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松山英樹の勝利は世界のゴルフ界を変える!トッププロから祝福の嵐

世界のトッププロ、VIPからも祝福の嵐
「Hidekiの勝利は、世界のゴルフ界を変える」

©Getty Images

ジャック・ニクラス

「日本人男性ゴルファーの初メジャー優勝おめでとう! ヒデキだけでなく、日本のゴルフ界全体にとって、とても嬉しい出来事だ。日本はゴルフ愛が強く、情熱もある国。今年は日本でオリンピックもある。私のビジネスパートナーたちにも『おめでとう』と言いたい。私は過去、青木功と何度もメジャーで戦った。1980年「全米オープン」では4日間一緒に回ったんだ。彼は日本のメディアや観客からとても注目を浴びていた。彼はその時2位だったが、今でもヒーローだ」

©Getty Images

タイガー・ウッズ

「日本はヒデキを誇りに思っていることだろう。こんなに素晴らしい偉業を達成できて、おめでとうと言いたい。この歴史的なマスターズの勝利は、ゴルフ界全体に影響を与えるだろうね」

©Getty Images

デビュー当時から練習ラウンドをともにしたり、「プレジデンツカップ」でペアを組むこともあったアダム・スコット(右)。

「マスターズ」の松山優勝を世界が祝福

松山英樹は物静かな男かもしれないが、海外メジャーで優勝した最初の日本人男子ゴルファーとなり、オーガスタナショナルで雄弁に物語った。
普段はシャイで、海外のトーナメントで英語の質問に答えるのがおっくうだと思うが、彼はその代わりクラブに物言わせて、2021年「マスターズ」優勝へ突き進んだ。
これは、彼にとって4年ぶりの優勝であり、彼の母国で大いに祝福されている勝利である。

そして世界のレジェンドからも祝福の声が多く寄せられた。

「日本はヒデキを誇りに思っているだろう」とタイガー・ウッズは自身のツイッターで述べた。

「君と君の国にとって、こんなに大きな偉業を達成しておめでとう、と伝えたい。この歴史的なマスターズ制覇はゴルフ界全体にインパクトを与えるだろう」

 また、ジャック・ニクラスは1980年全米オープンで、2位に終わった青木功と4ラウンドすべてをプレーしたことに言及しつつ、「今やヒデキも日本の永遠のヒーローだ」と語った。

前回の「プレジデンツカップ」世界選抜チーム主将のアーニー・エルスは、「君や君の家族、日本の同胞にとって歴史的な日だ。世界のゴルフ界にとって意味深い日。君のことをとても誇りに思う」と述べている。 

その他、同組で決勝ラウンド2日間を回ったザンダー・シャウフェレは「彼にはものすごいプレッシャーがのしかかっており、プレーするのも大変だ。だから彼や彼のチームに大きな称賛を贈りたい」といい、日本では〝松山キラー〟の異名を持つジャスティン・トーマスは「彼は多くは語らないが、本当にソリッドなゴルフをしていた」と語っている。

世界中の若者たちにも大きな影響力を持つ松山の優勝の意味

©Getty Images

左からオーガスタナショナルGCのフレッド・リドリー委員長、松山、前オーガスタナショナルGC委員長のビリー・ペイン氏。10年前にローアマを獲得した時は、ビリー・ペイン氏から表彰された。

また、オーガスタナショナルのフレッド・リドリー委員長は「(松山の優勝は)2009年に始まったアジア・パシフィックアマが反映されたもの。このトーナメントを開催することになった考えには、いつかこのトーナメントからマスターズチャンピオンを誕生させることが目的だったが、今日、その希望が現実となった」と語った。

 今回の優勝により、彼は「マスターズ」でローアマを獲得しグリーンジャケットに袖を通した7人目の選手となった。
今回の優勝は、アジアやラテンアメリカの若者たちがゴルフを始め、松山の偉業を夢見るよう鼓舞するきっかけとなることだろう。

「2016年、日本オープンでボクとヒデキ、リョウ(石川)が予選ラウンドで同じ組になった。この時、2008年全米オープンで世界ランク1位、2位、3位でティーオフしたことを思い出した」とアダム・スコットは言う。
その時、スコットはウッズやフィル・ミケルソンと一緒に最初の2ラウンドをプレーしたのだった。
「ヒデキとリョウは日本でスーパースターだが、その試合はヒデキの優勝で終わった」

「日本におけるヒデキは、世界のその他の国におけるタイガー・ウッズに少し似ている」

29歳の松山は、世界のトッププレーヤーだが、最近は鳴りを潜め、2017年の「WGC・ブリヂストン招待」優勝以来、勝利から遠ざかっていた。
その大会の直後に開催された「全米プロ」では優勝するチャンスがあったが、勝利を逃した。
そのとき、松山の置かれている苦境、成功への渇望、そして彼への期待が垣間見えたのである。当時、彼は世界ランキング3位で、PGAツアー5勝のほか、日本でも数多くのタイトルを獲得していた。
これは、特に彼のあらゆる動きが記事にされるようなスポーツの熱狂的な国においては、それ自体プレッシャーとなる。
しかしそれも、母国とは異なる国や言語、文化に適用しようとする努力とは比較にならない。

  米国に来た全ての日本人ゴルファーたちと同様、通訳のボブ・ターナー氏を介して認めているように、松山にも非常に長い調整期間があった。

「いろいろなことがありました。特に、英語です。今すぐ、何とか皆さんと、ボブを介さずに話をしたいと思ってはいるのです。そうすれば、毎日ストレスを感じることもなく、生活やすべてのことを楽しめて、皆さんと親しくなれるのでしょうが……」

「それがいいゴルフにつながるか、役に立つかどうかはわかりませんが、皆さんと英語で話ができる日が来るといいなと思います」

日本からの期待を一身に背負い言語などの壁とも戦う松山の苦悩

「肩にのしかかるプレッシャーの中、ヒデキは マスターズで勝った」

ザンダー・シャウフェレ

©Getty Images

決勝ラウンド2日間を同組で回ったザンダー・シャウフェレ。
「彼を追いかけるメディアを見れば、彼が過去どんなことを成し遂げてきたのかがわかる。彼の肩にかかる重圧は計り知れないだけに、彼やチームに大きな称賛を贈りたい」

松山は常にメディアに囲まれている。
通常、PGAツアーでは、10人以上の日本人ジャーナリストが彼を追いかけ、その後、彼のラウンドに関し詳細な質問を行ない、彼のあらゆる動きをレポートしている。

  しかし、今回の「マスターズ」ではそうではなかった。
新型コロナウイルスのパンデミックによる制限のために、7人の日本人ジャーナリストしか現地にいなかったからだ。
そのうち4人はカメラマンで、残る3人が記者であったが、そのうち2人は普段、野球担当であった。

彼は3日目に少しメディアについては語っていたが、日本人メディアが少なかったことが松山にかかる重圧を和らげたのかもしれない。

彼は表彰式で両腕を空に突き上げ、満面の笑みを浮かべていた。

「僕がパイオニアとなり、ほかの多くの日本人が後に続いてくれれば、と思います」

Text/Bob Harig

ボブ・ハリグ(アメリカ)

ESPN.comシニアゴルフライター。25年以上に渡り、ゴルフトーナメントの取材を続けている。今年も現地で「マスターズ」を取材。

松山の優勝は、世界中のたくさんの人がゴルフを始めるきっかけになる

インターナショナルプレーヤー
Gary Player


©Getty Images

欧米のゴルファーたちが世界の大舞台で活躍していた1960~1970年代に、南アフリカ出身のゲーリー・プレーヤーがグランドスラムを達成した。

世界のゴルフ大使に、松山優勝について独占インタビュー!

「松山はもっとメジャーで勝てる!」

ヒデキは体にも恵まれているし、ショットも素晴らしいから、いつかメジャーで勝てると思っていた。
彼がメジャーで優勝するのに必要なのは、「是が非でも勝ちたい!」という情熱とメンタル、そして「自分はベストだ!」と自信を持つことだと思っていたが、今回はそういうメンタル面も持ち合わせることができたんだろうね。
今後はもっとメジャーで勝てるだろう。

彼の優勝は、世界のゴルフにとって重要な意味を持つんだ。
「マスターズ」は 世界中で観られている大会であり、インターナショナルプレーヤーが優勝すれば、ゴルフがあまり人気のなかったような地域や国でも、ゴルフに対する注目を集めることができるようになる。
そしてもっとたくさんの人たちがゴルフを始めるようになり、ゴルフ界の発展につながるんだ。

彼自身、自分がベストだと信じ、グランドスラムができると信じることが大事。そしてショートゲームをもっと磨くことが大切だ。
ゴルフで成功するには、私は「ショートゲームが生命線」だと思っている。

Text/Eiko Oizumi

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