世界で上位の感染国「コロンビア」でツアー3試合目を開催!?
PGAツアー・ラテンアメリカの「ホルシム・コロンビア・クラシック」が6月17~20日にコロンビアのクラブ・カンペストレ・デ・ブカラマンガで開催される。
この1年間で開催試合数は、たった3試合
昨年、PGAツアー・ラテンアメリカは、2年間で1シーズンとするスケジュールにすることを決定した。
しかし、2020年3月から今年4月の間に予定された12試合のうち、ラテンアメリカで開催されたのは、メキシコ2回、ドミニカ共和国1回の計3回だけだった。
ラテンアメリカは、新型コロナウイルスの「第4波」に苦しめられており、人口10万人あたりの現感染者数および累積平均値レベルでの総データについては、米国やヨーロッパほど悪くはないものの、この状況では、スポンサーが南米諸国でのツアー開催に期待できるとは思えない。
ブラジルに次いで新型コロナウイルスの影響を受けているのは、ラテンアメリカ諸国ではコロンビアだ。
だが、この国で2021年の3試合目「ホルシム・コロンビア・クラシック」を6月17日~20日に開催する。
コースはアンデス山脈の中ほどに位置するクラブ・カンペストレ・デ・ブカラマンガ。PGAツアー・ラテンアメリカは過去11回、コロンビアで試合を開催しており、最後に開催したのは、2017年にボゴタで行なわれた「アビアンカ・コロンビアオープン」だった。
PGAツアーのほかにも、コーンフェリー・ツアーがコロンビアで合計13試合を開催しており、うち11回がボゴタ、2回がカルタヘナで行なわれている。2015年には、PGAツアー・ラテンアメリカ・デブシリーズが、ブカラマンガCCで「ブカラマンガ・オープン」を開催した。
ホアキン・ニーマン、カルロス・オルティスに続け!
アレハンドロ・トスティ
(アルゼンチン)
2018年プロ転向。フロリダ大学出身。25歳。2019年「テルマス・デ・リオ・ホンドインビテーショナル」優勝。
アンドレ・ガエゴス
(アルゼンチン)
2018年プロ転向。25歳。2018年「プエルトプラタDRオープン」優勝。2019年「プライス・カッターチャリティ選手権」7位タイ。
カミロ・アグアド
(コロンビア)2018年プロ転向。26歳。ジャクソンビル州立大出身。2019年「ナショナル・プロフェッショナル選手権」優勝。
アルバロ・オルティス
(メキシコ)2019年プロ転向。25歳。アーカンソー大出身。2021年「61アビエルト・メキシカーノ・デ・ゴルフ」優勝。兄はPGAツアー選手のカルロス・オルティス。
ラテン諸国にも有望な若手が続々
PGAツアー・ラテンアメリカは、マサトランで開催された「61アビエルト・メキシカーノ・デ・ゴルフ」から20|21年シーズンを再開し、地元の人気者アルバロ・オルティスが優勝を飾った。
3打差で優勝した25歳のオルティスは、現在賞金ランキング1位。なお、このツアーの上位5名は、来シーズンのコーンフェリー・ツアーへの参加が認められる。
だが、このような状況で最も苦しんでいるのは、競技に出たいが、コロナの影響でなかなか出られない若手ゴルファーたちだ。
メキシコのアルバロ・オルティス、コロンビアのカミロ・アグアド、アルゼンチンのアレハンドロ・トスティやアンドレ・ガエゴスといった優れたスター選手たちが、出場への道を模索中だ。
メキシコのアルバロ・オルティスがプロ転向したのは2019年で、2020年のPGAツアー・ラテンアメリカのQTで優勝したものの、それ以降はたった4試合しかトーナメントに出場できていない。
彼の夢は、PGAツアーでプレーし、前回の「マスターズ」にも出場した兄のカルロスに続くことだ。
コロンビアのカミロ・アグアド(26歳)は現在、PGAツアー・ラテンアメリカのランキングで21位だ。
海外では、2019年の「ナショナル・プロフェッショナル選手権」で優勝したことがある。
2020~2021年シーズンでは4試合に出場し、いずれも予選を通過。地元コロンビアで開催される試合では、間違いなくスタープレーヤーとして注目を集めることだろう。
アルゼンチンは、古くからゴルフ文化がある国の一つであり、ロベルト・デ・ビセンゾ、ビセンテ・フェルナンデス、エドワルド・ロメロ、アンヘル・カブレラなど、多くの世界チャンピオンを輩出している。そして今どきのアルゼンチンゴルファーと言えば、以下の2人の名前が挙がるだろう。
アレハンドロ・トスティ(25歳)は、2018年にプロに転向。
2019年にはPGAツアー・ラテンアメリカでプレーするようになり、同年に1勝を飾っている。
2020年には4試合に出場して、3試合でトップ10に入った。賞金ランキングでは現在8位だ。
もう1人はアンドレ・ガエゴス(25歳)。
彼は、2018年にプロに転向し、賞金ランキングは6位。過去1勝を挙げており、2019年シーズンには本格的にコーンフェリー・ツアーに参加している。
ラテンアメリカのゴルフ界には、世界の第一線「PGAツアー」ですでに戦っている選手も多い。
セバスチャン・ムニョス、カルロス・オルティス、ホアキン・ニーマン、アブラハム・アンセル、トミー・コチャなど実績のある選手を中心として、ラテンゴルファーレベルが上昇中だ。
Text/Isabel Trillo Amores
イサベル・トリロ・アモーレス(スペイン)
PGA・オブ・スペインのコミュニケーションディレクター。80年代後半からゴルフ取材を始め、その数は世界250試合以上。ゴルフのラジオ番組も手がける。