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【世界のゴルフ通信】From Europe スコットランドの忙しい夏!史上初の5週間で6試合

スコットランドの忙しい夏
「5週間で6試合」は、スコットランド史上初!

8月4日~7日/AIG全英女子オープン/ミュアフィールド

©Getty Images

アシュリー・ブハイ

7月28日~31日/トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン/ダンドナルド・リンクス

©Getty Images

古江彩佳

7月28日~31日/ヒーローオープン/フェアモント・セントアンドリュース

©Getty Images

ショーン・クロッカー

7月21日~24日/全英シニアオープン/グレンイーグルス・キングスコース

©Getty Images

ダレン・クラーク

7月14日~17日/全英オープン/セントアンドリュース・オールドコース

©Dan Imai

キャメロン・スミス

7月7日~10日/ジェネシス・スコティッシュオープン/ルネッサンスクラブ

©Getty Images

ザンダー・シャウフェレ

ゴルフ発祥の地で改めて歴史と伝統を実感した5週間

今年の夏、ゴルフはその発祥の地、スコットランドに帰ってきた。
5週間連続で合計6試合をスコットランドで開催。
ゴルフを世界に広めたこの小国は、かつてないほど脚光を浴びた。
7月初旬にイースト・ロージアン海岸のルネッサンスクラブで始まり、8月上旬にルネッサンスに隣接するミュアフィールドで終わるこの一連のイベントのいくつかは、スコットランドで最も象徴的な会場で行なわれた。
セントアンドリュース、グレンイーグルス、そして比較的新しいコースのダンドナルド・リンクスなどだが、最も注目を集めたのは、セントアンドリュースで開催された第150回「全英オープン」だ。29万人という記録的な数のギャラリーが、この壮大な戦いを一目見ようと、古くて灰色がかった色合いの街に押し寄せたのだ。
「正直言って、これは前例のないことで、私たちが生きている間に二度と起こらないことだと思う。5週間で、このように信じられないほど充実したゴルフイベントを開催できたのは、まさに歴史的なこと」と、スコットランド観光局のイベント担当ディレクター、ポール・ブッシュ氏は言う。
LIVゴルフとPGAツアーやDPワールドツアー(欧州ツアー。以下 DPWT)との紛争など、ゴルフ界は激動の時代を送っているが、そんな時だからこそ、ゴルフの心の故郷に戻り、ゴルフ発祥の地とつながる安心感や帰属意識が必要だったのかもしれない。

古江彩佳がスコットランドで米女子ツアー初優勝

7月上旬に開催された第40回「スコティッシュオープン」は、DPWTとPGAツアーが初めて共催した、賞金総額800万ドルの大会であり、世界ランク上位15名のうち14名が参加する史上最強の大会となった(ザンダー・シャウフェレが優勝)。

そして翌週、セントアンドリュースでの「全英オープン」では、キャメロン・スミスがローリー・マキロイを寄せつけない、冷静なパッティングパフォーマンスを見せた。
これも大会の歴史に長く刻まれることだろう。

その1週間後、ダレン・クラークとパドレイグ・ハリントンという2人の旧友が、歳月を巻き戻しながら、「全英シニアオープン」のタイトルをかけてスリリングな戦いを展開。
クラークが最終ホールでバーディを決め、ハリントンを1打差で抑えた。

さらにその翌週は、セントアンドリュースで、DPWTの試合が開催された。
フェアモント・セントアンドリュースで開催された「ヒーローオープン」は、注目度は低かったが、アメリカのショーン・クロッカーが、エディ・ペパレルを1打差で抑えて優勝した。

これと同じ週、女子の世界ランク1位のコ・ジンヨンが、ダンドナルドで開催された「トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン」に出場。
この世界最高峰の女子ゴルファーにスポットライトが当てられた。
その他、メジャーチャンピオンのミンジー・リー、リディア・コーなどのスターが、本領発揮したが、日本の古江彩佳がコースレコードの62で締めくくり、LPGAツアー初優勝を飾った。
この試合は大成功で、会場も選手たちに好評だったため、主催者は来年もダンドナルドで開催することを発表した。

女人禁制の名門コースで女子のメジャーを開催

そしてスコットランドシリーズの最後は、ミュアフィールドでの「全英女子オープン」だ。
この地は、時代遅れの性差別的な考え方の大きな砦と長らく考えられてきたが、そこで「全英女子オープン」を開催する意義は、誰もが理解していた。
世界最高峰の女性ゴルファーたちがこの場所を自分たちの舞台とするという象徴的な出来事は、クラブ、そしてゴルフ界全体がこの数年でどれほど進歩したかを示す強いメッセージとなったに違いない。

ミュアフィールドの「オナラブル・カンパニー・オブ・エジンバラ・ゴルファーズ」が、2019年にようやく女性会員を認める決定を押し進めるのに2回の投票を要したが、すでに20名の女性会員が入会。
今年末にはさらに5人が加わる予定である。

この一連のスコットランドゴルフイベントの最終戦に参加する女子プロゴルファーたちは、これ以上ないほど歓迎された。

「素晴らしい経験です。選手たちは皆、長年ここで男子のプレーを見てきたでしょうから、自分たちの大会をここで開催できる機会を得たことに喜びを感じていると思います」と、元「全英女子オープン」チャンピオンで地元在住のカトリオナ・マシューは語っている。

ネリー・コルダは、「歴史は知っていましたし、ここで初の女性大会が開催されることは、とても素晴らしいこと。だから、実際にここに来てプレーし、この場所の歴史など全てに浸ることができることに興奮しました」と語っている。

最終日、南アフリカのアシュリー・ブハイはプレーオフ4ホール目でチョン・インジに勝利し、逆転優勝を飾った。
クラブハウスでブハイの祝勝会が始まり、スコットランドゴルフの黄金の夏に太陽が沈む頃、主催者はこの5週間の華やかな試合の数々を誇らしく振り返ることができた。

6大会合計で43万人のギャラリーが訪れたと推定され、セントアンドリュースを訪れたギャラリーは、その大半を占めた。
このような人々の流入は、スコットランド経済に何億ポンドもの利益をもたらし、夢のゴルフ休暇のデスティネーションとして、この国の魅力を高めた。

「スコットランドのゴルフファンにとって、この5週間はかなり特別な時間だった。今後、これほどまでの活況を呈したギャラリーの賑わいが、スコットランドにやって来ることはないと思う。我々は 『ゴルフ発祥の地』というブランドを持っているのだから、それを尊重し、適切な方法で試合を確実にサポートする必要がある。このスケジュールは2021年末に決定したが、想像をはるかに超えた素晴らしいものとなった」とスコットランド観光局のブッシュ氏は語っている。

Text/Euan McLean
Photo/Dan Imai、Getty Images、R&A、DP World Tour

Text/Euan McLean

ユアン・マクリーン(スコットランド)

スコットランドを拠点に欧州ツアー、海外メジャーを過去20年以上に渡り取材。

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