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【PGAツアーレポート】日本人のZOZO CHAMPIONSHIP 松山英樹、小平智ら16人が参戦!20代前半の久常涼、中島啓太が躍進

日本人のZOZOチャンピオンシップ

今年の「ZOZOチャンピオンシップ」には米ツアーメンバーの松山英樹、小平智を含め計16名の日本人選手が出場。
20代前半の久常涼、中島啓太の2人が上位に食い込んだ。

松山英樹(40位タイ)

©Yoshitaka Watanabe

ディフェンディングチャンピオンの松山英樹は、プロアマ中に背中痛のため棄権。最終日までなんとか乗り切ったものの、本調子とはいかなかったようだ。

良くないゴ ルフをしてい ても「頑張れ」と声援を送ってくれた のは嬉しい

プロアマ中に背中痛で途中棄権したディフェンディングチャンピオンの松山英樹。
最終日までの4日間を戦い抜いたが、初日からパットの精彩を欠き、連覇ならず。40位タイに終わった。

「過去3日間と変わらず、ショートゲーム以外は全部悪かった。最後にやっとタッチが合ってくれて、(バーディパットを)気持ちよく決められたが、そこに頼っているようでは優勝できないので、今年は悔しい結果となった。悪かった部分を直していきたい」

「連覇に挑戦できるのは、僕だけしかいない」と臨んだ大会だったが、ビッグスコアをなかなか出せず、フラストレーションの溜まる日々を過ごした。
それでも母国の大勢のファンから「頑張れ!」と声援を送られ、「嬉しかった」と語った松山。また来年、日本での優勝を期待したい。

久常 涼(12位タイ)

©Yoshitaka Watanabe

トップ10入りを果たせず、ホールアウト後に悔し涙を流した久常。

賞金よりもポイントや経験が大切

トップ10入りを果たせば、「バターフィールド・バミューダ選手権」の出場が得られた今大会で、久常は最終ホールでボギー。
残念ながらトップ10圏外となり、出場権獲得はならなかった。

今年はサウジアラビア、タイ、シンガポール、韓国、スペイン、モロッコ……と積極的に海外遠征を行なっている久常だが、その視線の先にはDPワールドツアー、そしてPGAツアーを主戦場に戦いたい、という思いがある。
20歳の彼だが、以前から海外の様々なコースセッティングで経験を積み、実力をアップさせたいと考えている。
20歳で米ツアー2勝を挙げたトム・キムの存在も刺激になっており、「2勝するのはすごい。でも僕にもできるんじゃないかな、と希望になる。いい目標。僕もPGAツアーに早く出たい」と語った。

桂川有人(53位タイ)

©Yoshitaka Watanabe

イム・ソンジェとラウンド中に会話する桂川(左)。

米ツアー2勝のトム・キムはフィリピン時代のチームメイト

桂川は高校時代にフィリピンにゴルフ留学をしていた経歴を持つが、マニラのサウスウッズGCでともに練習し、クラブ対抗戦ではチームメイトだった人物がいる。
米ツアーですでに2勝を挙げている20歳のトム・キムこと、キム・ジュヒョンだ。
キムは幼少期にオーストラリア、タイ、フィリピンなど様々な国でプレー経験を持ち、ゴルフ遊牧民と呼ばれているが、フィリピンに滞在中、桂川と知り合ったのだという。
チームメイトとしてともに戦った試合では、勝ちまくっていたそうだ。

「刺激になるし、一緒に頑張っていた仲間ができるなら、僕にもできるんじゃないか、と思わせてくれる」

桂川は今年、コーンフェリーツアー(PGAツアーの下部ツアー)のQTに挑戦したが、目指す舞台はトム・キムのいるPGAツアー。
自分のペースで着実に目標を目指す。

中島啓太(12位タイ)

©Yoshitaka Watanabe

大勢のギャラリーに見守られながら、リカバリーショットを放つ中島。

PGAツアーに出場しているというだけで集中力が増す

9月の「パナソニックオープン」でプロ転向を果たしたばかりの中島啓太。
今年の1月、推薦で出場したPGAツアー「ソニーオープン」では、2日目を終えて上位争いに食い込みながらも3日目で順位を落とし、悔しい思いもしたが、その悔しさをバネに「同じ悔しい思いはしたくない」と今大会に臨んだ。

コーチから「プロになったのだから、試合を作って来い」というアドバイスを受け、自分がPGAツアーのフィールドにいることを考えながらプレーしていたという中島。
PGAツアーの試合に出場する感覚を「気が引き締まることは間違いない。集中力が増していく感じ」と表現した。

「プロでもアマでもただ、勝ちたい気持ちでプレーしている。その気持ちは忘れずにやっていきたい」

中島の挑戦はまだ始まったばかり。
アマチュア時代から指導を受けるガレス・ジョーンズコーチらの助言を大切に、プロ転向後も自分のベストのプレーを目指す。

小平 智(16位タイ)

©Yoshitaka Watanabe

最終日は、ザンダー・シャウフェレと同組でプレーした小平。

PGAツアーで戦うにはバーディ数が足りない

4日間を通して、12バーディ、4ボギーと安定感のあるプレーぶりでトップ20に入った小平。

「この4日間、慌てることもなく、そこまでボギーもなく落ち着いてプレーできたのは良かった」と語りながらも、「PGAツアーで戦うにはバーディ数が足りない。そこが課題」と分析した。

ドライバーショット、セカンドショットまでは同じリズムでプレーできたというが、上位に行けるかどうかの差は、パッティングにあるという。

「ザンダーとプレーして、ショットでは引けを取っていなかったが、5メートルくらいのパッティングが入るかどうかの差だと感じた」

今シーズンも、昨年同様、準シード選手としてPGAツアーには出場しているが、「毎年ギリギリのところなので、(推薦してくれている)ZOZOさんには感謝している」と語る。
現在、フェデックスカップランキングで110位につけているが、できるだけポイントを稼いで、来季のシード権を確保(125位以内)したいところだ。

Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe

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