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【ゴル経】ゴルフ経済がビジネスのヒント! 第32回 PGM+アコーディアはゴルフ人口減少の「2025年問題」を解決する方法となるか?

©Koji Kitamura

 

ゴルフの経済を知ればビジネスのヒントも見つかる!

今回のテーマは「PGM+アコーディアはゴルフ人口減少の「2025年問題」を解決する方法となるか?」です。

PGM+アコーディアで世界最大のゴルフ場保有会社となった平和ならではの、ゴルファー増加策を期待

Illustration/Koji Kitamura

2024年12月、パシフィックゴルフマネージメント株式会社(以下PGM)の親会社である株式会社平和が、株式会社アコーディア・ゴルフを5100億円で買収するというニュースが発表され、ゴルフ業界に大きな衝撃が走った。
2012年にはPGMがアコーディア・ゴルフに対して敵対的TOBを仕掛けたものの失敗に終わり、その後はそれぞれが別の道を歩みながら、日本国内でゴルフ場運営を展開してきた経緯がある。

今回の買収は、銀行からの借入によって資金を調達する形だが、投資会社ではなく、ゴルフビジネスに関わる企業が主導する買収であることから、業界内では注目が集まっている。
この買収により、平和グループが保有するゴルフ場は、PGMの148コースとアコーディア・ゴルフの173コースを合わせて、合計321コースとなり、世界最大のゴルフ場保有会社に。
日本国内のゴルフ場総数は2192コース(日本ゴルフ場経営者協会、2024年11月調べ)であることから、平和グループは国内の約15%のコースを保有することになる。
これだけの規模を一つのグループが占めることで、ゴルフ場業界に対する影響力は非常に大きなものになると見られている。

また、2024年3月期のアコーディア・ゴルフの売上高1197億円が加わることで、PGMと合わせたゴルフ関連売上高は2159億円となり、平和グループの売上全体に占めるゴルフ事業の比率は84%を超えた。
「レジャー白書2024」によると、2023年時点でのゴルフ場市場規模は9390億円。平和グループの売上は、市場全体の約23%を占めることになる。

平和は今回の買収の意義について、「ゴルフを始めたばかりの初心者から、熟練したプレーヤーまで、あらゆるニーズに応える体制を構築し、ゴルフ産業の振興に寄与したい」と述べている。
また、「世界最大のゴルフ場保有会社としてのスケールメリットを活かし、管理費や仕入れコストの削減、システムの統合、顧客サービスの向上を実現していく」とも語っている。

現在、70代以上のゴルファーが全体の25・1%を占めているが、これまでゴルフを牽引してきた団塊の世代が75歳を超えることで、ゴルフから離れる人が増え、ゴルフ人口の減少が懸念されている(2025年問題)。
この問題の解決には、若年層や女性の参加をいかに増やしていくかがカギとなるだろう。
今回、PGMとアコーディア・ゴルフが平和のもとで一つにまとまったことで、ゴルフ業界全体をけん引しながら、変革をリードしていく存在となることが求められている。

Text/Hirato Shimasaki
Illustration/Koji Kitamura

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