今年初開催のオーガスタナショナル女子アマチュアは、世界女子アマランク1位のジェニファー・カプチョ(米国)が、マリア・ファッシ(メキシコ)とデッドヒートの末、通算10アンダーで優勝。優勝者には、オーガスタの各ホールに付けられている愛称の花が彫り込まれ、土台にマグノリアレーンで有名なマグノリアの木を使用したティファニー製のトロフィが贈られるが、栄えある第1回チャンピオンとして、カプチョの名前が刻まれた。
「この(新規)トーナメントの初めての試合に出場することができ、とても光栄に思います。そして優勝することができました。こんなに素晴らしいことはありません。兄弟や両親、自分を支えてくれたみんながここにいてくれて、最高です」
初代「オーガスタ女子アマチュア」チャンピオンのジェニファー・カプチョ(左)とチェアマンのフレッド・リドリー氏。(Photo by David Cannon/Getty Images)
オーガスタナショナル女子アマチュアは、今年が初開催。オーガスタでの女子の伝統はこれから始まる。(Photo by Kevin C. Cox/Getty Images)
世界女子アマランキング1位のジェニファー・カプチョ(米国)(Photo by Kevin C. Cox/Getty Images)
日本からは、18歳の安田祐香が3位タイに入賞。父が日本人、母がフィリピン人という、フィリピン国籍の笹生優花(さそう・ゆうか)もまた、3位タイに入った。
かつては女子メンバーが認められなかったオーガスタナショナルで、女子の大会を開くということは、ゴルフ史上、最も革命的な出来事と言っていいだろう。オーガスタ創設80年目に、コンドリーザ・ライス氏(ジョージWブッシュ大統領時代の国務長官)、ダーラ・ムーア氏(投資家)の二人が初めて女性会員となったが、それは今から7年前のこと。その翌年の2013年からは、「ドライブ・チップ&パット」という年齢別のジュニアたちが飛距離、アプローチ、パッティングを競う大会がスタートし、女子ジュニアがオーガスタで開催の試合でプレーする、という未だかつてない新たなドラマも見ることができるようになった。
ゴルファーなら男女関わらず、一度はプレーしてみたい夢の舞台、オーガスタナショナル。かつて、フーティ・ジョンソン氏がマスターズ委員会・委員長を務めていた時代、全米女性団体協議会・会長のマーサ・バーク氏がオーガスタの敷地外の空き地で集会を開き、「オーガスタナショナルに女性メンバーがいないのは差別。人権否定だ!」と訴えていたのは2003年のこと。あれから16年、女子禁制の名門コースの代表格のようだったオーガスタが、今度は女性に門戸を開くことにおいてのパイオニア的存在となっていることは、非常に大きな意味がある。
日本人ではただ一人の出場、安田祐香は通算2アンダー、3位タイに入賞した。今秋、プロテストを受験する。(Photo by David Cannon/Getty Images)
大会最終日には、世界ゴルフ殿堂入り選手がオーガスタに集結。左から、ロレーナ・オチョア、アニカ・ソレンスタム、パク・セリ、ナンシー・ロペス。(Photo by Kevin C. Cox/Getty Images)