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【ゴルフ上達のメンタル法】vol.13「自宅と、ラウンド直前に練習場でやりたい成功への想像力レッスン」

ゴルファーのバイブル『禅ゴルフ』のジョー・ペアレントが『ゴルフ・グローバル』の読者のために特別寄稿!

自宅と、ラウンド直前に練習場でやりたい成功への想像力レッスン

間もなく4月。そろそろゴルフに行きたいと考えている冬眠ゴルファーの皆さんに、とっておきのメンタルレッスンがある。
しばらく練習場にも行ってない、という人もぜひ一度やってみよう。
ブランクを感じさせないゴルフが可能になるかもしれない。

Joe Parent
(ジョー・ペアレント)

過去、ビジェイ・シン、デビッド・トムズ、クリスティ・カーら男女有名米ツアー選手のメンタル面をコーチ。著作にベストセラー『禅ゴルフーメンタル・ゲームをマスターする法』などがある。米国『ゴルフ・ダイジェスト』誌で世界のトップ10に入るメンタルゲーム専門家に選ばれ、何千人ものあらゆるレベルのゴルファーを指導。公式HPは、drjoeparent.com

春のゴルフシーズン到来!
自宅のリビングルームで、18ホールをイメージラウンドしてみる

Illustration/Masaya Yasugahira

プレー前に行ないたい2つのメンタルエクササイズ

春が近づくと、ゴルファーの多くは、今年こそはゴルフシーズンをいい形でスタートしたいと考えるようになる。
体力づくりをするためにトレーニングを始めたり、スイング技術を向上させるためにレッスンを受けたり、自分のスイングに合った新しいクラブセットを購入したりするだろう。

メンタル面を強化することは、最善のプレーをするために大いに役立つ。
ここでは、私が指導してきた多くのプロゴルファーやアマチュアゴルファーに役立った、想像力を使った2つのエクササイズを紹介する。
これからゴルフシーズンをスタートさせる上で、あるいはラウンド中に、もっと集中し、もっと自信を持ってプレーするのに役立つだろう。

自宅でできる成功イメージレッスン

1つ目のエクササイズは、晴れて暖かい気候が戻ってくるのを待つ間、リビングルームで快適に行なうことができるメニューだ。
最初のホールのティーグラウンドから最後のホールのグリーンまでプレーしている自分を視覚化するために想像力を使って、メンタルゲームのスキルを磨こう。

眠くならないように、まずは良い姿勢で座ろう。
目を閉じて、最初のティーグラウンドにいる自分を思い浮かべてみよう。
そのホールをどう攻略するかのプランを立て、呼吸を整え、ボールまで歩いてアドレスに入る、という全ルーティーンを行なうのだ。
次に心の中で、良いフォームとテンポでリズミカルなスイングをしている自分を想像し、感じよう。
クラブフェースがボールに当たる瞬間のカチッとした音を聞き、ボールが目標に向かって空中を飛び、フェアウェイに着地し、コロがって止まるのを想像すること。
アプローチショットも同様に行なう。
自分のスイングを感じ、クラブがボールや芝に当たった時の音をイメージしよう。
ボールがグリーンに飛んでいき、ピンそばで止まるところを想像しよう。
パッティングのアドレスに入り、スムーズなストロークをしている自分を感じてみること。
そして、ボールがグリーン上をコロがり、カップインするのを想像すること。

また、パー3ホール、パー4ホール、パー5ホールと、パーの数を意識して、コース上と同じようにショットを打ってみよう。
あるクラブを持って、スイングをイメージしているなら、そのクラブで実現可能な距離を打つことを想像しよう。
ピンを果敢に攻めると、ちょっと間違えばペナルティエリアに行ってしまうことが多いホールを思い浮かべる時は、グリーンの真ん中を狙おう。
パー5ホールは、普段からリラックスしてプレーしているのであれば、いつも通りにすることだ。

想像上でも不安を感じているショットはミスをする

準備中、不安を感じるショットがあるかどうかも確認すること。
もしあれば、それは想像上のラウンドでも現れることがある。
そんな時は、息を吐き、自分の体が椅子に沈み込むのを感じながら、2回ほど長くゆっくりと呼吸しよう。
だいぶ落ち着いたと感じたら、静かに落ち着いて呼吸を続けながら、想像しているショットを再開する。

そしてショット後に、あなたが自分自身に言いそうな言葉を言ってみよう。
この場合、たくさんのナイスショットを想像して、次のようなことを言いたくなるはずだ。

「自分がどんな球を打ちたいのかを明確にし、自分のスイングを信頼しているときは、いつもこうやってうまく打てるんだ」

このエクササイズは、何度でもやりたいだけやることができる。
ビジュアル化する能力だけでなく、より良い判断を下すためのコースマネジメント能力も向上させることができるだろう。
また、プレー前日の夜に、翌朝プレーするコースの実際のホールをイメージして、このエクササイズを行なうと効果的だ。

良い姿勢で座り、目を閉じて、コースでプレーしている自分を思い浮かべながら、想像ラウンドを進める

リビングで目を閉じて呼吸を整え、ティーグラウンドに立っている自分や2打目エリアにいる自分、グリーン上にいる自分を想像。ボールに向かい、打つまでのルーティーンをイメージする。

コースに出る直前に、練習場で想像ラウンドをやっておけば、スタート直後から最大限の力でプレーできる

©Getty Images

練習場では次から次へと、ただボールを打つだけではダメ。ショットに入るまでのルーティーンや、ラウンド時の光景を思い浮かべながら、距離やクラブの打ち分けを練習する。

©Getty Images

世界のトッププロたちも、練習場でラウンド中のことをシミュレーションしながら、距離やクラブの打ち分けを練習している。写真はコリン・モリカワ。

©Getty Images

街中の練習場で練習する時も、イマジネーションを働かせて、ラウンド中のことを思い浮かべながらボールを打つと効果的。

ゴルフ場に到着してから実施したいエクササイズ

ゴルフ場に到着したら、2つ目のエクササイズの時間だ。
これは、ウォームアップの最後に練習場で行なうものである。
最初のホールのティーショットに備えて準備する必要があるが、練習場で想像の中でホールをいくつかプレーすることによって、プレーする準備ができるのだ。

練習場では、同じクラブで同じ場所から、たいていは、同じ目標に向かって、ショットを打ち続けることで、リズムが作られる。
だがコースでは、同じクラブで、同じ場所から2回続けて打つことは、ほとんどない。
練習場でのリズムをコース上でのリズムに切り替えるには、時間がかかる。

プロゴルファーを含めたほとんどの人は、練習場で完全なプレショット・ルーティーンをいちいち行なわないものだ。
ただ構えて打ち、別のボールをクラブヘッドでたぐり寄せて打つ。多くの場合、具体的な目標もなく打つ。
たとえ目標があったとしても、ショットごとにクラブを持ち替えたりしない。
スイングのウォームアップにはこれで良いのだが、ゴルフというゲームをプレーするための準備にはならない。

1番ホールのティーグラウンドに着いたら、ティーショットは1回だけ打つものだ(OBを打たない限りは!)。
それは、練習場でボールを打つだけのリズムとは全く違うもの。
したがって、ウォームアップセッションの最後に、実際にどのようにプレーするかをシミュレートしながら、完全なルーティーンを行なうことで、ゴルフ場でもいいショットをするための最高のチャンスを得ることができる。

ツアープロのほとんどが、ラウンド前に同様の方法でフルスイングのウォームアップを行なう。
ウェッジから始めて、ショートアイアン、ロングアイアン、フェアウェイウッド、ドライバーと、それぞれのクラブで数球ずつ打っていく。
そして、最後にウェッジを数発打って練習を終える。
私が指導しているプロには、もうひとつお願いしていることがある。
それは、ウォームアップの最後の方で、想像の中でホールをいくつかプレーすることだ。

1番ホールを思い浮かべ、練習場にあるピンフラッグなどの的を使って、フェアウェイの架空の境界線を作る。
ティーショットを打った後、平均的な長さのパー4の場合、グリーンまでどれくらいの距離があるのかを推定する。
練習場でグリーンをイメージして、その距離のアプローチショットをアイアンで打つ。
より現実性を持たせるため、クラブでボールをかき寄せて、良いライから打つのではなく、ボールを上から落として、あるがままのライでプレーしよう。

そして、ドライバー、3番ウッド、ウェッジで打って、想像の中でパー5をプレーすることができる。
パー3をプレーするには、ボールをティーアップし、ロングアイアンかユーティリティで打とう。
ショットごとに、正しいショット後のルーティーンを行なうことで、成功体験を増幅し、ミスから学ぶことができる。
もし、ミスショットを打ったとしても、「先にやっておいてよかった!」と思うことができるし、その後で、必要な調整をすることができる。
ナイスショットが打てたら、「これこそが、まさにコースで打ちたいショットだ!」と思うことができる。

この方法でラウンド前のウォームアップを終えると、最初のホールのティーグラウンドに着いたときに、すでに数ホールをプレーしたような気分になっているだろう。
すでにゴルフ場にいるようなリズムに自分がいるように感じて、スタート直後から最大限の力を発揮することができるだろう。

Illustration/Masaya Yasugahira 
Photo/Getty Images

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