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【世界のゴルフ通信SP】From Middle East モリナリ兄がコロナに感染!?オマーンオープンで初のコロナ感染疑惑

©Getty Images

2月末に開催されたオマーンオープンで、イタリア人のエドアルド·モリナリ(左)とロレンツォ・ガッリ(右)の2人がコロナウイルス感染を疑われた。検査を受け、試合を欠場させられたが陰性だった。

オマーンオープンで初のコロナ患者疑惑

ゴルフ界の中で、コロナウイルス危機に最初に巻き込まれたのは中東だった。

その危機は、すぐに雪だるま式に膨れ上がり、2020年に世界中で開催されるゴルフ大会の全ての予定を狂わせる脅威となった。

2月26日、グレッグ·ノーマンがマスカットに設計したアルムージゴルフでオマーンオープンが開催される前日、イタリア人の2選手(エドアルド·モリナリとロレンツォ·ガッリ)が隔離された。

ガッリはインフルエンザに似た症状が報告されており、トーナメント中、ガッリと同室だったモリナリも、新型コロナウイルス感染症の検査を受けることになった。

陽性となれば、両選手とも、賞金総額175万ドルという欧州ツアーの大会を欠場し、1週間、隔離状態に置かれ、さらに翌週のドーハで開催されるコマーシャルバンク·カタール·マスターズにも出場できなくなる可能性があることも示唆していた。

実際2人の検査結果は陰性だったため、オマーンオープンに出場できることになった。

しかし他のウェイティング選手がすでに組み合わせに入っていたため、出場選手数を146人に増やす必要があった。

それから1週間後、別のイタリア人ゴルファーがトラブルに巻き込まれた。

フランチェスコ·ラポルタはドーハへ移動中だったが、搭乗していたフライトが着陸する直前に、カタールではイタリアと中国からの渡航者全員に対する14日間の隔離、あるいは帰国を急遽決定していたのである。 

また、オマーンオープンとほぼ同時期に、国際ゴルフ連盟が承認する地域振興ツアーであるMENAツアー「ロイヤル·ゴルフクラブ·バーレーンオープン」を開催することになっていたが、バーレーンがドバイからの全てのフライトを一時受け入れ中止したことで、選手たちのスケジュールに混乱を来すことになった。

MENAツアーは、その翌週に予定されていたバーレーンとヨルダンでのトーナメントを辛うじて消化したものの、以降のスケジュールの一時中止を決定した。

将来、PGAツアー開催も実現か!?

3月の第2週までに、事態は慌ただしく動き始めた。

注目のアラムコ·サウジ女子インターナショナルは、特に大きな犠牲を被った大会の一つで、この賞金総額100万ドルのトーナメントは、3月19日から22日にかけて、ロイヤルグリーンズ·ゴルフ&カントリークラブで開催される予定だった。

このトーナメントは、低迷するLETにとって、LPGAとコラボできるという大きな意味があっただけではなく、サウジアラビアにとっても、ムハンマド·ビン·サルマン皇太子のビジョンに従った国内の社会構造の変革を示す試みとして重要だった。

トーナメントは延期されたものの、サウジアラビアが後日改めて開催する決定をしたことは、LETにとって朗報である。

モロッコのハッサンⅡトロフィーも、後日に延期されることになった。

湾岸諸国の徹底したロックダウン

ほとんどの湾岸諸国では、迅速に行動して、早期に封鎖を実施していることから、感染者と死亡者の数は抑えられている。

しかしロックダウンの実施は、ゴルフの中断を意味する。

アラブ首長国連邦(UAE)では、3月22日に発布された政令により、国内の全てのゴルフ場が閉鎖されることになったが、4月9日以降については、厳格な衛生規則に基づき、メンバーのみに施設の使用を許可している。

ゴルフ業界では、このことがこの地域の回復に直結するきっかけになることを期待している。

©Getty Images

現在ドバイでは必要な買い物がある場合、家族で一人だけ外出を許されている。

24時間外出禁止のドバイでの生活

私は、「バーレーンオープン」取材後にはドバイに戻る予定だったが、ドバイを含む各都市へのフライトを一時中止したため、ヨルダンを経由して自宅に戻った。

それから数日以内に、UAEやサウジアラビア、その他の湾岸諸国全体でコロナウイルス感染防止対策が取られた。

学校は休校となり、オンライン学習が導入され、ドバイではゴルフ場など、あらゆる公共の場所が閉鎖された。

世界屈指の航空会社の一つであるエミレーツ航空でさえ、数日間営業を停止したのだ。

さらに、不要不急の職業に就いていない人々に対する夜間外出禁止令が出され、24時間外出禁止に拡大されることになった。

食料品店、スーパーマーケット、薬局で買い物をするにはオンラインで許可を取らなければならず、家族のうち1人だけが、マスクと手袋を着用した上で外出することが許されている。

いつもなら混み合っているドバイの道路は閑散としており、ほとんどの人が家で仕事をしている。

友人や家族は、「ズーム」などのビデオチャットを通じて連絡を取り合っている。

そして、このような状態全てがまもなく終わるだろう、と固く信じている。

©Getty Images

ドバイをハブとする世界最大の航空会社「エミレーツ航空」は、4月に入り一部運行を再開している。

Text/Joy Chakravarty

ジョイ・チャクラバルティ
(アラブ首長国連邦)

ドバイを拠点に25年以上に渡り世界中でゴルフ取材を続けている。

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