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【ゴル経】ゴルフ経済がビジネスのヒント! 第25回 ゴルフがもたらす「健康」の経済効果は?

©Koji Kitamura

 

ゴルフの経済を知ればビジネスのヒントも見つかる!

今回のテーマは「ゴルフがもたらす「健康」の経済効果は?」です。

ゴルファーは5年長生きし、医療費削減にも貢献

Illustration/Koji Kitamura

ゴルフがもたらす健康のメリットについて、エジンバラ大学のアンドリュー・マリー博士が研究しているが、彼のゴルフと健康に関する5000件以上の研究を考察した論文によると、ゴルファーは非ゴルファーよりも平均5年長生きするという。
ゴルフは40の主要な慢性疾患の予防と治療に役立つそうだ。
メリットは以下の通りである。

  1. メンタルヘルスを改善し、社会的ウェルビーイングを高める。
  2. ゴルフは筋力とバランスを助け、生活の質を向上させ、有酸素運動を提供する。
  3. 通常の18ホールコースでは、ほとんどのプレーヤーは約6〜8キロを歩き、最大2000キロカロリーを消費する。
  4. 週に少なくとも150分間ゴルフをする場合は、WHOの世界的な運動ガイドラインを満たしている。

ゴルフが健康にもたらす効果は証明されてきているが、その経済効果はどうであろうか。
厚生労働省が発表した、日本の2021年度の医療費の総額(国民医療費)は45兆359億円と、前年度比で4・8%増加し、過去最高を更新した。
国民1人あたりの医療費は35万8800円で、前年度比5・3%増えている。
この対策として、スポーツ庁によってスポーツ実施率向上による健康な生活を営む基盤づくりが提唱されている。
スポーツ・身体活動による医療費抑制効果について、いくつかの取り組みが行なわれており、三重県いなべ市の運動体験プログラム「元気づくりシステム」に参加した588人の1人当たりの医療費削減額は7万8246円。
株式会社タニタが全従業員250人に実施した「歩くこととからだの見える化」による、1人当たりの医療費削減額は、1万8204円。
株式会社つくばウエルネスリサーチが新潟県見附市で実施した実証実験で、運動プログラム参加群94人(週1回の健康教室90分程度、週4回家庭での個別運動プログラム実施)の1人当たりの医療費削減額は10万4234円で、運動によって医療費が削減できていることが証明されている。
ゴルフによる医療費削減額のデータはないのだが、ゴルファー1人当たり医療費削減額を2万円程度と推定すれば、2023「レジャー白書」によるゴルフ人口500万人で掛け合わせると1000億円となる。
ゴルフをして健康になり、更に医療費削減に貢献できればこんなに良いことはない。

Text/Hirato Shimasaki
Illustration/Koji Kitamura

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