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タイガー・ウッズ 2022年版スイングと最新クラブセッティング

©Getty Images

2021年12月に「PNC選手権」で久しぶりに公の場でプレーを披露したタイガー。
昨年2月に瀕死の重傷を負ったにもかかわらず、その10ヶ月後にはゴルフをする姿を見て驚いた人も多いだろう。
2022年初の男子海外メジャー「マスターズ」でタイガーがツアー復帰を果たす!

©PNC Championship/IMG

「マスターズ」期間中の水曜日に行なわれるパー3コンテストには、息子のチャーリーくん(左)と出場するのでは……?!

©PNC Championship/IMG

チャーリーくんがオーガスタの地で、父の代理でショットを披露することもあるかも……。

©PNC Championship/IMG

2021年12月の「PNC選手権」に親子で出場したタイガー&チャーリー。ジョン・デーリー親子組に2打差の2位に入賞した。

©Getty Images

2015年に初めて「パー3コンテスト」に参加した、タイガーの長女サム・アレクシスちゃんとチャーリーくん(手前)。7年後の今年、チャーリーくんが父のバッグを担ぐシーンは見られるだろうか?

©Getty Images

「マスターズ」の水曜日の午後に、オーガスタナショナル内のパー3コースで行なわれる「パー3コンテスト」。家族や友人をキャディに従えて、9ホールをプレーするイベントだ。

2022年タイガーのクラブはコレだ!

©JJ Tanabe

【ドライバー】
ステルスプラス(9度・三菱ディアマナD+リミテッド60 TX)
【3W】
ステルスプラス(15度・三菱ディアマナD+リミテッド70TX)
【3W】
SIMチタニウム(15度・三菱ディアマナD+リミテッド70TX)
【アイアン】
P7TW(3番~PW・トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイシューX100)
【ウェッジ】
MG2 TWグラインド(56度、60度・トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ツアーイシューS400)
【パター】
スコッティ・キャメロンGSSニューポート2

※パターを除いて、全てテーラーメイド
※クラブセッティングに変更がある場合もあります。ご了承ください。

「いつツアーに復帰できるかはまだわからない」

昨年末、親子で出場するPGAツアー非公式イベント「PNC選手権」に、息子のチャーリーくんとともに出場し、約1年ぶりにプレーを披露したタイガー・ウッズ。
自身がホストを務める2月の「ジェネシス招待」の記者会見に出席し、現在のゴルフの状況や体の調子について語った。

「いつ試合でプレーできるか、自分でも知りたいが、今はわからない。ゴルフでできることは非常に限られており、アプローチやパッティングはすごくいい感じだが、ロングゲームに関しては、ほとんどできていない状態だ。まだ歩くことに取り組んでいるところ。時間がかかるだろうね。自分でも復帰までの予定が立たないのが、最もイライラするところだが、今はただもっとよくなるように、努力するしかない。それに年齢的なこともあるから、そう早くは回復できないだろう」

「前進はしているし、体も強くなってきている。球数を以前よりも打てるようになってきているが、カートに乗らないとゴルフできないんだ。試合に出るとなると、練習ラウンドやプロアマも含めて、1週間で6日間プレーしなければならないが、それはまだ今の段階ではできない」

「マスターズ」のパー3コンテストなら歩けるのでは? との問いに、タイガーは
「パー3コースなら歩けるね」と答えた。だが、「パー3コンテスト」に出場するとはこの時点で明言しなかった。

「ジェネシス招待」開催地のロサンゼルスまで移動できるのであれば、フロリダの自宅から比較的近い、ジョージア州オーガスタなら移動の負担も少ない。
チャンピオンズディナーには出席することを明言しているが、パー3コンテストに出場するかどうかは、不明である。
試合に出ることは無理でも、せめてチャーリーくんをキャディに従え、「パー3コンテスト」だけでも、タイガーのショットを見てみたい気がする。

スイングの一体感は、事故後も変わっていない

©Getty Images

解説/佐藤信人

©Eiko Oizumi

1970年3月12日生まれ。
米国の陸軍士官学校を経て、ネバダ州立大へ進学。国内9勝、国内メジャー3勝。04年欧州ツアー本格参戦。現在は英語力を生かして海外ゴルフ中継の解説や、JGTOの広報担当理事として活躍。

左足ツマ先を少し開くアドレスは事故前と同じ。ダウンスイング以降の足腰の動きの負担を、少なくしているようだ。

胸とグリップの距離をとる、ワイドなテークバック。スイングアークを大きくすることができる。

ダウンスイングに入る瞬間、ヒザが少し沈み込むような動きは健在。トップは若干浅め。

左へスエーすることのない、力強いダウンスイング。10ヶ月前に大ケガを負ったとは思えない力感。

左サイドが流れないように我慢し、胸の前でインパクトを迎える。

右足のケリを使わず、右肩で押していくようなフォロー。事故前よりも右足の浮きが少ないのは、足の負担を軽減するためかもしれない。

若い頃と比べると、体を残して、クラブを放り投げるようなフォローではない。右肩を起こす動きで球をつかまえ、スピードを上げている。

フィニッシュまでしっかり振り切るワンピーススイングは不変。

連続写真:©JJ Tanabe

事故前後で、スイングはさほど変わっていない

10か月前に右足切断、という話も出るほどの大事故に見舞われたにもかかわらず、「PNC選手権」に出場したことにはビックリしましたね。
しかし、事故前後ではさほどスイングは変わっていない印象を受けました。
事故で右足を損傷した影響で、ダウンスイング~インパクトにかけて、通常通りに右足が蹴られていませんが、これは意図的にそうしているのか、痛みが怖くてアグレッシブに動けないからなのかはわかりません。
右足のケリの代わりに、右肩を起こす動きで球をつかまえ、スイングスピードを出しているのでしょう。
足のケリは飛距離にもつながるところですが、ケガが治り、肉体が戻ってきたら右足のケリが戻ってくるでしょうね。

私はゴルフ中継の解説で、テレビを通じて彼のスイングを見ていましたが、本来の力強さはないにしても、試合に出てもいいんじゃないか、と思えるほどでした。
ただ、歩いている姿を見ると、痛々しい感じはありましたね。

タイガーのスイングで変わらずいいところは、スイングのワンピース感。
テークバックの美しさや、胸とグリップの間のふところの広さとワイドなバックスイング、そしてダウンスイングに入るときの沈み込む動きも変わっていません。
今後試合で勝てるかどうかは、本人の体調とやる気次第。
どん底から這い上がった彼が、2018年に「ツアー選手権」で優勝し、翌年には「マスターズ」で優勝。
今後も体を治して、復活優勝を期待したいですね。

Text/Eiko Oizumi
Photo/JJ Tanabe, Getty Images, PNC Championship/IMG

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