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【世界のゴルフ通信】From Middle East コロナ禍でもUAEで4試合連続開催!若手旋風が吹き荒れる!

コロナ禍でもUAEで4試合連続開催
アラブの砂漠で若手旋風が吹き荒れた

1月20日~23日/アブダビHSBC選手権(UAE)優勝
トーマス・ピータース

1月27日~30日/Slync.ioドバイデザートクラシック(UAE)優勝
ビクトル・ホブラン

2月3日~6日/ラアス・アル・ハイマ選手権(UAE)優勝
ニコライ・ホイガード

2月10日~13日/ラアス・アル・ハイマクラシック(UAE)優勝
ライアン・フォックス

サウジの試合と同週にドバイで試合を急遽開催

オミクロン株が、世界中で猛威を振るう中、アラブ首長国連邦(以下UAE)では4週連続でDPワールドツアー(欧州ツアー)の試合が開催された。

1月20日~23日に、今年から新たにヤスリンクスGCで開催された賞金総額800万ドルの「ロレックスシリーズ」初戦でもある「アブダビHSBC選手権」を皮切りに、「ロレックスシリーズ」第2戦の賞金総額800万ドルの「Slync.ioドバイ デザートクラシック」が開催された。
その後、同ツアーはUAEの最北端に位置するラアス・アル・ハイマ(以下RAK)に場を移し、アルハムラGCで賞金総額200万ドルの試合「RAK選手権」と「RAKクラシック」を立て続けに開催したのである。

「RAK選手権」は、賞金総額500万ドルの「サウジ・インターナショナル(以下SI)」と同週に開催されることが発表され、物議を醸した。
DPワールドツアーは3年間、「SI」を欧州ツアーの1試合として公認していたが、PGAツアーと戦略的提携を結んで以来、サウジ・ゴルフとの関係を絶っていた。
「SI」は、今年からアジアンツアーの1試合として開催されることになったが、同週に同じ中東で試合を行なうというDPワールドの動きは、放送局やDPワールドツアーのメンバーに困難をもたらした。
放送局は、ほぼ同じ時間帯に2つの試合を放映しなければならず、DPワールドツアーメンバーの選手たちは、サウジでプレーするためにはその旨を申請しなければならなかったからだ。

若いチャンピオン誕生で盛り上がるDPワールドツアー

最初の3試合では30歳未満のチャンピオンが誕生したが、4試合目では30代のライアン・フォックス(ニュージーランド・35歳)が優勝した。
トーマス・ピータース(ベルギー・29歳)はアブダビの強風の中を奮闘し、ドバイではビクトル・ホブラン(ノルウェー・24歳)が典型的なサンデーチャージを見せて優勝。
ニコライ・ホイガード(デンマーク・20歳)とフォックスは、ラス・アル・ハイマでの2試合で圧倒的な強さを見せた。

「アブダビHSBC選手権」
ピータースが強風の中で勝利

2006年にこの試合が開催されるようになって以来、初めて会場をアブダビGCからカイル・フィリップス設計のヤスリンクス・アブダビに移した。

隣接するマングローブの林が、海からの風を遮るように存在しており、ほとんどの選手たちは、今週はスコアが伸びるだろうと予想した。
しかし、第2ラウンド以降、風が吹き始めてからは、予想に反する結果となった。
金曜日は最悪のコンディションでほぼ1日中、時速30~35マイルの突風が吹き荒れ、ほとんどプレーできないに等しい状態だった。

そんな中で、ピータースは非常に素晴らしいゴルフを披露し、唯一人2ケタアンダーでプレー。
昨年秋から今年にかけての3試合で2勝を挙げ、世界ランク50位以内に浮上した。

「とてもいいゴルフができているよ。飛距離をコントロールできているし、そんなふうに感じられるのは嬉しい。パットが格段に良くなり、そのおかげで週末、いいプレーができた」とピータースは語る。

「ドバイ・デザートクラシック」
ホブラン3か月で3勝目

ビクトル・ホブランは、3か月で3勝目を果たした時、世界ランキングの頂点に向けて、絶え間ないチャージを続けていた。
昨年12月にバハマで開催されたタイガー・ウッズ主催の「ヒーロー・ワールドチャレンジ」で優勝したときもそうだったが彼は、最終日に6打差から逆転して、中東最古の試合「Slync.io ドバイ・デザートクラシック」を制したのだ。 

サンデーチャージを習慣にしているのかと聞かれたホブランは、「もちろん、自分の思い通りにプレーできないといけないけどね。前回のバハマでは、確かに自分の思い通りにプレーしたと言えるし、今回もバーディ、イーグル、バーディでフィニッシュできて、こういうことは当然滅多に起きないことなんだ。それでも他の選手にも勝つチャンスはあった。だから、自分のできる限りのことをしようと思った」と述べた。

一方、この試合の新スポンサーを務めたSlyncは、トーナメントを再生させた点で高い評価を受けた。賞金総額800万ドルの「ロレックスシリーズ」の試合としてスタートしたこの試合では、入場料の無料化、ホスピタリティエリア、選手ラウンジ、メディアセンターなどの新しいインフラの整備、その他いくつかの取り組みが行なわれた。

2週連続で同コース開催
2人の優勝者は共に2勝目

才能あふれるホイガードは、DPワールドツアーのわずか54試合で2勝目を挙げたが、昨年、双子の兄弟であるラスムス・ホイガードが「ヨーロピアン・マスターズ」で優勝したちょうど1週間後、「イタリアンオープン」で初優勝を遂げていた。
フォックスもまた、今大会で欧州ツアー2勝目。
「ISPSハンダ・ワールドスーパー6パース」での優勝から約3年後のことだった。

ジョイ・チャクラバルティ
(アラブ首長国連邦)

ドバイを拠点に25年以上に渡り世界中でゴルフ取材を続けている。

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