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最新スイング撮り下ろし
「マスターズ」チャンピオン・松山英樹
「ニクラス+タイガー=松山」?!

松山選手のスイングを一言でいえば「安定感」

 アドレスで左足6・右足4の体重配分で構えていますが、これは「方向性」を重視するスイングの現れ。彼の太モモの大きさは、ショットの「安定感」の源ですね。米国にきて、もっと体重を増やさないといけない、というのを10年かけて成し遂げた結果、非常に安定感のあるスイングが出来上がりました。テークバックで右ワキもしっかり閉まっているし、左腕がしっかり伸びていてスイングアークも大きい。これによって方向性に加え、飛距離も出ているといっていいでしょう。

 注目すべきは、右ヒザの位置。アドレスからテークバックにかけても右ヒザの位置が流れずにその場に留まっていますが、筋力と柔軟性の賜物。これはなかなか真似できるものではありません。下半身が微動だにせず、動いていないように見えますが、これは逆に静かに使っている証拠。普通、下半身が動いたりしてバタバタすると安定感のあるショットを生むことは難しくなりますが、彼の場合は鍛えられた強靭な下半身で余計な動きをしないように踏ん張っています。それはお尻の高さが変わっていないことからもうかがえますし、インパクト時の左足の突っ張りにも現れています。左足が流れないことで、フェースを目標に対してスクェアに向けることができる、つまり方向性UPにつながるのです。

 そして、トップの手の位置を高くすることで大きなスイングアークを作り、トップで体を120度近くターンしています。この柔軟性の高い上半身の捻転が飛距離を生み出していると言ってもいいでしょう。つまり、上半身の捻転で飛距離を、下半身の強さで方向性を出しているのが松山選手のスイングです。

ジャック・ニクラスの動きと、タイガー・ウッズのロングアイアンを打つ時の要素が、松山選手のスイングには兼ね備えられているように感じますね。

Photo/Eiko Oizumi

●解説 今田竜二

1976年10月19日生まれ。
広島県出身。14歳で単身渡米しジョージア大2年でプロ転向。08年「AT&Tクラシック」で米ツアー優勝。青木功、丸山茂樹に続く日本人3人目の米ツアーチャンピオンとなった。現在はメジャーのTV中継で解説者として活躍。

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