国際スポーツ振興協会・会長
半田晴久
ISPSはプロの試合から、アマチュア、障害者ゴルファーの試合まで、多岐にわたるゴルフ大会を国内外で支援しています。そして、未来のトップゴルファーを育てるため、ジュニアゴルファーや、世界を目指す若者のための競技に注力しています。その思いが、ついに2021年から実り始めました。
1つは、9月にアローエースGC(栃木県)で行なわれた、若手プロの登竜門「AbemaTVツアー」第13戦目の、「ISPS HANDAヒーローになれ! チャレンジトーナメント」で、久常涼選手(19)が優勝したこと。彼は、この勝利を含め、今年のチャレンジツアーで何と3勝目。この活躍が認められ、「ZOZOチャンピオンシップ」への推薦出場も決まりました。
そんな彼は、2018年の「ISPSハンダ全国中学校・高等学校マッチプレー選手権」で、優勝したことがあります。この大会は、私が「ゴルフプレーヤーを強く育てるのは、ゴルフの原点であるマッチプレー」の信念で、2017年に、高ゴ連(一般社団法人・日本高等学校・中学校ゴルフ連盟)と協力してスタートしたものです。久常選手は、第2回目の2018年、当時高校1年生で優勝しました。彼は、この時「マッチプレーは、1ホールごとの勝負。強い攻撃の気持ちが勝敗につながる」と、マッチプレーで戦う極意を掴んだようです。またこの優勝で手応えを掴み、「将来は松山選手のように、世界の第一線で戦えるプロを目指す」と、力強く宣言したそうです。
実は、このとき女子の部で優勝したのは、2年生の安田祐香選手でした。彼女は、年が明けた2019年に、第1回「オーガスタ女子アマチュア選手権」で、堂々の3位タイ入賞。「アジアパシフィック女子アマ選手権」では、見事に優勝しました。また、今年の「オーガスタ女子アマ選手権」で、日本人初の優勝を果たした梶谷翼選手も、このマッチプレーに出場しています。
さらに、2019年大会で優勝した、当時高校2年生だった岩井明愛(あきえ)選手と、その妹である千怜(ちさと)選手も、ISPSの大会から大きく羽ばたいた選手です。姉妹は、このあと埼玉県の武蔵丘短期大学に進学。今年のプロテストに、揃って一発合格しました。さらに、9月のステップアップツアーで、2人は順番に連続優勝を果たしました。これは、史上初の快挙だそうです。2人とも明るく、優しい芯の強い女性です。夢は、2人揃って「世界で戦う」こと。次世代選手を育てるという、ISPSの方針は確実に実を結んでいます。若い選手が、夢を実現させるための環境づくり。私は、そのために、あらゆる努力をするつもりです。