世界のゴルフ通信・オーストラリアのゴルフ事情を紹介します。
コロナでゴルフ人口増加!
再びロックダウンされたオーストラリア・ビクトリア州。同国第2の都市メルボルンも普段はバーやレストランで大勢の人々が賑わうが、ロックダウンによって、人気のない街に戻りゴルフ場もクローズしている。
ビクトリア州のゴルフ場はロックダウンによって再びクローズに。
ゴルフブームが起きているオーストラリア
世界規模で拡大した新型コロナウイルス感染症は、思いがけずオーストラリアのゴルフ界の活性化に一役買った。
オーストラリア全土のプレー者数が約50%増えたというのだ。
グレッグ・ノーマンが他の追随を許さぬ世界最高の選手だった栄光の時代は、オーストラリアのコースは予約でいっぱいで、メンバーになりたいゴルファーで会員権のウェイティングリストが埋まっている状況だった。
だが今、3月のパンデミック以降、同様のゴルフブームが起きている。
予想外にプレー者数が急増したことを受け、ゴルフ場は慎重ではあるが、ゴルフの未来を楽観的に見ている。
オーストラリアの競技管理組織でゴルフ開発部門のゼネラルマネージャーを努めるデビッド・ガリキオ氏は、パンデミック中のゴルフの人気ぶりについて驚くべき数字を公表した。
彼によると、週ごとのラウンド数が45%も増加しており、オーストラリアの冬季のラウンド総数が夏季のピーク時のそれに匹敵した(または上回る場合があった)のだという。
「ラウンド数の増加は、オーストラリアのあらゆるコースにも見られる現象。夢のようですね。毎週のピークが新型コロナ禍前の水準を39~45%上回っており、全体の平均値は新型コロナ禍前よりも毎週27.3%増大している。いつもなら1月(夏)に多くのゴルファーがプレーしますが、今年は5月と6月(冬)にも多く見られました。信じられない光景です」
若い世代(30~50歳代)のゴルファーが前年比20%ほど増加しているというが、それはゴルフ場が広くて自然があることから「ゴルフは安全なレクリエーションとみなされて恩恵を受けたからだ」とガリキオ氏は指摘。
既存のゴルファーもゴルフを始めたばかりの人もゴルフの魅力を再認識したのだ。
「たしかに、既存のメンバーでいつもよりたくさんプレーしている人たちもいますが、長い間プレーしていなかったメンバーもゴルフに戻ってきました。特に嬉しいのは、ゴルフを始めたばかりの人たちが大勢メンバーになったことですね。今のところ多くのゴルフ場がメンバーコースのため、多くの人がコースを利用するためにメンバーになろうとしています」
ゴルファーの増加により活性化されながらも、ゴルフ業界が将来のことに気を配り、過去の過ちを繰り返さないように注意しなければならないとガリキオ氏は述べている。
一方ビクトリア州では、8月1週目から6週間に渡って再びロックダウン期間に入り、今もまだそれが延長されている。
ゴルフに関しては、メルボルン市内ではまだプレーは禁止だ。今後の感染者数によって、ロックダウンが継続するか否かが決定されるという。
ビクトリア州以外の場所ではゴルフを楽しむことができる。写真はシドニー郊外のコーストゴルフコース。
Text/Rod Morri
ロッド・モリー
(オーストラリア)
ゴルフニュースのウェブサイト「オーストラリアゴルフ」のコラムニストで、長年に渡り、豪州ゴルフツアーを取材。