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ポーランド人選手・エイドリアン・メロンク
少年時代の憧れの選手をやっつけての優勝
「ISPS HANDAオーストラリアンオープン」

Text & Photo/Eiko Oizumi
Photo/Golf Australia

「ISPS HANDAオーストラリアンオープン」で優勝したポーランド人選手のエイドリアン・メロンク。

 ポーランド人選手で、DPワールドツアーメンバーのエイドリアン・メロンク(29歳)。昨シーズンは「ホライゾン・アイリッシュオープン」でツアー初優勝を挙げ、レース・トゥ・ドバイ・ランキングでも8位に食い込む活躍を見せたが、2022〜2023年シーズンに入り、メルボルンで開催された「ISPS HANDAオーストラリアンオープン」でベテラン、アダム・スコットを5打差で撃破。逆転優勝を果たした。

「正直言って、今週は本当にアダム(スコット)と一緒に回りたかったんだ。彼は小さい頃に憧れていた選手だし、彼とプレーできるなんて最高だよ。夢が叶った。もちろん彼に気を取られたくはなかったので、ただ自分のプレー、いいショットを打つことに集中したんだ。でも最終組でオーストラリアの大勢のギャラリーを前に、彼をやっつけることは本当に信じられない経験で、自分をすごく誇りに思うよ」  彼は実際、最初の12ホールで1度もフェアウェイを外すことなく安定したプレーぶりで戦っていた。17番では、今週最もタフだったとも言える状況でボギーを叩いたが、アイアンでティショットを放ったアダム・スコットはそのホールでダブルボギーを叩いたため、差を縮められることはなかった。そして最終ホールでメロンクは、グリーン奥からチップインイーグルを決め、通算14ホールでホールアウト。2位のスコットに5打差をつけ(9アンダー)、オーストラリアンオープンで初のポーランド人チャンピオンが誕生したのだった。

最終日、18番ホール奥からチップインイーグルを決め、大きなガッツポーズを繰り出すメロンク。
左からISPS総裁のジョン・キー氏、エイドリアン・メロンク、ISPSアンバサダーのマイク・ティンダル氏。

「今週はとてもいいゴルフができていたし、もしこういうプレーを続けていれば、メジャーや世界の最高峰のトーナメントでも戦えると思っている」

 オーストラリアは、母国ポーランドからはかなりかけ離れた、縁もゆかりもないような場所に思えるが、ガールフレンドのマリナさんの、ポーランド人の従兄弟が開催コースのビクトリアGCから3分の位置に自宅を構えており、1週間、そこに滞在していたという。毎晩、ポーランド料理を楽しみ、時にはメルボルンの街に出向き、オーストラリアでの日々を満喫しながら、プレーにも集中。まるで自宅にいるかのようにリラックスできていたという。

今大会で優勝した結果、レース・トゥ・ドバイ・ランキングで2位に浮上した。世界ランキングは52位と、「マスターズ」出場権を獲得できる50位以内に入るまで、あとわずか。来年は「ライダーカップ」も開催されるが、現在、欧州チームランキングで13位。自力で出場を確定させるには6位以内に入らなければならず、キャプテン推薦で選ばれるにしても、6人の中に入らなければならない。メロンクの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

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