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【世界のゴルフ通信】From Asia 松山英樹も笹生優花も経験したアジアのマッチプレー復活を期待!

アジアのマッチプレー復活を期待!
松山英樹も笹生優花もアジアのマッチプレーを経験

2018年の「パッツィー・ハンキンス・トロフィー」で優勝したアジア太平洋チーム。後列左から:リウ・ウェンボ(中国)、ユ・ヘラン(韓国)。中列左から:ドゥー・モーハン(中国)、パティ・タバタナキット(タイ・2021年ANAインスピレーション優勝)、アタヤ・ティティクル(タイ)、カール・ハンキンス、チャン・ヤチュン(台湾)、佐渡山理莉(日本)、笹生優花(フィリピン・2021年全米女子オープン優勝)。前列左から:クォン・セヨン(韓国)、グレース・キム(オーストラリア)、リビー・スティール(ニュージーランド・副キャプテン)、ジョアン・マッキー(香港・キャプテン)、西村優菜(日本)、ホウ・ユーチャン(台湾)。

2012年「ロイヤルトロフィー」で優勝したアジアチーム。 後列左から:キラデク・アフィバーンラト(タイ)、藤本佳則(日本)、呉阿順(中国)、梁文冲(中国)、尾崎直道(日本・キャプテン)、ジーブ・ミルカ・シン(インド)、金庚泰(韓国)、Y・E・ヤン(韓国)。前列左から:べ・サンムン(韓国)、石川遼(日本)。

世界最大のゴルフの祭典「ライダーカップ」が手本

血沸き肉踊るマッチプレーのチーム戦ほど、ゴルフファンの心をとらえるものはない。

「ライダーカップ」を見てほしい。
2年おきに開催される、欧州VS米国のチーム戦だが、ゴルフにおいてこのイベントほど世界的に楽しまれている試合は他にはないのだ。

3日間に渡って行なわれるこの素晴らしい大会は、世界のトッププロが出場スケジュールを決める時に基準にする「賞金」と「世界ランキングのポイント」のいずれも与えられないのが特徴。
コース内外のライバルたちの戦いに、熱狂的なギャラリーの応援が絡み合うことで、さらに人々の好奇心をそそり、ショーを盛り上げる。

さて、「ライダーカップ」は非常に大きな商業的成功を収めているが、この勝利の方程式を他の大会でも取り入れようと、この数十年間において、さまざまな種類の似たようなスタイルのマッチプレーイベントが誕生した。
大西洋を挟んで、欧州と米国の女子プロが戦う「ソルハイムカップ」はそのいい例である。

アジア版「ライダーカップ」は数年であっさり消滅

21世紀になってからというもの、アジアでもチーム戦によるマッチプレーが導入され、さまざまな試みが行なわれたのを目の当たりにしてきた。

アジアと日本の代表チームによる「ダイナスティカップ」が2003年に始まった際、それが「ライダーカップ」へのアジアの答えだと称賛されたものだ。

アジアンツアーと日本ゴルフツアー機構の共催により行なわれ、台湾のレジェンド、謝敏男と日本のレジェンドの青木功がキャプテンを務めた。
だが、派手に宣伝し、アジアチームが最初の2勝を挙げたにもかかわらず、同大会は2005年の開催をもって中止となった。

「ダイナスティカップ」がカレンダー上から消えてすぐに、セベ・バレステロスの発案で「ロイヤルトロフィー」が誕生。
アジアと欧州のチームによる対抗戦は、2006~2013年に7回開催され、アジアの優勝は2回だけだった。

その後ヨーロピアンツアーとアジアンツアーは、大きな利益を上げるため、2014年3月に早急に、新たなチームトーナメントである「ユーラシアカップ」を立ち上げたのである。
だが、このイベントも3回だけ開催され、2018年の開催を最後に終わっている。

その他、中国VS台湾の「ストレイツカップ」や、マレーシアVSシンガポールの「コーズウェイカップ」、女子ゴルフでは、「レクサスカップ」が2005年に誕生した。
LPGAツアーに認可されたこのトーナメントは、アジアチームと、アニカ・ソレンスタムがキャプテンを務める世界のその他の地域を代表した世界選抜チームで戦われ、両サイドがそれぞれ2勝。しかしこの大会も2008年に中止に。非常に残念であるが、今後の復活もなさそうである。

アジアのアマチュアの祭典もコロナで続行不能の危機!?

そして今年の6月上旬、これまでと同様の失望感を味わう出来事が起きた。
今年の「ボナラックトロフィー(男子)」と「パッツィー・ハンキンス・トロフィー(女子)」の2大会が、新型コロナウイルス感染症の大流行により開催中止となったのだ。

もともと、スペインゴルフ連盟によって主催され、スペインのムルシアにあるラ・マンガ・クラブで2020年4月23~25日に開催される予定だったのだが、コロナウイルスの感染拡大を受けて中止された。
そして今年もまた中止である。アジア太平洋ゴルフ連盟(APGC)とヨーロッパゴルフ協会(EGA)の関係者からは、来年ではなく、2023年に両大会を開催すると発表があった。

1998年から始まった「ボナラックトロフィー」は、5度の全英アマチャンピオンでありR&Aの元セクレタリーであったマイケル・ボナラック卿にちなんで名付けられた試合である。
ヨーロッパは本大会の最初の試合のうち、7勝したが、2018年にカタールのドーハ・ゴルフクラブで開催された最後の試合では、オーストラリアのマット・カトラーがキャプテンを務めたアジア太平洋チームが勝利を収めた。

「ボナラックトロフィー」にアマチュア時代に参加したメジャーチャンピオンが7人いる。
ローリー・マキロイ、ジャスティン・ローズ、シェーン・ローリー、ダニー・ウィレット、フランチェスコ・モリナリ、そしてアジア太平洋の代表であるジェフ・オギルビー(オーストラリア)、松山英樹(日本)である。

また、「パッツィー・ハンキンス・トロフィー」は2016年に始まったが、LPGAツアーでのアジア人選手たちの強さを考えると、アジア太平洋チームが「パッツィー・ハンキンス・トロフィー」で優勝したのは何ら驚くべきことではない。

2018年にカタールで開催され、優勝したアジア太平洋チームのメンバーをもう一度振り返ってみると、今年2人がメジャーチャンピオンになっている。
パティ・タバタナキット(タイ)と笹生優花(フィリピン)だ。2人の世界ランクは、笹生優花は8位、そしてタバタナキットは12位である。

日本の西村優菜は69位、2018年の第1回「アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ」の優勝者であるタイのアタヤ・ティティクルはトップ100位に迫っている。

Text/Spencer Robinson

スペンサー・ ロビンソン
(シンガポール)

ゴルフライター、ブロードキャスターとしてシンガポールを拠点に活動。

アジアゴルフインダストリーフェデレーションの最高コミュニケーション責任者。

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