Text/Eiko Oizumi
Photo/R&A
「全英オープン」は2022年のセントアンドリュース大会以来、2年目の挑戦となった桂川有人。前回は予選通過を果たし、日本勢では最高位の47位タイで終了したが、今年は予選カットラインに1打足りず、予選落ちに終わった。自身、今回で昨年の「全米オープン」を含め、3回目のメジャー挑戦だったが、予選落ちは初めてのことだ。
今年の4月にDPワールドツアー(欧州ツアー)「ISPS HANDA欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」でツアー2勝目を挙げ、欧州ツアーメンバーとして、現在、欧州で転戦中の桂川。「DPワールドツアーのチャンピオンとして頑張りたい気持ちは強い。今はすごく悪い感じというわけでもなく、本当に微調整というところまで来ていると思うが、そこからなかなかうまく抜けられない。何かきっかけがあれば、いい状態に持っていけると思うのだが……」と語っていた。
そして試合が始まると、ノーバーディ、5ボギーの76を叩き、5オーバー発進。「明日はいいプレーができれば、まだチャンスがある」と巻き返しを図ったが、2日目は2バーディ、4ボギーの73と、前日よりは安定したゴルフを見せたが、1打足りずに予選落ちを喫した。
「バンカーショットが成長できている分、いいところも多かったんですけど、思うようにショットが打てていなくて、バーディーチャンスになかなかつけられず、そこが耐えられなかったというか、苦しんだ。ショットもパットも前日とあまり変わらず、パットはラインが読めていないみたいだった」
風向きが、練習ラウンドの時とは真逆だったことも計算外だった。ショットに自信のある桂川だが、「今回は得意なショットがなかなか冴えず、苦しかった。(将来を考えれば)逆にショットがグリーンに乗らず、耐えなければいけない場面も多かったので、すごくいい経験になった。これで終わりじゃないんで、どんどん成長していければ、という意味では悪くなかったかな」と悔しい気持ちがありながらも、今回の結果を前向きに捉えて前を向いた。
いったん日本に帰国して、体も心もリフレッシュ。「結構今、ヨーロッパにやられてしまっているんで、何かちょっと自信喪失気味」だという桂川。だが、DPワールドツアーの大先輩である川村昌弘に、「レベルも高いし、慣れていないコースも多いけど、ゴルフは波が出てしまうものだから、自分の番が必ず来ると信じて、その時を待ちながら課題を一つ一つやるしかない」とメンタルの持ち方を学んでいるところだという。
昨年は久常涼が、川村のメンタリティを学んで米ツアーへと巣立っていった。桂川も久常と同じルート(DPワールドツアーでトップ10入りを果たし、米ツアーへの出場権を獲得する方法)を模索しているところだが、現在、DPワールルドツアーのポイントランキング「レース・トゥ・ドバイ」では、52位とやや低迷中。「全英オープン」も終了し、後半戦に差し掛かるが、毎年秋口はピークが来ることが多いのだという。トップ50の選手だけが出場できる、最終戦「DPワールドツアー選手権」に出場を果たせる位置をキープしながら、できる限り上位を狙いたいところだ。