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【2024マスターズ】日本からチャンピオンの松山英樹と初出場の久常涼が挑戦!

日本人のマスターズ
「マスターズ」チャンピオンの松山英樹と初出場の久常涼が挑戦!

©Eiko Oizumi

今年の「マスターズ」には松山英樹と久常涼の2人が出場!
2人の1週間を振り返る。

練習ラウンド中、12番のホーガンブリッジで記念撮影する松山英樹(右)と久常涼(左)。©GettyImages
深々と頭を下げ、アドバイスしながら練習ラウンドを共にしてくれた松山(左)に感謝する久常。©Eiko Oizumi
17番ホールの2打目を打つ久常(右)とその打球を見守る松山。©Eiko Oizumi
TVのラウンドレポーターを務めた広島出身の今田竜二(右)と岡山出身の久常。©Eiko Oizumi

今年の「マスターズ」に日本からは、2021年のチャンピオンで、13回目の出場となる松山英樹と、昨年DPワールドツアーで初優勝を飾り、新人王になったことで特別招待を受けた久常涼の2人が出場した。

特に松山は、2月の「ジェネシス招待」でPGAツアー9勝目を飾り、その後も「プレーヤーズ選手権」6位タイ、「バレロ・テキサスオープン」7位タイと「マスターズ」直前でトップ10入り2回。
過去4年間で2020年13位タイ、2021年優勝、2022年14位タイ、2023年16位タイとトップ20入りが続いていたため、米メディアもほぼ同じような成績を残してきたスコッティ・シェフラーと並んで松山を優勝候補として紹介していたが、今年は38位タイに終わった。

一方、久常は初出場で、何から何まで初体験。
水曜日の午後に行なわれる「パー3コンテスト」にも参加し、オーガスタを満喫したが、大会前から「ショットの調子があまりよくない」と語っていたこともあり、予選ラウンドを通算12オーバー、82位タイで終え、予選通過とはならなかった。

松山英樹
7オーバー38位タイ

「飛距離は、この2年間、飛んでいなかったものが、ちょっと戻りつつあるのを実感」

早藤将太キャディとラインを読み合う松山。©Eiko Oizumi
大会前の公式記者会見で、記者の質問に答える松山。©Augusta National GC
今年からティーグラウンドが10ヤード後ろに下がった2番ホールについて「風向きによっては右のバンカーに入るかもしれないが、基本的には届かないと思うので、ラクになるかな」と語った。©Eiko Oizumi
練習器具を使いながら、パッティングの練習に勤しむ。©Eiko Oizumi

予選ラウンドを終え、通算6オーバーで50位タイ、とギリギリで予選通過を果たした松山は、3日目にようやくアンダーパーを記録し、通算5オーバーの28位タイに浮上。
最終日を74と2つスコアを落とし、通算7オーバー、38位タイで終了した。

「昨日(3日目)のラウンド後と今朝もめちゃくちゃ調子が良かったが、それがコースで思うようにできなかった。コースでも対応できるのが大事だと思うので、その課題としっかり向き合って、頑張りたい」と振り返った。

また今後に向けては、「ショットもパットももう少し時間がかかりそうな感じ。まずは練習できる体をしっかり戻したい。飛距離という意味では、ここ2年間飛んでいなかったものが、ちょっとずつ戻りつつあるのが実感できたので、それをしっかり継続して、また残りの半年を頑張りたいと思う」と話した。

2010年に「アジアアマチュア選手権」を制し、2011年「マスターズ」に初出場。
ローアマを獲得してから10年後の2021年に「マスターズ」で優勝した彼は、「その道を切り開いてくれたオーガスタナショナルGCに感謝しきれない。
チャンピオンになって3年が経つが、またそこに行けるように日々努力している」と大会前の記者会見で語っていた。
「ここ数年に比べれば痛みも少ない」と語っていただけに、期待が膨らんだが、予選落ちは過去1度だけとコースとの相性もバッチリ。
ショット、パット、体調が噛み合えば「マスターズ」2勝目もそう遠いものではないはずだ。

松山英樹の「マスターズ」ヒストリー

2011年27位タイ(ローアマ)
2012年54位タイ
2014年予選落ち
2015年5位
2016年7位タイ
2017年11位タイ
2018年19位
2019年32位タイ
2020年13位タイ
2021年優勝
2022年14位タイ
2023年16位タイ
2024年38位タイ

久常 涼
12オーバー予選落ち

「悔しいけど、いい経験。また来年も必ず戻ってきたい」

水曜日の午後に行なわれた「パー3コンテスト」に、交際中のトップアマ・古川莉月愛(りるあ)さんと出場。キャディバッグは大会前に訪れた時に購入したオーガスタナショナルGCの革製のもの。©Eiko Oizumi
オーガスタナショナルの女性メンバー、コンドリーザ・ライス氏(右)が「パー3コンテスト」の6番ティーでお出迎え。ジョージ・W・ブッシュ政権2期目で、第66代アメリカ合衆国国務長官を務めた。©Eiko Oizumi
「マスターズ」チャンピオンの松山英樹と練習ラウンドをする久常(右)。©Eiko Oizumi
昨年のフェデックスカップチャンピオン、ビクトル・ホブランと「パー3コンテスト」でプレーした久常。©Eiko Oizumi
ベストスコア64の古川さんは、日本の最終プロテストに進んだこともあるトップアマ。最終ホールで古川さんが放ったショットが、同組のビクトル・ホブランの内側にピタリ。観客を沸かせた。©Eiko Oizumi

「1番出たい試合がマスターズだったので、そこに出られるのはビックリ!自分は1番近くで見られるギャラリーなので、最高です」と大会前に語っていた久常。
今大会のチャンピオンであり、憧れの松山英樹とともに練習ラウンドをこなし、「グリーン周りのアプローチとか、ラインの取り方だったりとか、その辺を教えて頂いた。その通りに打てる自信はないが、少しコースのことがわかるようになったのでしっかり準備したい」と意気込みを語っていた。

初日が始まると予想以上に緊張したというが、その後は落ち着いてプレー。
ただし、練習ラウンドでは吹かなかった強い風に苦しめられ、初日を6オーバーでホールアウト。
2日目は「アンダーパーを出すぞ」と意気込んだが、同じくこの日も6オーバーを叩き、通算12オーバー、82位タイで予選落ちを喫した。

「悔しいがいい経験になった。来年しっかり戻ってこれるように頑張りたい。この舞台を早く踏めたというのは、すごく良かったし、特別招待という形で推薦して頂いて、本当にありがたい。いろいろ課題も見つかったので、まずはここに戻ってくるために、世界ランク50位以内を目指し、ツアーで優勝できるように頑張りたい。初日に舞い上がってしまい、そういうことも含めてこの試合は今までの試合とは全て違った。全てが足りなかった」と語った。

Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Augusta National Golf Club、Getty Images

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