国際スポーツ振興協会・会長
半田晴久
私が会長を務めるISPS(国際スポーツ振興協会)は、スポーツを通じての社会貢献を理念として設立しました。
スポーツには、希望を生み出し、人々を動かし、社会を変革する力があります。
また、人々を団結させ、世界中の地域社会に一体感をもたらします。
またスポーツが、世界平和の追求において、非常に強力なツールになることも、疑いの余地はありません。
この信念こそが、ISPSの活動を支える柱になっています。
私は、こうした信念をもとに、様々なスポーツを支援し、ゴルフではプロトーナメントを始め、ブラインドゴルフや、障害者ゴルフの発展にも力を注いでいます。
ISPSは、世界中の同じ志を持つ団体や、個人とも繋がりを持ち、パートナーシップを築いています。
そして、多くの慈善活動を展開しているのです。
8月9日には、東京ビッグサイトで、世界的慈善団体であるサンタバリーの協力のもとに、「ISPS・スポーツの力 特別サミット」を開催しました。
出席者は、サンタバリーのソフィー・シャンダウカ会長を始め、4年ぶりの来日となる英国のヘンリー王子、元ラグビー「オールブラックス」の主力選手で、ISPSアンバサダーのダン・カーター氏など、慈善活動で知られる6名の名士です。
サンタバリーは、アフリカのレソトを中心とした貧困、エイズ撲滅を目的とした慈善団体です。
ヘンリー王子と、レソトのセーイソ王子が、子供たちを救うために設立した経緯があります。
またヘンリー王子は、自らの軍務経験を通じ、過酷な戦争で心身を痛めた、傷病退役軍人救済のための「インビクタスゲームズ」を設立しました。
これは、まさにスポーツを通じて、生きる勇気や希望を与えてきました。
世界では、こうした支援活動が、団体や有志を通じて活発に行なわれています。
日本では、チャリティ活動を特別視しているようですが、欧米ではごく普通に社会に浸透しています。
欧米は、基本的にキリスト教社会なので、博愛主義、弱者救済が、その根源にあります。
日本は、神仏習合の歴史が長く、繁栄のための、助け合い精神はあります。
しかし、社会全体の慈善意識は希薄なのです。
ところで、英国は956年間にわたり、15カ国の元首を務める、世界最大の王族国家です。
ヘンリー王子が慈善活動にいそしむのは、「ノブレス・オブ・リージュ」(地位の高いものには、社会的義務が伴う)の精神に基づいた、覚悟があるからです。
しかし、こうした活動は報道されず、ネガティブなスキャンダルに明け暮れる、マスコミの姿勢には貧しさと、虚しさを感じます。
現代は国家や、人種、思想を超えた、グローバル化の時代です。
今回のサミットは、世界的な潮流を認識し、日本も人類愛、博愛精神に目覚める、いい機会だったのではないか、と思います。
Photo/ISPS