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オリンピックの4枠を巡る熾烈な争いが注目されています。
Brooks Koepka
メジャー最強の男、ブルックス・ケプカが、ヒザのケガを患い、世界ランク1位から陥落。
オリンピック出場に否定的。金メダルよりもフェデックスカップか?
ケプカの陥落と気炎を吐く欧州勢
ブルックス・ケプカにとって、2019年はすばらしいシーズンとなった。
全米プロで2連覇を遂げ、他のメジャーでもすべて4位以内と、世界ランク1位の地位は揺るぎないように見えた。
しかし今年の2月中旬、ケプカは1位の座から陥落した。
ヒザのケガに加えて、ローリー・マキロイとジョン・ラームの強さが光り、その不動だった1位の座が危うくなったのである。
メジャーですでに4勝を挙げているケプカは昨年、マスターズの優勝候補の1人に入っていたが(結局昨年はタイガー・ウッズに1打差で2位タイに終わった)ヒザを故障し、ツアー選手権後に幹細胞治療を受けていた。
ラスベガスの試合からツアーには戻ったがその週は予選落ち。
その2週間後、韓国開催の CJカップでは濡れたカート道で足を滑らせてヒザの故障を悪化させた。
その後の試合は全て欠場し、プレジデンツカップもキャンセル。
アブダビHSBC選手権では34位タイ、サウジインターナショナルでは17位タイに終わった。
プレー不足と成績不振により、マキロイとラームに首位争いを許しているうちに、ついに2月10日、マキロイが世界ランク1位の座に躍り出た。
マキロイは、11試合のうち9試合をトップ10フィニッシュし、そのうち2試合で勝利を収めた。
ラームも19年後半に2度優勝を果たしている。
Jordan Spieth
得意のパッティングも最近ではあまり決まっていないジョーダン・スピース。
オリンピックの椅子取りゲームが熾烈な米国
現在、世界ランク上位のほとんどをアメリカ人が占めている。
これはオリンピックにも大いに影響する。
オリンピックの出場資格は、オリンピックゴルフランキング15位以内にランクインしている選手なら1か国につき上位4人までが出場できることになっているが、米国の場合は世界ランクトップ10に6人が入っているので、非常に熾烈な椅子取り争いとなっているのだ。
Phil Mickelson
今年シニア入りだが、体のケアを入念に行い、飛距離もアップしているフィル・ミケルソン。
ついにアメリカにも!試合を中止に追い込むコロナウイルスの波
日本を含むアジアの数々のゴルフ大会が、コロナウィルス感染拡大を恐れて中止に追い込まれているが、ついにその波はアメリカ大陸にも押し寄せた。
3月2週目に開催された「第5のメジャー」と呼ばれるPGAツアーのフラッグシップトーナメント「プレーヤーズ選手権」が初日、松山英樹が単独首位で終えた時点で試合の中止が決まったのだ。
もともと2日目からは無観客試合を実施すると発表があったが、急遽中止に。
プレーヤーズ後のバルスパー選手権、WGCデル・テクノロジーマッチプレー、バレロ・テキサスオープン、コラレス・プンタカナリゾート&クラブ選手権についても中止が決定した。
PGAツアー・コミッショナーのジェイ・モナハン氏は「大変残念だが、プレーヤーズ選手権を中止することになったことを発表する。バレロ・テキサスオープンまでPGAツアーの全てのツアーの大会を中止することになった。選手の安全を考えて大会の続行を試みたが、選手とファンのことを考え、いったん中止することが最善の策と判断する」とコメントしている。
またマスターズも延期が決定。
米LPGAツアーもボルビック・ファウンダーズカップ、キアクラシック、女子メジャー第1戦のANAインスピレーションの3試合の延期が決まっている。
Dustin Johnson
オリンピックには、すでに欠場の意思を表明しているダスティン・ジョンソン。
World Golf Ranking
世界ランキング
順位 | 選手名 |
1 | ローリー・マキロイ(北アイルランド) |
2 | ジョン・ラーム(スペイン) |
3 | ブルックス・ケプカ(米国) |
4 | ジャスティン・トーマス(米国) |
5 | ダスティン・ジョンソン(米国) |
6 | アダム・スコット(豪州) |
7 | パトリック・リード(米国) |
7 | パトリック・キャントレー(米国) |
9 | ウェブ・シンプソン(米国) |
10 | トミー・フリートウッド(英国) |
11 | タイガー・ウッズ(米国) |
12 | ザンダー・シャウフェレ(米国) |
13 | ブライソン・デシャンボー(米国) |
14 | ジャスティン・ローズ(英国) |
15 | マーク・リーシュマン(豪州) |
*ランキングは3月9日時点のものです。
Text/Bob Harig
ボブ・ハリグ(アメリカ)
ESPN.comシニアゴルフライター。25年以上に渡り、ゴルフトーナメントの取材を続けている。全米ゴルフ記者協会会員。