2020年の全米オープンに出場した日本人選手、松山英樹、石川遼、今平周吾、金谷拓実の戦いぶりを振り返る!
松山英樹
メジャーVまであと一歩!
+8
17位タイ
「3日目まではいいショットが打てていた」
練習日に深いラフからのアプローチを試みる松山英樹
「今度は4日間、いいショットが 打てるようにしたい」と松山。
ショットは上向き。あとはパッティングの調整次第!?
最終日は8オーバーの78とスコアを崩したが、3日目まではバーディも量産でき、調子は上向きだ。
【1R】+1(33位タイ)
2バーディ・3ボギーの71
「ティーショットは安定してましたが、パッティングがうまくいかなかったですね。グリーンが硬いのか硬くないのかわからないまま、最後までいってしまいました」とプレー後にコメント。
普段は自分に厳しい松山だが、彼の口から「ドライバーがすごく安定していたし、久しぶりにいいプレーができた」と好調ぶりが伺える言葉が飛び出したのはいい兆し。
日本のゴルフファンたちもその言葉を聞いてさぞかし嬉しかったことだろう。
「いいショットは打ってたけど、パッティングがうまくいかなかった。グリーンがややソフトだったので、(アンダーパーが多いのは)あまりびっくりではないけど、出せるチャンスがあるのに出せなかったのは残念」
【2R】-1(7位タイ)
3バーディ、2ボギーの69
「今日はとてもいいプレーができたんですけど、パッティングが少しよくなかったので、そこは反省かな、と思います」と1R同様、ショットはいいが、パッティングが思うように決まらなかった2日目。
グリーンも乾いてきて硬くなり、この難コースの本領を発揮してきたのでは? と語っていた。
1番ホールではチップインバーディも飛び出し、珍しくプレー中に笑顔を浮かべた。
「なかなかないバーディだったのですごく嬉しかったです。パターが調子悪かったので、ウェッジで打ったら入りました」
また、「ドライバーのシャフトを少し短くした」おかげで、フェアウェイキープ率も1位とショットの精度は抜群だった。
【3R】イーブン(4位タイ)
6バーディ、4ボギー、1ダブルボギーの70
過去2日間に比べてボギーの数は多いものの、バーディも量産し、出入りのあるゴルフだった3日目。
「パットに関しては今日もすごく難しかったけど、いいところと悪いところがはっきりしていた。明日はボギーを少なくして、バーディを取りたい」と語った。
風も穏やかで、ピンをデッドに狙いやすかったのが、6バーディに繋がったようだ。
3日目を終えて首位のマシュー・ウルフに5打差の4位タイにつけた。
【4R】+8(17位タイ)
1バーディ、7ボギー、1ダブルボギーの78
「何もいいところがなかった。疲れました」と疲労感を滲ませながらコメントしていた松山。
デシャンボー以外の選手たちも軒並みオーバーパーを叩き、大苦戦。
しかし彼は「3日目まではいいショットを打てていたと思うので、それを4日間続けられるようにしたい」と前を向いた。
パッティングを調整できれば、メジャーでも優勝のチャンスが出てくるという。
2021年シリーズはメジャーが6回ある異例の年だが、なんとか悲願の1勝を挙げて欲しい。
石川 遼
「またこういう舞台に帰ってきて、もっと上位で戦えるよう頑張りたい」
+18
51位タイ
新コーチの田中剛氏(右)がバッグを担ぐ。
1打1打に向き合いベストを尽くすだけ
「世界一のトーナメントの世界一難しいセッティングで、今まで自分がゴルフをやってきた中でも1番難しいゴルフだったと思う。普段はトータルのスコアにこだわってやっているが、ここだと1打1打に向き合って自分のベストを尽くしていくことに集中するのに精一杯」とコメントしたのは石川遼。
「こういう中で優勝争いをしている選手たちはすごいですね」と上位で優勝争いをするプロたちの活躍をたたえた。
現在、田中新コーチと取り組んでいるスイング作りを1~2年かけてじっくり完成させていくつもりの石川だが、「またこういう舞台に帰ってきて、もっと上位で戦えるよう頑張りたい」と語った。
今平周吾
メジャー8度目にして初の予選通過
+25
61位タイ
石川遼と練習ラウンドをこなす今平。
8度目のメジャー挑戦で予選通過を果たすも……
予選ラウンドはガマンのゴルフで耐え忍び、なんとかメジャー8度目にして初の予選通過を果たした今平。
しかし思い切って伸ばしていきたいところを3日目は1バーディ、5ボギー、2ダブルボギーの78、最終日は2バーディ、6ボギー、4ダブルボギーの82を叩き、一気に最下位に沈んだ。
金谷拓実(アマ)
大健闘も1打及ばず予選落ち
予選落ち
練習日は東北福祉大の先輩、松山英樹と一緒にプレーし、アドバイスをもらったという。
自分のプレーができなかった。もっと自分を磨きたい
初日は最終ホールでダブルボギーを叩きながらも2オーバーでフィニッシュした金谷。
2日目は風が吹き、難しいコンディションの中、健闘するも1打及ばず予選落ちに終わった。
「初日より風が吹いてグリーンもフェアウェイも硬くなってフェアウェイに置くことができず苦労した。もう学ぶとかではなく、自分のプレーができてなかったので、自分を磨いていきたいと思います」
Text/Eiko Oizumi
大泉英子
ゴルフ誌の編集長を経て、現在はフリーライター、ゴルフイベントのプロモーターなども手がける。『ゴルフ・グローバル』編集長。海外取材は20年以上。全米ゴルフ記者協会、日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
Photo/USGA(John Mummert, Darren Carroll, Chris Keane, Jeff Haynes),Getty Images