）が選手を代表して1年の締めの挨拶を行なった。その右隣は優勝したチャン・キム。

昨年は新型コロナウイルスの影響で、9月初旬まで中断していた男子ゴルフツアー（JGTO）。

「フジサンケイクラシック」を皮切りに再開されたが、２戦目の「日本オープン」や３戦目の「三井住友VISA太平洋マスターズ」などは各大会間に１カ月以上のインターバル（空白期間）があり、女子ツアーに比べるとトーナメント開催に至るのが困難な状況だった。

今平周吾、石川遼、堀川未来夢、星野陸也らは9月の「全米オープン」や10月の「ZOZOチャンピオンシップ」、11月の「マスターズ」などの海外試合参戦があったため、自主隔離期間などもあり、このインターバルは好都合だったかもしれない。

だが、一般の選手たちにとっては試合に出たくても出られない、苦しい1年となったはずだ。ISPSが主催する「チャリティトーナメント」が秋以降に数試合開催されたが、選手たちは口々に「試合に出るチャンス、収入を得るチャンスを作ってもらい、非常にありがたい」とコメント。

このような「公式試合ではないチャリティイベント」がISPSやニトリのほか、有志のプロゴルファー自身によっても実施され、医療従事者への支援と、選手たち自身の収入に大きく貢献したと言えるだろう。

さて、試合数の少ない男子ツアーだったが、大きな話題もあった。

世界アマチュアランキング１位の金谷拓実が、10月にプロ転向を果たし、「ダンロップフェニックス」では早速、プロ入り後初の優勝を遂げた。

また彼は、ツアーで顕著な実績を持ち、賞金ランキングによるシード権を獲得した選手ということで、日本プロゴルフ協会（PGA）の特別入会制度により、プロテストを免除。トーナメントプレーヤー会員として入会が許された。

2020年は選手やキャディ、関係者に対してPCR検査を実施し、無観客で開催された男子ツアー。

2021年も引き続き、コロナウイルスに対して慎重に向き合いながら、試合を開催する1年となるだろう。

さらに開催試合数の増加、人数を絞っての観客の動員、海外選手の受け入れに関する緩和措置なども期待できるかもしれない。

「ダンロップフェニックス」出場選手は、ツアーが用意したチャーター便で宮崎に向かった。ツアー選手は左から石川遼、池田勇太、時松隆光、香妻陣一朗、小鯛竜也。

コロナウイルス検査で陰性が証明されている選手、キャディ、関係者が搭乗。選手会副会長の池田勇太がANAとスポンサー契約をしている縁で、池田が窓口となり、チャーター便の運航が実施された。

コロナ禍の中で開催された試合の勝者たち

フジサンケイクラシック優勝星野陸也

日本オープン優勝
稲森佑貴

三井住友VISA太平洋マスターズ優勝
香妻陣一朗

ダンロップフェニックス優勝
金谷拓実

日本シリーズ優勝
チャン・キム

2021年JGTO《男子ツアー》スケジュール

Text/Eiko Oizumi　Photo/Hochi Shimbun、JGTO、JGA