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【世界のゴルフ通信】From Middle East 欧州ツアー、アジアンツアー最終戦、LIVゴルフ予選会を開催の世界のゴルフのホットスポット・中東

DPワールドツアー最終戦の「DPワールドツアー選手権・ドバイ」で優勝し、レース・トゥ・ドバイランキング(欧州ツアーポイントランキング)で6度目の総合優勝を飾ったローリー・マキロイ。©Eiko Oizumi
「インターナショナルシリーズ・カタール」で優勝したLIVゴルファーのピーター・ユーライン。©Asian Tour

欧州ツアー、アジアンツアーの最終戦が開催されたドバイとサウジ

DPワールドツアーとアジアンツアーのシーズン終盤は、中東で数多くの試合が開催され、注目を集めた。

DPワールドツアーでは、世界ランキング3位のローリー・マキロイが「レース・トゥ・ドバイ(欧州ツアーのポイントランキング)」のチャンピオンに輝き、6回目の戴冠を果たした。
これは伝説のセベ・バレステロスと並ぶ記録だ。南アフリカのトリストン・ローレンスがわずかに逆転の可能性を残していたものの、マキロイは「アブダビHSBC選手権」最終日に64をマークし、3位タイで終えてリードを広げた。
そして、シーズン最終戦となる賞金総額1000万ドルの「DPワールドツアー選手権」で優勝し、ダブル優勝となった。

一方アジアンツアーでは、シーズン最後の2大会「インターナショナルシリーズ・カタール(以下ISカタール)」(総額250万ドル)と「PIFサウジ・インターナショナル(以下PIFサウジ)」(総額500万ドル)が行なわれ、アジアンツアー年間総合優勝やインターナショナルシリーズランキング1位(LIVゴルフ出場権が与えられる)を巡るレースは、最終戦まで白熱した。

ジョン・キャトリン(米国)は「ISカタール」にインターナショナルシリーズランキング1位で臨んだが、19位タイに終わり後退。
ピーター・ユーラインがシーズン2勝目を挙げ、ランキング首位に立った。さらに「PIFサウジ」でキャトリンは34位タイに沈み、最終的に4位に転落した。

ニュージーランドのベン・キャンベルは、LIVゴルフの補欠選手として出場し、フル出場権獲得までわずか40ポイント差に迫っていた。
カタールで13位タイ、サウジで4位に入る好成績を残したが、ピーター・ユーラインの「ISカタール」での勝利と、「PIFサウジ」でのホアキン・ニーマンの活躍に阻まれ、インターナショナルシリーズランクの首位を逃した。

チリのスター、欧州ツアーアジアンツアーでも大活躍

アジアンツアー・インターナショナルシリーズ最終戦「PIFサウジ・インターナショナル」で優勝したLIVゴルファーのホアキン・ニーマン。©Asian Tour

一昨年と同様、ホアキン・ニーマンは、シーズン終盤に過密スケジュールをこなし、世界ランキングポイントと今年のメジャー出場権を追い求めた。
DPワールドツアーの「アブダビHSBC選手権」は23位タイ、「DPワールドツアー選手権」は7位タイ、「ISPSハンダ・オーストラリアオープン」は前年優勝者として挑み、5位タイで終えた。
そしてこの勢いを「PIFサウジ」に持ち込み挑んだところ、見事優勝。豪州のキャメロン・スミスが最終日に9アンダー62をマークし、若手米国人のケイレブ・サラットが4日間安定したプレーを見せたが、ニーマンは3人のプレーオフを制して優勝した。

昨年は3月までにLIVゴルフで2勝(マヤコバとジェッダ)を挙げたニーマンは「シーズンを最高の形で締めくくることができた。2025年も、いくつかのメジャーにも出場できることを願っている」と語った。

英国の39歳ウェアリング、アブダビで優勝

「アブダビHSBC選手権」で、DPワールドツアー2勝目を飾ったポール・ウェアリング(イングランド)。今季はPGAツアーが主戦場だ。©GettyImages

DPワールドツアー・ロレックスシリーズ「アブダビHSBC選手権」で、イングランドのポール・ウェアリングがツアー通算2勝目を挙げた。

数年前、冬季の練習環境を良くするために家族とともにドバイに移住した39歳の彼は、ローリー・マキロイやロレックスシリーズ4勝を誇るティレル・ハットンら強豪が揃ったフィールドを相手に、見事なプレーを展開した。
ウェアリングは、金曜日に驚異の11アンダー「61」をマーク。
最終日は終盤の2ホールで連続バーディを奪い、通算24アンダーでフィニッシュ。ハットンに2打差をつけて勝利した。

「これで2勝目。何度か優勝のチャンスがあったし、2位もあった。何度も優勝争いに絡んできたけど、再び勝てたのは素晴らしいことだ。特に今日、自分のプレーをコントロールできたのが良かった」

この勝利で彼は「レース・トゥ・ドバイ」ランキングでトップ5入りを果たし、2025年のPGAツアーカードを手にした10人のうちの1人となった。

LIVゴルフ出場権をかけて世界中から選手が集まったアジアンツアー、LIVゴルフ予選会

昨年末に行なわれたLIVゴルフ予選会で優勝し、たった1人しか獲得できない出場権を手にしたリ・ハイカク。©LIV GOLF

台湾の30歳がLIVゴルフへの切符を獲得

「LIVゴルフ・プロモーション(予選会)」がサウジアラビアのリヤドGCで行なわれ、降格したスティンガーGCのブランデン・グレースとアジアンツアーの新星コー・タイチがLIVゴルフ出場権を懸けて奮闘。
しかし、その権利を手にしたのは、見事なプレーで36ホールの最終日を制した台湾出身のリ・ハイカクだった。

「マックス」という愛称で親しまれる30歳の彼は、最終日の午前のラウンドで9バーディを奪うと、通算10アンダーで2打差の勝利。
台湾出身の選手として初めてLIVゴルフの出場権を獲得した。
昨年、リはアジアンツアーの「インターナショナルシリーズ・タイ」で優勝し、その才能を見せつけていた。
予選会の週は合計92名の選手が出場し、最終日は20名に絞られて行なわれた。

なお、DPワールドツアーもLIVゴルフも2025年は、1~2月に中東で開幕。
中東は今や、世界のゴルフ界のホットスポットとなっている。

Text/Joy Chakravarty

ジョイ・チャクラバルティ
(アラブ首長国連邦)

ドバイを拠点に25年以上に渡り世界中でゴルフ取材を続けている。

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