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【世界のゴルフ通信】From Asia 2021年はHSBCがアジアを再構築

アジアのゴルフの再開はいつ?
昨年は混乱の一年。「丑年」は再構築の年であると、「干支」は示唆

昨年の1月に開催された「SMBCシンガポールオープン」ではマット・クーチャーが優勝。まだこの頃は、新型コロナウイルスに対する意識は薄く、大勢のギャラリーがクーチャーを取り囲み、サインを求めていた。

 

アジア諸国は新年、春節を機に前進できるか?

トーナメントのキャンセルと延期ばかりだった一年が過ぎ、2021年のプロゴルフツアーの見通しは、多少明るくなると思われるが、早くても2022年まではフルスケジュールに戻ることは不可能だろう。

過去12カ月間、我々が経験した恐怖の後、世界が新しい希望と楽観的な願望に満ちた新年を待ち遠しく思うのも不思議ではない。

実際、地球上の多くの人が、1月1日や中国で春節連休が始まる2月12日を新たなスタートを切る日として、「ニュートラル」から「前進」にギアを入れ替える機会を与えてくれるように願う。


米国で行なわれたPGAツアー、今年はアジアで開催の見通し

©Stan Badz

昨年は日本での開催を断念し、米国で開催したPGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」。開催できる場所に移して実施する、という試合も今後増えるかもしれない。

新型コロナのパンデミックに見舞われ、アジアのトップレベルのゴルフトーナメントは事実上停止してしまった。

1月の「香港オープン」と「SMBCシンガポールオープン」、2月末の「ニュージーランドオープン」、3月第1週の「バンダル・マレーシアオープン」という流れで新年をスタートしていたアジアンツアーは、その後コロナの影響で中断してしまったのだ。

アジアンツアー・コミッショナー兼CEOであるチョ・ミンタン氏と彼のチームが最善を尽くしたにもかかわらず、アジア地域の大半の国々における厳しい旅行制限と到着後14日間の自主隔離制限によって、ツアーの再開は不可能となった。

幸いなことに、少なくとも中国、日本、タイの一部のプロゴルファーたちは、試合数は少ないものの、無観客で、厳しいコロナ対策を取った上で各国内での試合を再開することができた。

だが、「東京オリンピック」の一年延期が決定された時点で、米国のPGAツアーは日本、韓国、中国で開催してきたアジアでの試合を中止し、試合によっては米国内で開催した。

各国間の移動のリスクをできるだけ減らすため、この施策は驚くに当たらず、当然の結果といえるだろう。

日本と韓国で予定されていた試合(「CJカップ」と「ZOZOチャンピオンシップ」)は、2020年は米国で開催されたが、PGAツアーは今年はこれらのトーナメントを本来の場所で開催するつもりであると明言している。

 

HSBC(香港上海銀行)がアジアのゴルフを後押し

©Getty Images

昨年1月に開催された「香港オープン」はウェイド・オームスビーが優勝。今年は開催中止となった。

昨年12月初旬に、世界でゴルフトーナメントを開催している香港上海銀行(HSBC)は、同社が主催する3大会について発表した。

シンガポール開催の「HSBC世界女子選手権」、上海開催の「WGC・HSBCチャンピオンズ」と「CGA-HSBC(中国ジュニアゴルフプログラム)」について、である。

2021年の具体的な日程はまだ決まってないが、HSBCは、「アジアのメジャー」と呼ばれている2つの主要イベントをそれぞれ例年の開催地で行なうと発表。

つまり、「HSBC世界女子選手権」はシンガポールのセントーサゴルフクラブ、「HSBCチャンピオンズ」は上海の佘山国際ゴルフクラブで開催するという。

この流れを素早くとらえた元LPGAツアーコミッショナーのマイク・ワン氏は次のように述べた。

「LPGAにとって大切な長期的パートナーであるHSBCの変わりないサポートに心から感謝している。新型コロナの影響で、2020年は非常に厳しいシーズンだったが、このすばらしいニュースをお伝えできて非常に嬉しい」


今年は「丑年」再構築の一年になる!?

2019年のWGC「HSBCチャンピオンズ」の会場で行なわれたジュニアイベントに、ジャスティン・ローズ、ザンダー・シャウフェレ、ローリー・マキロイ、リー・ハオトンも参加した。

今は何事も不確実な時代にあるが、かすかな希望の光に喜ぶ一方、新型コロナ感染以前の状態にすぐに戻れるわけでもない。

今までにない厳しい時代が今後も続くと考えることが現実的で、優秀な医師たちによると、この状況は少なくとも2021年の中頃、おそらくは年末まで、大きく改善しそうにないという。

少なくとも「丑年(うしどし)は我々全員の運命を変えてくれる年」と希望を抱く「干支」の信仰者たちも、マイク・ワン氏の慎重な楽観論を支持している。

今年は丑年で、特に2021年は辛丑(かのとうし)である。

「辛丑は自分自身に対するチャレンジを表し、雄牛と同様に、この年が激務、決意、積み重ね、あるいは再構築の年であることを示している。子年(ねずみどし)のカオスの後、丑年はより良いものに向けて再構築する年ということだ」と干支の専門家は述べている。

Text/Spencer Robinson

スペンサー・ ロビンソン
(シンガポール)

ゴルフライター、ブロードキャスターとしてシンガポールを拠点に活動。

アジアゴルフインダストリーフェデレーションの最高コミュニケーション責任者。

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