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【世界のゴルフ旅】第23回 美しい景色と野生動物を楽しめるフレンドリーなゴルフの王国 Safari & Turf 魅惑の南アフリカゴルフ

ゲーリー・プレーヤーがホストを務めるアフリカのメジャーに行ってみた!

DPワールドツアー「ネッドバンク・ゴルフチャレンジ」は、ゲーリー・プレーヤーがホストを務める“アフリカのメジャー”と呼ばれている大会で、ゲーリー・プレーヤーCCで開催。毎年大勢のギャラリーが集まる。©Gary Player Design
2024年のチャンピオンは、ヨハネス・ビアマン(米国・右)。ゲーリー・プレーヤーとともに記念撮影。©Eiko Oizumi

南アフリカは、ゲーリー・プレーヤーやアーニー・エルスをはじめ数多くの世界のトッププロを輩出してきたゴルフの王国。
特にゴルフ場が集中しているのは、ヨハネスブルグ、サンシティ、ダーバン、そしてケープタウンだ。
ゴルフ場のスタッフは皆、フレンドリーで地域によってはコース内で野生動物も見られるなど、世界でも特別なゴルフ体験が楽しめる。
プレーとともにサファリツアーも楽しめる南アフリカはまさにゴルファーにとって魅惑の国といえるだろう。

サンシティのゲーリー・プレーヤーCCの隣には、本格的なサファリ地域もあり、野生のライオンも見ることができる。©Eiko Oizumi
敷地内のホテルの廊下に飾られていたオブジェ。©Eiko Oizumi
サンシティリゾートの入り口に配置されているゾウとライオンの巨大な像。©Eiko Oizumi
南アフリカ人たちが、踊りを披露。©Eiko Oizumi
ネルソン・マンデラ元大統領の顔が描かれた缶。©Eiko Oizumi
カラフルな木彫りの民芸品。©Eiko Oizumi

レジェンドに独占インタビュー

ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)
1935年11月1日生まれ(89歳)。「マスターズ」などメジャーで9勝を挙げ、男子ゴルフ史上3人目の「キャリアグランドスラム」を達成。世界で150勝以上。インターナショナルプレーヤーの、パイオニア的存在。現在もトレーニングを日課とし、エージシュートは3300回を超える。
©Eiko Oizumi

ゾウやライオンと遭遇しても絶対に目を合わさず、動かないこと

南アフリカで10コースの設計を手がけてきたプレーヤー。南アフリカならではの、コースの特徴を教えてくれた。©Eiko Oizumi

南アフリカが大勢のメジャーチャンピオンを輩出している理由

DPワールドツアー「ネッドバンク・ゴルフチャレンジ」は、「アフリカのメジャー」と言われ、過去、ジャック・ニクラスやセベ・バレステロス、リー・トレビノ、タイガー・ウッズ、アーニー・エルス、セルヒオ・ガルシアら数多くの世界のトッププロたちが出場してきた大会。
ホストを務めるのは、南アフリカのレジェンド、ゲーリー・プレーヤーだ。

彼は1960年~1970年代にかけて、欧米の大柄なプロたちがメジャーに優勝した時代に、169センチと小柄ながらも9勝を挙げ、キャリアグランドスラムを達成した、インターナショナルプレーヤーのパイオニア的存在。
そんな彼は、南アフリカの後進の育成のため、世界で通用する選手を育てることを目標に、ゴルフ場の設計にも力を入れ、世界の大舞台で活躍するためのスキルを磨けるコースを造り上げていった。
その結果、アーニー・エルス、レティーフ・グーセン、シャール・シュワーツェル、ルイ・ウーストハイゼンらのメジャーチャンピオンが誕生。
南アフリカ勢はこれまでメジャー22勝を挙げることができた。

これまで世界で300以上のゴルフ場設計に携わったプレーヤーだが、そんな彼に南アフリカのゴルフ場の特徴や、南アフリカのゴルフ旅の楽しみ方を教えてもらった。

南アフリカは欧米に比べると飛距離が出る

南アフリカには、500以上のゴルフ場があります。競技向けのチャンピオンシップコースや、ミニコース、パブリックコースなど、あらゆる種類のゴルフ場がありますが、パブリックコースでも質が高い。
それは、私が「パブリックコースでも、質を高く保つように」と長年、指導してきたからです。
そして芝については、ほとんどアメリカと同じで、ベント芝やバミューダ芝が使われています。
フェアウェイにはペブルビーチやリビエラと同様、キクユグラスを使用することもありますし、ベントとバミューダを組み合わせて使うこともあります。
また、欧米のコースに比べると、南アフリカは標高が高く、距離の長いコースが多い。
平均すると海抜2000メートルくらいあって、通常よりも10%はボールが飛ぶので、それを見越して、長いコースを造っています。

薮の中や深いラフで気をつけること

ゲーリー・プレーヤーCCのあるサンシティでは、ビッグ5(ライオン、ゾウ、サイ、ヒョウ、バッファロー)サファリが楽しめる。「ここにきたら、サファリはマストだ!」とプレーヤー。©Eiko Oizumi

サンシティのゲーリー・プレーヤーCCは、今から45年前に造りましたが、もともとブッシュの中での建設だったので、工事が非常に困難でした。
ブッシュの中にはたくさんのヘビがいたので、ズボンの上にゴムを巻いてブッシュの中に入っていったものです。
今でも時々、ヘビを見かけます。ヘビは人間を怖がるので、向こうから去っていきます。
でも、もしヘビを踏んでしまえば、噛まれてしまうでしょう。

私自身、約90年の人生でヘビに噛まれたことはありませんが、噛まれたら足を火に突っ込んだ時のような痛みが走ると言います。
だからプレーしている時も、薮の中や岩場、深いラフを歩き回るべきではないですね。

ゾウやライオンと遭遇した時に注意すること

サファリツアーでは、シマウマやキリンなどもよく見られる。©Eiko Oizumi

南アフリカのゴルフ場の写真で、キリンやゾウがコースにいるのを見たことがある人もいるかもしれませんが、これは本当です。
時々、ゴルフリゾートでディナーを楽しんでいると、外にゾウが来ることがあります。
窓の近くまで来ることもありますが、非常に危険ですね。
まぁ、ライオンほど危険ではありませんが、ゾウを見たら、静かに後ろに下がりましょう。
ゾウは時々クラブハウスにも現れて、テーブルの上の食べ物を食べることもあります。
また、ライオンがクラブハウスで座っているのを見たこともあります。
そんな時は、絶対に目を合わせないでください。
もし動いたら、ライオンに食われてしまうかもしれません。
絶対に動かないこと。南アフリカでゴルフをする時に、これらのことは非常に重要です。

私のコース、ゲーリー・プレーヤーCCでもライオンを見ることが時々あります。
ヒョウが非常に高いフェンスを飛び越えてきたこともありました。
あるいは、フェンスの下をくぐって動物が入ってきたこともあり、その時は3日間、コースを閉鎖しました。
今では、フェンスを越えたり、地中から侵入できないように工夫をこらしていますが、何がいるかわからないので、常に気をつけることが大切です。

サンシティのサファリツアーのガイドが、ピラネスバーク国立公園内の動物の生息場所をトラックで案内してくれる。©Eiko Oizumi

攻撃的な黒いマンバ(毒ヘビ)に要注意!

エリック・ヴァン・ルーイェン

©Yoshitaka Watanabe

僕はケープタウンに近い、ベルビル出身ですが、その辺りのコースにはバミューダ芝がなく、アメリカに初めて来た頃はバミューダ芝に苦労しました。
僕の生まれ育った西ケープは、風がかなり強いのですが、南アフリカでいいプレーをするには、アイアンショットの精度がカギになります。
だから、アーニー(エルス)やシャール(シュワーツェル)、ルイ(ウーストハイゼン)など、たくさんの優れたボールストライカーが生まれたと言っていいでしょう。

南アフリカでプレーする時は、黒いマンバ(毒ヘビ)には気をつけること。
ケープタウン周辺など、南のエリアなら大丈夫ですが、ヨハネスブルグなど北部エリアには、ヘビがいるので要注意です。

Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Gary Player Design,Getty Images
Tournament/NEDBANK Golf Challenge

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