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ロン毛のキャメロン・スミスが 29年ぶりのオージーチャンピオン!豪州勢の聖地Vは62年ぶり

豪州勢の聖地Vは62年ぶり
全英Vはグレッグ・ノーマン以来の快挙

ロン毛のキャメロン・スミス、29年ぶりのオージーチャンピオンに


©Dan Imai

聖地での優勝スコアはタイガー・ウッズを超えて史上最少を達成!

優勝

Cameron Smith
キャメロン・スミス(豪州)

1993年8月18日生まれ。180cm、78kg。ブリスベン出身。米ツアー通算6勝、メジャー1勝、その他2勝。今年は「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」「プレーヤーズ選手権」「全英オープン」で3勝を飾っている。最近では長髪がトレードマークになっている。世界ランク2位。

2022年の「チャンピオンゴルファー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたスミス。史上5人目の豪州人チャンピオンに……


©Eiko Oizumi

「勝利の美酒」とはまさにこのこと!優勝後、クラレットジャグを片手にシャンパンを飲み干すC・スミス。

©R&A

「トム・モリス」ホールと名付けられた18番ホールで、R&Aの建物に向かってティーショットを放つキャメロン・スミス。

キャメロン・スミスがタイガー超え!

ゴルフの聖地・セントアンドリュースで行なわれた第150回「全英オープン」では、すでに今季2勝を挙げていたキャメロン・スミス(豪州)が通算20アンダーで優勝。
メジャー初優勝を飾った。なお、20アンダーというスコアは、2000年にタイガー・ウッズがセントアンドリュースで記録した19アンダーを1打上回る、セントアンドリュースでの「全英オープン」最少スコアであり、「全英オープン」では、2016年のロイヤルトゥルーンでヘンリク・ステンソンが記録した20アンダーと並ぶタイ記録である。

「最後の4~5ホールは特に、左から風が吹いていて、決してやさしくはなかったが、こうしてなんとかやり遂げられたことを誇りに思う。(豪州のケル・ナグルがセントアンドリュースでの100周年記念大会で優勝し、自分が150回大会に優勝したことについては)とても最高だよ! 知らなかった。『全英オープン』で優勝すること自体、ゴルファーにとって最高の瞬間だと思うけど、特にセントアンドリュースで勝てたことは、信じられないほどすごいことだね」

オーストラリア人はセントアンドリュースが得意?!

©Dan Imai

優勝記者会見で、笑顔で答えるスミス。だが会見中に投げかけられた「LIVゴルフに興味はあるのか?」の問いに「今は、全英オープンに勝ったばかり。それなのに、あなたはもうそんなことを聞いている。よくないね。僕はゴルフの試合に勝つためにここにきているのに」と不機嫌な表情で反論した。

©Dan Imai

最終日、最終組のひとつ前の組で優勝争いを演じた2人のキャメロン。左はキャメロン・スミス、右はキャメロン・ヤング。ヤングは、今年の「全米プロ」でも活躍した。

©Eiko Oizumi

↓練習日には、豪州勢同士でラウンドした。左からアダム・スコット、キャメロン・スミス、マーク・リーシュマン。

グレッグ・ノーマン以来の豪州人チャンピオンに

豪州勢の「全英オープン」の歴史を辿ると、1954年にピーター・トムソンが初優勝を飾って以来、キャメロン・スミスで5人目。
ピーター・トムソン(5勝)、ケル・ナグル(1勝)、グレッグ・ノーマン(2勝)、イアン・ベーカーフィンチ(1勝)、そしてC・スミス(1勝)である。
セントアンドリュースで優勝した豪州出身の選手としては、ナグル以来、62年ぶりの快挙だ。
そしてノーマンが1993年に優勝して以来、29年ぶりの豪州勢の優勝である。
グレッグ・ノーマンといえば、現在「LIVゴルフ」のCEOとしてPGAツアーなどから敵対視され、R&A(「全英オープン」主催者)からも今年のチャンピオンイベントへの参加を拒否された経緯があるが、こんな形で名前が出てくるとはなんとも皮肉な話だ。

「今年は僕の人生の中でも、最高のゴルフができている」とスミス。
今大会で優勝したことで、フェデックスカップランキングと世界ランキングで2位に浮上したが、世界の頂点まであと一歩。
なお、試合で優勝したら髪の毛を切る、と公言していた彼だが、「今やこの髪型も自分の一部。髪の毛は切らない」と優勝会見で語っている。

最終成績

優勝キャメロン・スミス−20
2位キャメロン・ヤング−19
3位ローリー・マキロイ−18
4位トミー・フリートウッド
ビクトル・ホブラン
−14
6位ブライアン・ハーマン
ダスティン・ジョンソン
−13
8位ブライソン・デシャンボー
パトリック・キャントレー
ジョーダン・スピース
−12
21位スコッティ・シェフラー−9
47位桂川有人−5
53位ジャスティン・トーマス−4
68位松山英樹−2

【予選落ち】コリン・モリカワ、金谷拓実、中島啓太(アマ)、星野陸也、比嘉一貴、フィル・ミケルソン、今平周吾、タイガー・ウッズ

Text/Eiko Oizumi

大泉英子

「ゴルフ・グローバル」編集長。国内男子、海外ツアー取材をメインに、男・女・シニア、海外メジャー取材は100試合以上。全米ゴルフ記者協会会員。

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