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【世界のゴルフ通信】From Japan 群雄割拠が続く女子ツアー 男子も開幕でコロナ以前の観戦形態に戻るか?

©Getty Images

今年から米ツアーメンバーとなった勝みなみだが、国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」に出場し、36位タイで終了。

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昨年、「日本女子プロ」などツアー2勝を挙げた川﨑春花(左手前)をはじめ、大勢の才能あふれる若手が誕生している。写真は昨年12月に開催されたルーキーの登竜門「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」に出場した選手たち。優勝は川﨑春花。

©Getty Images

3月13日以降、マスクの着用は個人の判断に委ねられることになっているので、春先のスギ花粉の時期が終わると、徐々にマスクを外して観戦する人も増えていくことだろう。写真は昨夏の観戦風景。

人数制限のない観戦に戻る2023年ツアー

日本ツアーが幕を開けた。
と、言ってもこの記事が出る頃には、女子は5試合目だが、男子は1戦目が開幕したばかり。
その後も、ほぼ毎週、試合がある女子に対し、男子の夏場は飛び飛び、という状況は今年も続いている。

次から次へと新ヒロインが生まれる女子ツアーの状況は、今年も続きそうだ。
2019年の渋野日向子、2020~2021年の稲見萌寧、古江彩佳、小祝さくら、2022年の西郷真央、山下美夢有に続くのは誰か?
昨年、「日本女子プロ」でセンセーショナルな初優勝を飾った川﨑春花や、尾関彩美悠、岩井姉妹などが、さらに活躍するのか。
あるいは、新しい女王候補が誕生するのか。厳しいプロテスト、QT(予選会)を潜り抜けた者たちの可能性は限りなく大きい。

米ツアーQTを突破した勝みなみは、日本の開幕戦には出場したが、比重は米国に置くことになるだろう。
「日本女子オープン」連覇を果たした実力で、米国でどんなプレーをするかも楽しみだが、合間にいつ、日本でプレーするのか、というのも気になる。

もう一つ注目したいのが、ほぼ完全に人数制限のなくなったギャラリーの動向だ。
コロナ禍の無観客、人数制限で我慢していたファンが、解放されたようにコースに足を運ぶのか。
逆に、もともとはコースでナマ観戦していた人たちが、その習慣を失い、戻ってこないのか。
インターネット中継のプラットフォームが開幕2日前にようやく発表されたこと。
今年から放映権料が発生するにもかかわらず、ほぼ昨年通りのテレビ中継も含めて、この先どうなるのか。
JLPGAの意向はさておき、プロスポーツの根幹を支えるファンの動向が、この先のツアーの行方に大きくかかわってくる。
トーナメント会場でナマ観戦してくれるファン、インターネット観戦してくれるファンをどれだけ増やせるか。

ウィズコロナの状況で、いかにこれまで以上にファンを大切にし、増やしていくか。
層が厚くなった選手たちが頑張る試合展開だけでなく、ツアーがそこにどれだけ注力できるかどうかも見守りたい。

海外遠征が増える日本男子プロ

©Asian Tour

「インターナショナルシリーズ・カタール」で5位タイに入った谷原秀人。

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香妻同様、アジアンツアーメンバーの木下稜介。将来、PGAツアーでプレーすることが目標だ。

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第2の川村昌弘を目指す、欧州ツアーメンバーの久常涼。今オフは、欧州ツアーとアジアンツアーを股にかけて戦った。

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昨年は、LIVゴルフにも出場。アジアンツアーのシード権も獲得し、海外遠征に積極的な香妻陣一朗。

©Asian Tour

アジアンツアー「インターナショナルシリーズ・オマーン」で海外初優勝を遂げた金谷拓実。

国内男子に関しては、日本ツアーそのものはさておき、面白い方向に向かっている。
日本の男子ツアーの試合が少ないこともあって、試合があるところならどこへでも行く、という選手が増えているからだ。

これまで、国内の規模の小さな試合が、ツアー競技のようなフィールドの厚さになることが度々あった。
シーズン中なのにスケジュールが〝歯抜け〟なため、試合を求めてのことだ。
その状況は、引き続き試合のない週には続くだろうが、試合を求める気持ちが海外へと向かう選手も少なくない。
米ツアーを主戦場にする松山英樹は別として、その他の選手のメジャーやその前後のスポット参戦の他にも、海外に向かう気持ちが顕著に表れたのが、このオフシーズンだ。

2月には、金谷拓実がアジアンツアーの「インターナショナルシリーズ・オマーン」で、海外初優勝。
もともと海外志向が強く、アマチュアだった2019年「オーストラリアンオープン」初日に首位に立ち、3位になったこともある。
松山英樹同様、「アジアパシフィックアマ」優勝からの「マスターズ」出場もアマチュア時代に経験しており、今回の優勝は海外に飛び出す大きなステップになるに違いない。

昨年の日本ツアー賞金王、比嘉一貴も、DPワールド(欧州)ツアーの「ヒーロー・インディアン・オープン」で4位タイに入った。
2月末のこの試合には、同ツアーで戦い続ける川村昌弘(18位タイ)の他に、久常涼(10位タイ)、岩﨑亜久竜(60位タイ)も出場している。

谷原秀人も、アジアンツアーの「インターナショナルシリーズ・カタール」で5位タイに入ったが、この試合にも多くの日本人が出場していた。

将来は豪州化?
日本男子ツアー事情

日本、欧州、米国の3ツアーがパートナーシップを組み、日本ツアーの賞金ランキング上位3名が、欧州ツアーのシード権を獲得できることが、昨年末に発表された。
しかしそれ以前に、欧州ツアー賞金ランキング上位10名は、米ツアーのシード権を獲得できることが決まっていた。
選手にとっては、海外進出のチャンスが広がり、このパートナーシップを良いものととらえるだろうが、ツアーとしては米ツアーの下(欧州ツアー)のまた下。
〝3部ツアー〟のような扱いを公言しているようなものだ。
ツアーとしての将来については、明るい材料が少ないが、選手にとっては、豪州人選手のようになる可能性が高い。
つまり、ツアーの試合数が少ないため、どんどん海外に選手が出ていく、という状態だ。
その結果、グレッグ・ノーマン、イアン・ベーカーフィンチ、ジェフ・オギルビー、アダム・スコット、ジェイソン・デイ、キャメロン・スミスなど、メジャーチャンピオンが生まれた。
日本勢も豪州勢のように、世界中で経験を積めば、松山に続くメジャーチャンピオンが、将来誕生するかもしれない。

Text/Junko Ogawa

小川 淳子

東京スポーツのゴルフ担当記者として日米欧のトーナメントを取材。

現在はフリーでゴルフ雑誌などで執筆。

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