今年の全英オープンは1951年以来、68年ぶりに北アイルランドのロイヤルポートラッシュで開催されるが、その翌月の8月15〜18日に同じく北アイルランドで、ヨーロピアンツアーのチャレンジツアー「ISPSハンダ・ワールドインビテーショナル」が初開催されることになった。北アイルランド・ベスファスト北西部のガルゴルムキャッスルGCとマッセリーンGCの2コースを使って行われる。
この大会はModest!(モデスト!)とISPSとコラボ大会となっているが、モデスト!は、イギリスの人気アイドル歌手グループ「ワン・ダイレクション(以下ID)」のマネージメント会社であり、1Dのナイル・ホーランがモデスト!と提携して設立したモデスト・ゴルフ・マネージメントとのコラボ大会となっている。自身、大のゴルフ好きで幼少期よりゴルフを始め、北アイルランド出身のローリー・マキロイとも親しい間柄。ワン・ダイレクションは2016年に音楽活動を休止しているが、その後ナイル・ホーランはソロで活動している。音楽活動の合間にはゴルフを楽しんでおり、マスターズのパー3コンテストではマキロイのバッグを担いだこともあるが、ゴルフ好きが高じて自ら若手ゴルファーの支援をしたいと、マネージメント会社を設立。今やヨーロピアン・チャレンジツアーで優勝者を輩出するマネージメント会社となっている。
「Dr.ハンダに支援して頂いて、こうしてヨーロピアン・チャレンジツアーを開催できることを本当に嬉しく思います。以前からDr.ハンダのことは知っていましたが、楽しく素晴らしい人。ゴルフ界ではとても有名な方なので、前からお会いしたいと思っていました。私たちはゴルフの業界で、次世代の選手たちを支援し、次のステップへと押し上げることを目的に活動していますが、ワールドインビテーショナルという新しい大会をサポートすることによって、その目的を達成することができるでしょう。世界的にスポーツを通じて人々を支援しているISPSハンダという素晴らしい組織とパートナーを組むことができて嬉しいですね。今から8月の大会が楽しみです」
以前はNIオープンとして知られ、ヨーロピアン・チャレンジツアーの中でも最も成功を収めていた大会の一つだったが、今年から男女共催となり、ナイル・ホーランとISPS会長の半田晴久氏の強力なタッグにより、世界的なイベントに成長した。
「男女プロがともに同じ賞金額をかけて戦う、この新しい大会をサポートすることができてとても嬉しく思います。ISPSは日頃からスポーツの力を通じて、いかなる国籍、人種、男女、障害者か否かの区別など関係なくバリアを取り除いて行くことに注力しています。スポーツには人々や社会を一つにまとめる力がありますが、この新しいイベントを開催するにあたり、すべてのパートナーとともに大会の成功に向けて一緒に活動していくことを楽しみにしています」
今年の2月、オーストラリアで開催された「ISPSハンダVICオープン」も男女同地開催で、賞金額も同じという画期的な大会だったが、ISPSハンダ・ワールドインビテーショナルにも同じアイデアを投入。レギュラーツアーのシード権を持たない男女プロに、男女平等に戦うチャンスを与え、将来的にレギュラーツアーで戦う支援をするという重要な役割を持つ。
なお、今大会へはヨーロピアン・チャレンジツアーで戦う男子プロのほか、レディースヨーロピアンツアー、米国LPGAツアー、アジア、日本、オーストラリアなどの男女プロが招待される。男女150名、計300名の選手が招待され、賞金総額は50万ドル、優勝賞金は男女それぞれ同額の25万ドルづつとなっている。4日間の大会のうち、最初の2日間は、ガルゴルムキャッスルGCとマッセリーンGCを1ラウンドずつプレーし、36ホール終了した時点で男女60名が第3ラウンドに出場。後半の2日間はガルゴルムキャッスルGCでの戦いとなるが、第4ラウンドに進めるのは男女35位タイまで。最終日は男女の組が交互にスタートしていくという、世界でも類を見ない非常にユニークなフォーマットとなっている。
トーナメント会場では、ライブコンサートあり、ジュニアイベントあり、と家族みんなで楽しめるアトラクションが数多く用意されている。ゴルフには今まで興味がなかった、というナイル・ホーランの大ファンも、今年の夏は北アイルランドへ足を運ぶ価値はあるだろう。
(左から) 半田晴久(ISPS会長)、ナイル・ホーラン(モデスト・オーナー)、キース・ペリー(ヨーロピアン・ツアーCEO)、チャーリー・ハル(プロゴルファー)2019年5月の記者会見にて
ナイル・ホーランと半田晴久会長