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【LIV GOLF NEWS】今年は収益化を図るLIVゴルフリーグ2023年は14試合

全12組・60名でいよいよ2月にスタート!
YouTubeだけでなく160ヶ国で放映中!

今年は収益化を図る LIVゴルフリーグ

©LIV GOLF

昨年の最終戦「マイアミ大会」でティーショットを放つ、HY FLYERS GCチームのキャプテン、フィル・ミケルソン。

©LIV GOLF

記者会見に臨む、チームのキャプテンたち。左からダスティン・ジョンソン(4ACES GC)、ブライソン・デシャンボー(CRUSHERS GC)、セルヒオ・ガルシア(FIREBALLS GC)、ルイ・ウーストハイゼン(STINGER GC)、ブルックス・ケプカ(SMASH GC)、イアン・ポールター(MAJESTICKS GC)、マーティン・カイマー(CLEEKS GC)、キャメロン・スミス(TORQUE GC)。

©Getty Images

「ジェッダ(サウジアラビア)大会」で優勝したブルックス・ケプカ(左)とLIVゴルフ元代表&COOのアトゥル・コスラ氏。

©Asian Tour

昨年、LIVゴルフにも参戦し、アジアンツアーの「インターナショナルシリーズ」の賞金王に輝いたスコット・ビンセント(ジンバブエ・右)が、2023年度のLIVゴルフリーグのシード権を獲得した。

今年の年末までに2650億円を支出予定のLIVゴルフ
収益を上げる方策は?

LIVゴルフリーグの幹部は2023年に向けて、2月のシーズン開幕前、あるいは9月下旬に終了する14試合を通じて、いくつかの目標を達成することに意欲的だ。

LIVゴルフは、2023年末までに20億ドル(約2650億円)近くまで膨れ上がると予想される投資に対するリターンを得るために、国内外でのネットワークテレビ契約による露出、ならびに企業スポンサーの獲得、チームモデルの開発を行ない、それらが最終的にフランチャイズの売却となった際には莫大な収入となると見込んでいる。

「私たちの目標は、リーグという形式に移行し、12チームを設立して軌道に乗せること。そして、私たちが目にしているコース上での体験やファンの(観戦)体験などを明確に構築していくことだ」と元LIVゴルフの社長兼COOのアトゥル・コスラ氏は語っていた(彼は現在、辞任している)。

「我々は製品(LIVゴルフ)の商品化を始めなければならない。そのためにはテレビに出なければならないし、企業パートナーも探さなければならない」

コスラ氏によると、LIVゴルフは新規で受け入れ希望の選手と協議中であり、2月下旬にメキシコで開幕する予定の新たなシーズンに先立って、全部で60名となるよう、調整をしている。
この数字は、LIVゴルフがすでに契約している選手(フィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソン、セルヒオ・ガルシアら)の人数に基づき、昨シーズン中のポイントランキングで上位24位以内に入った選手に与えられる免除枠などと合わせて、決定する目標人数であるが、LIVゴルフリーグが、選手のラインナップを決めるにあたり、あと5~8人の枠となるだろうというのが最も有力な説だ。

今年から始まる新たな試みとして、各チーム、選手4名とリザーブ選手1名の計5名で構成され、LIVゴルフリーグは全12組・60名で構成されることになる。

LIVゴルフリーグ開幕はメキシコで

スケジュールがほぼ確定し、LIVゴルフは、オーストラリア(以下豪州)、メキシコ、シンガポール、イギリス、スペインと、アメリカ以外の国で5回開催される見込みとなった。
豪州大会は、「マスターズ」の2週間後に行なわれ、その後シンガポールでも開催。
メキシコ大会は2月下旬、PGAツアーの「ホンダ・クラシック」と同週に開催予定だ。

開催期間は2月から9月までで、全14大会が行なわれる。
メジャーや「プレーヤーズ選手権」「ジェネシス招待」「アーノルド・パーマー招待」「メモリアル・トーナメント」などのレガシー大会には対抗しない予定だ。
どの大会も、ネットワークパートナーのリクエスト次第では、8月に行なわれるフェデックスカップ・プレーオフ全3戦とも同週に開催しない見込みである。

世界160か国で放映されているLIVゴルフ
米国内では、YouTubeとWebサイトでしか放映できていないのがネック

LIVゴルフの価値はチームにあり

LIVゴルフの資金は、サウジアラビアの政府系ファンドである公共投資基金(PIF)から提供されている。
LIVゴルフ関係者は、いずれは投資に対するリターンを示す必要があると断言しているが、短期的にはそのようなリターンは必要なさそうだ。

「投資家との付き合いは長く、その投資は非常に長期的なもの。我々は、製品(LIVゴルフ)を立ち上げ、稼働させようとしているが、どの時点で、ということは決めていない」 と、LIVゴルフ関係者は語る。
LIVゴルフがどのようにその投資に対するリターンを始めるかは、テレビ放映権やスポンサーシップだけでなく、「チームというコンセプト」にかかっている。

ハイフライヤーズ、スティンガーといったチームの名称は、ファンにとってはほとんど意味がなく、一部では中傷されている。
しかし、これらのチーム自体には価値があり、いずれは高いプレミアムがつくとLIVゴルフは考えている。

ダスティン・ジョンソン、セルヒオ・ガルシア、ブライソン・デシャンボー、フィル・ミケルソンなどのキャプテンには、それぞれのチームに与えられるフランチャイズ契約による25%の収入の権利が与えられており、LIVゴルフは、残りの75%を保持している。

例えば、ジョンソンの4エイシズGCチームが1000万ドルで投資家に売却された場合、ジョンソンは250万ドルを受け取り、LIVゴルフは750万ドルを手にすることになる。
LIVゴルフは、1フランチャイズあたり1000万ドルをはるかに上回る金額を見込んでおり、ビジネスが成長し、テレビ中継され、スポンサーが現れるのを待つつもりだ。

2023年からは、理論上、チームは独自に存在し、LIVゴルフから運営を支援する基本金を支給され、さらには、チーム戦の賞金(各大会で上位3チームに支払われる500万ドルとシーズンを締めくくる最終戦で全チームに保証されている100万ドル)を得ることとなっている。

チームは、スポンサーの獲得やチームグッズ、アパレルの販売を自由に行なえる一方、トレーナーやコーチ、旅費やサポートは自己負担となる。

LIVゴルフのコミッショナーを務めるグレッグ・ノーマンは次のように言う。

「このリーグは、12チームモデルの収益化を試みている。最終的に企業や個人にフランチャイズを購入してもらい、それがLIVゴルフに収入源を提供することとなる。世界的な成功が見られるようになれば、リーグや各チームの価値は、上がっていくだろう。」

しかし、そのすべてのカギは、LIVゴルフの露出にある。
そのためには、テレビ中継が必要だが、今のところ、それは難航している。
LIVの大会は160か国で放映されているが、米国、英国では、YouTubeや自社サイトを通じた限られた範囲での放映にとどまっているという。

Text/Bob Harig
Photo/LIV GOLF、Getty Images

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