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【世界キテレツゴルフ図鑑 第19回】ゴルファーがティーショットを放つ目の前で馬や羊が草を食んでいる!「ロイヤル・ノースデボン・ゴルフクラブ」

牧場でゴルフ?!馬や羊と共存するゴルフ場

©Getty Images

ゴルファーがティーショットを放つ、その目の前で馬が草を食んでいる……。
ここはイングランド最古のゴルフ場で、「南のセントアンドリュース」と呼ばれている歴史的コース。
馬だけでなく羊もいるのだが、いったいなぜ……?!

©Getty Images

ロイヤル・ノースデボンGCのクラブハウス内のビジター用ロッカー。木造のロッカーに、ゴルフボールが付いたキーがなんとも素朴。

©Getty Images

18番グリーンサイドで草を食む羊の群れ。グリーン上に入らないように、周りは電気柵で囲まれている。

イングランドの南西部の海辺の街「ウェストワード・ホー!」。
地名に感嘆符(!)の付いた珍しい場所だが、この地に1864年に設立された、イングランド最古のコース「ロイヤル・ノースデボンGC」がある。
地名の「ウェストワード・ホー!」の通称で呼ばれることも多いが、このコースは「南のセントアンドリュース」とも称される。
「ゴルフの大長老」オールド・トム・モリスがコースを設計。
距離は7000ヤード以上あり、トップアマの競技も開催している、歴史的・本格的チャンピオンシップコースなのだ。

ここはいろんな意味で「おっ!」と思わせてくれるユニークなコースなのだが、最大の「!」は、コース内に馬や羊がいて、ゴルファーが目の前で球を打とうがお構いなしに、草を食んでいる点だ。
世界のゴルフ場の中には、今でも草刈り機を使う代わりに動物に草を食ませるコースもあるが、ここは人が散歩することもできるし、馬や羊も自由にコース内を歩くことができる。
それゆえ、「馬のひづめ跡にボールが入ったら、無罰でドロップできる」とか、馬や羊などの動物が誤って食べることのないように「プラスチックティーの使用を禁止」するなど、ユニークなルールも存在する(ちなみにプラスチックティーを世界で初めて禁止したコースでもある)。

また、他のコースではありえない話も……。
2010年、飲酒運転をしていた男性が、このコースのバンカーに車で突っ込み、逮捕されたのだそうだ。
コース内には木々もなく、ホール間を隔てるものも、道路とコースを隔てるものも何もないため、道路から間違って突っ込んでくる可能性もあったのだろう。
運転手は後日、コースを修復するためのコストを相当請求されたようだが、それにしてもいろいろな面でユニークな話の多い、興味深いゴルフ場だ。

Text/Eiko Oizumi
Photo/Getty Images

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