【世界のゴルフ通信】From Middle East 今秋、UAEで憧れのオーガスタ行きの切符を手にするアマチュアが決まる!

UAEからオーガスタへの道
今秋、UAEで憧れのオーガスタ行きの切符を手にするアマチュアが決まる！

アラブのダウ船を模したクラブハウスで有名な「ドバイクリーク・ゴルフ＆ヨットクラブ」。全長6967ヤード・パー71の本格チャンピオンシップコースで、欧州ツアー「ドバイデザートクラシック」を２回開催。ドバイ国際空港から至近。

ドバイクリークに突き出た、人工的に造られたティーグラウンドがユニーク。クリーク越えの緊張感あふれるティーショットが楽しめる。

今年の「アジアパシフィックアマ」は、中東で開催

新型コロナウイルス感染症拡大を受けて昨年開催されなかった「アジア・パシフィックアマチュアゴルフ選手権（以下AAC）」の開催が決定した。 　

この試合は、昨年10月にオーストラリアのロイヤルメルボルンGCで開催される予定だったが、さまざまな国でロックダウンや旅行制限などが起きたことから、延期されたのだった。 　

オーストラリアではいまだに厳しい隔離や規制を続行しており、開催者であるアジア太平洋ゴルフ連盟（以下APGC）、マスターズ、R&Aは代わりとなる会場を探すことを決めた。
そこへ名乗りを上げたのが、アラブ首長国連邦（以下ＵＡＥ）のドバイである。 　

「ＡＡＣ」で優勝すると、「マスターズ」と「全英オープン」への出場権が与えられるが、今年は11月3～6日に　ドバイクリーク・ゴルフ&ヨットクラブ（以下DCGY）で開催される予定だ。

DCGYはパー71のコースで、元々はエミレーツGCのマジリスコースを手がけた米国人設計家カール・リトンによって設計された。
その後、2004年に後の「ライダーカップ」欧州チームキャプテンのトーマス・ビヨーンが改修。2018年にシンガポールで開催された「AAC」で金谷拓実に次いで2位タイとなったインドのレイハン・トーマスが61というコースレコードを保持しており、9連続バーディという世界記録をマークしている。

ドバイクリークを運営しているドバイゴルフのクリストファー・メイ最高経営責任者は、「AACには毎年、同地域や世界中から優れたアマチュア選手たちが集まっており、私たちは共同設立者に今年の試合の主催者として選任されたことを誇りに思っています」と語った。

世界で最も積極的にワクチン接種を行なったＵＡＥは、ビジネス活動を開始している。
現在UAEは、ワクチン接種済みの国民の比率で世界第2位（１位はマルタ）となっており、人口の90.5%が既に2回のワクチン接種を終えている。
同国では、9月末までに１００%のワクチン接種になると見込まれている。 　

UAEでは、今年の1月末には新型コロナウイルスの感染者数がほぼ4000人とピークに達したと報じられた。
今年の後半に、「Expo２０２０（ドバイ国際博覧会）」を主催するドバイは現在、多くの国々からの観光客を受け入れているが、厳格なソーシャルディスタンスや新型コロナウイルス感染対策を順守しなければならない。
一日の新規感染者数は、現在は1000人程度の水準まで減少している。 　

なお、「ＡＡＣ」がUAEで開催されるのは初めてで、情勢不安のアフガニスタンを除く、APGC加盟42か国すべてがチームを派遣する予定となっている。

APGCのタイムール・ハッサン・アミン会長、マスターズのフレッド・リドリー会長、R&Aのマーティン・スラマース最高責任者は共同声明の中で、「今年のマスターズでは、ＡＡＣで2勝した松山英樹が歴史的な勝利を挙げましたが、彼の優勝は本大会の発展に寄与するだけでなく、アジアの前途有望な才能あふれる選手たちのための舞台として、AACがいかに重要であるかを明確に示してくれました」と述べた。

「我々は、エミレーツゴルフ連盟とDCGYの支援に感謝しており、今年の大会開催に関わる各所と連携を取り合い、責任を持って感染対策を講じながら、人生を変えるような機会を才能溢れる選手たちに提供できるよう取り組んでいきます」

アジアパシフィック・ゴルフ連盟（APGC）のチェアマン、タイムール・ハッサン・アミン氏。

中島啓太をはじめとする日本勢に注目が集中

世界アマチュアランキング１位の中島啓太をはじめ、杉原大河、米澤蓮も出場予定。松山英樹、金谷拓実に続いての「マスターズ」「全英オープン」出場に期待がかかる。

中国のユーシン・リンは、上海の佘山インターナショナルGCで開催された２０１９年大会で優勝した前回優勝者であり、史上初となる3度目の優勝（同選手は2017年のニュージーランド大会でも勝利している）に挑戦する。
だが、注目の的は世界アマチュアゴルフランキングの上位3選手である中島啓太、杉原大河、米澤蓮といった日本人選手だろう。
出場資格のための予選通過日となった8月4日、中島選手は世界ランキング1位となり、杉原選手は8位、そして米澤選手は9位となった。

一方、2019年に日本で最後に開催され、安田祐香が優勝した「アジアパシフィック・女子アマ」は、11月10日〜13日にUAEのアブダビゴGCで開催される予定だ。
2020年のタイでの試合は中止となっている。