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【世界のゴルフ通信】From Latin レギュラーツアーを目指してラテン諸国で腕を磨くプロゴルファーたち

PGAツアー・ラテンアメリカいよいよ11月から開幕!
レギュラーツアーを目指してラテン諸国で腕を磨くプロゴルファーたち

©Getty Images

今年、B・マシューズは「プエルトプラタオープン」、「クラブatウェストンヒルズオープン」で2勝を挙げている。

©︎PGA TOUR

7月末に2020~2021年「PGAツアー・ラテンアメリカ」シーズンが終了。ポイントランキング・トップ10の選手たちは、PGAツアーへの登竜門である「コーン・フェリーツアー」に出場する。左からアンドレ・ガレゴス(10位)、ドリュー・ネスビット(8位)、パトリック・ニューコム(6位)、アルバロ・オルティス(4位)、サム・スティーブンス(2位)、ブランドン・マシューズ(1位)、コナー・ゴッゼイ(3位)、MJマグワイヤ(5位)、アレクサンドラ・ロチャ(7位)、ジェイコブ・バーガロン(9位)。

PGAツアーへの登竜門
トータルプレーカップ

PGAツアーとトータルプレー社は、PGAツアー・ラテンアメリカの新たな通年の大会として、「トータルプレーカップ」を開始すると発表した。
このスポンサー契約は2021〜22年シーズンから開始し、ポイントリストの名称が「トータルプレーカップ」に変更される。
そして、2021〜22年のシーズン終了時にトップに立っていた選手が、トータルプレーカップの優勝者となる。
優勝者は、PGAツアー・ラテンアメリカの年間最優秀選手賞を受賞するとともに、翌シーズンのコーン・フェリーツアー(PGAツアーの下部ツアー)のフルフィールド大会の全てに出場する資格が与えられる。 

2021〜22年シーズンは、11月開幕の予定だ。
そして、「トータルプレーカップ」の初代優勝者は、PGAツアー・ラテンアメリカから羽ばたいていった、セバスティアン・ムニョス、ネイト・ラシュリー、ミト・ペレイラ、ラント・グリフィンなどの著名選手たちが歩んできた成功への道をたどることになる。

PGAツアーの「フェデックスカップ」と同様、「トータルプレーカップ」もポイント制を採用して、PGAツアー・ラテンアメリカでプレーする選手たちのシーズン中の活躍を評価する。
レギュラーシーズンのトーナメントで優勝した選手に500ポイント、準優勝には300ポイント、3位には190ポイントがそれぞれ与えられることになっている。

コーン・フェリーツアーのシード権を確保したアルバロ・オルティス

PGAツアー・ラテンアメリカの「ロベルト・デ・ビセンソ賞」のトロフィーは、米国のブランドン・マシューズが受賞した。

マシューズは、シーズン終了後に開催された「ブパ選手権」で33位タイに入り、合計1191ポイントを獲得。
124ポイントのリードを保ったままシーズンを終えた。1位のマシューズは、出場した7試合全てで賞金を獲得。
シーズン通算の獲得賞金総額は7万4534ドルで、2位との差は7684ドルであった。  

2019年シーズンのコーン・フェリーツアーで21試合に出場し、予選通過はわずか4回と苦しんだ彼は、その後アルゼンチンに渡り、「ネウケン・アルゼンチンクラシック」で5位タイ、「VISAアルゼンチンオープン」では2位に入賞した。
この大会でマシューズは、ダウン症のファンに気を取られてミスを犯す。
それでもそのファンを優しくハグしたことで、ゴルフ界の注目を集めることになった。  

マシューズに続いて、ポイントランキングのトップ5に入った4人もコーン・フェリーツアーのシード権を獲得。
4位に入ったメキシコのアルバロ・オルティスの兄はPGAツアーで1勝のカルロス・オルティスである。

スペインでプロゴルファーの道が開けた早川真帆

スペイン女子ツアー「サンタンデル・ゴルフツアー」のオリビア・ノバで開催されたダブルスの試合で優勝した早川真帆(左)とアルムデナ・ブラスコ。

米国バージニア大学出身の早川真帆は、1996年6月6日生まれ。2017年「全米女子アマ」に出場した経験もある。理想のゴルファーは宮里藍、ロレーナ・オチョア。

スペイン国内の女子ゴルフサーキットである「サンタンデル・ゴルフツアー・バレンシアダブルストーナメント」に、バレンシア出身のアルムデナ・ブラスコと組んで出場した日本人の早川真帆(25歳)。
激しいプレーオフの末に優勝し、一躍有名になった。  

早川は、米国バージニア大学に留学。
4年間、大学リーグに参加し、帰国後プロに転向した。だが、日本では勝利に恵まれなかった。

「いろいろな国で生活しましたが、現在は、マドリッドに2年ほど住んでいます。スペインに来たのは、父に仕事の依頼があったから。王立スペインゴルフ連盟の本部である国立ゴルフセンターでは、いつでも好きなときにトレーニングができ、ハイパフォーマンスセンターも利用できます。ここでは、ヨーロッパだけではなく、世界に向けて道が開かれています」と早川は語る。

早川は今大会の優勝により、年に5回ほど試合が開催される「サンタンデル・ゴルフツアー」に出場できる。
その中には欧州女子ツアー・アクセスシリーズと共催しているものもあるため、欧州女子ツアーにも参加できる。

「幸い私は、家族からサポートを受けることができ、ゴルフへの愛情を教わることができたんです。私の憧れであり、刺激を与えてくれる宮里藍さんのように、トップを目指して頑張ります」

アンヘル・カブレラ、虐待で懲役2年の判決

2年間、収監されることになったメジャーチャンピオンのアンヘル・カブレラ。

2007年「全米オープン」と2009年「マスターズ」でメジャー2勝を挙げているアンヘル・カブレラ。
彼は2016年から2018年にかけて、元パートナーのセシリア・トレス・マナに暴行を加えていたとして、2年間の懲役を言い渡された。  

今年の7月に、アルゼンチンのコルドバ市の裁判所はカブレラを、元パートナーに対する暴行、脅迫、嫌がらせの罪状により処罰。

裁判では、カブレラは全ての事実を否定したものの、即座に懲役刑の判決が下された。

Text/Isabel Trillo Amores

イサベル・トリロ・アモーレス(スペイン)

PGA・オブ・スペインのコミュニケーションディレクター。80年代後半からゴルフ取材を始め、その数は世界250試合以上。ゴルフのラジオ番組も手がける。

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