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【ゴル経】ゴルフ経済がビジネスのヒント!
第24回 30年間でこの格差! 日米ツアーの賞金額に見るゴルフ経済

©Koji Kitamura

 

ゴルフの経済を知ればビジネスのヒントも見つかる!

今回のテーマは「30年間でこの格差! 日米ツアーの賞金額に見るゴルフ経済」です。

PGAツアーの賞金王の獲得賞金額は日本男子ツアーの賞金王の16倍!

Illustration/Koji Kitamura

 2023年のジャパンゴルフツアー(JGTO)の賞金王は、年間賞金1億8498万6179円を獲得した中島啓太。
2位は蟬川泰果、3位は金谷拓実となった。

 さて、過去の賞金王の獲得賞金額を見てみると、1973年尾崎将司(4381万4000円)、1983年中島常幸(8551万4183円)、1993年飯合肇(1億4871万8200円)、2003年伊澤利光(1億3545万4300円)、2013年松山英樹(2億107万6781円)となっており、この30年間で賞金王獲得金額は大きく伸びていないことがわかる。

 一方、米国PGAツアーの2022〜2023年賞金王は、シーズン中2勝したスコッティ・シェフラーで、獲得賞金は2101万4342ドル(30億4707万9590円)で、中島の16倍の金額である。
フェデックスカップポイントランキング124位(シード権は125位まで)のトロイ・メリット(米国)の賞金ランキングは122位で、獲得賞金は130万2362ドル(1億8884万2490円)。
円安が続いているとはいえ、シード権をギリギリのところで獲得した選手の額が、日本の賞金王・中島の額を上回ることになるのだ。

 また、昨年の日本開催の米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」の優勝賞金額は153万ドル(2憶2185万円)で、1試合で中島の年間獲得賞金を上回っている。

 この日米ツアーの賞金格差はいつから始まったのか。
PGAツアーの賞金王の獲得額は、1973年ジャック・ニクラス(30万8362ドル/4471万2490円)、1983年ハル・サットン(42万6668ドル/6186万6860円)、1993年ニック・プライス(147万8557ドル/2億1439万765円)、2003年ビジェイ・シン(757万3907ドル/10憶9821万6515円)、2013年タイガー・ウッズ(855万3439ドル/12憶4024万8655円)である。
今から30年前(1993年)までは、日米に賞金格差はなく、為替レートによっては日本の方が高額の賞金を得ていたことがわかる。
それが、20年前の2003年には大きな賞金格差がついてしまった。
これは1991年にバブルが崩壊し、日本経済は長期の経済停滞に陥った一方で、1996年にタイガー・ウッズがプロ入りしたことで、一気に賞金が上がったから、と言われている。

注:1ドル=145円で換算。

Text/Hirato Shimasaki
Illustration/Koji Kitamura

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