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【PGA Championship】松山英樹、星野陸也、比嘉一貴の日本人3選手の全米プロをコメントから振り返る!

2023年の「全米プロ」には3名の日本人が出場し、全員が予選通過を果たした
ここでは、彼らのコメントから今大会を振り返る。

比嘉一貴

+20(76位)

©Eiko Oizumi

メジャーで初めて予選通過
あとはどんどん順位を上げるだけ

©Eiko Oizumi

12番ホール(初日のラウンドの3ホール目)では、カップの淵で止まったボールが、コロンとコロがりカップイン。バーディを重ね、同伴競技者からも祝福を受ける比嘉(右)。

©Eiko Oizumi

契約先のブリヂストンスポーツの「全米プロ」仕様キャディバッグ。星条旗があしらわれている。

©Eiko Oizumi

「全米プロ」初出場の比嘉は、初日の最初の5ホールで4バーディを奪い、一時首位に。海外メディアからも注目を浴びた。

©Eiko Oizumi

首位に立っている比嘉のスイングに見入るジョーダン・スピース、シェーン・ローリー、ビクトル・ホブラン。1番ティーと14番ティーは同じ場所を使っており、居合わせたビッグネームたちの注目を集めた。

©Eiko Oizumi

練習日には大学の先輩でもある松山英樹(右)に、アプローチの方法を伝授してもらった。

©Eiko Oizumi

比嘉が首位に立っていた時の電光掲示板。

4日間、この舞台でプレーできたことは、いい経験になりました。
最近、なかなかうまくいかなかったので、少しは自信を持ってプレーできるかな、と次が楽しみな1週間になりましたね。
成績はふるわなかったけど、それ以上にいい収穫があったんじゃないかと思います。

予選を通れたことは、一歩成長できたこと。
あとはどんどん順位を上げることだと思うので、この経験を活かして予選を通過し、メジャーで上に行けるように戦えればいいですね。

メジャーで戦うには、飛距離も必要ですし、アイアンの精度が必要です。
タテ距離もそうですけど、横ブレもすごく多かったので、まだ芝に対応できていないのかな、と思いますし、逆にラフの方がラインが出るので、打ち方なのか、何なのか、自分でも迷宮入りしそうです(笑)。
そして最悪のミスを恐れすぎて、突っ込みきれなかったりとか、逃げすぎたりとかして、次のショットが余計に難しくなることが多かったので、もっと自信を持ってピンを狙ったり、アグレッシブにアイアンを打てるようになれればいいですね。

松山英樹

+5(29位タイ)

©Eiko Oizumi

「毎週、10打くらい損している」
パッティングが課題

©Eiko Oizumi

試合中、小さな子供たちの声援とハイタッチに応える。

©Eiko Oizumi

体の痛みをあまり感じることなく、1週間を過ごせた松山。

優勝争いもせずに平凡な位置で終わりましたが、最終日の最後の2ホールくらいは、ショットの気づきもあり、いい2打目が打てました。
そういうところで徐々に良くなっているのは実感できましたね。
あとはパッティングが課題。
パターを持つだけで緊張してしまっているので、いい感じに打てるようになれば、勝手に入ってくると思います。
毎週10打くらいは損していますからね(笑)。
体の痛みは多少ありながらも棄権することなくプレーできましたし、徐々に良くなっていると思いたいです。

星野陸也

+11(62位タイ)

©Eiko Oizumi

「ミケルソンが引退する前に一緒に回りたい」

(hoshinorikuyaのインスタグラムより)

スタート前に練習場でばったり会ったミケルソンと記念撮影。

©Eiko Oizumi

ミケルソン(写真)のクラブの動きを参考にしていたという星野。

今まで出場したメジャーの半分くらいは、急遽出場が決まったものばかりで、今回もそうでしたが、だんだん時差ボケにも慣れてきてますし、予選も2年連続で通過できて楽しくプレーできるようになりました。

今年はDPワールドツアー(欧州ツアー)にも出場していますが、芝質感はアメリカも欧州も近い部分があるので、欧州に戻った時にアメリカでマスターした技術をいろいろと試していきたいと思っています。

最終日の朝、1組前で回っていたミケルソンと練習場で会って、写真を撮らせてもらいました。
自分が小さい頃に彼のクラブの動きを参考にしていたので、練習場ですぐ後ろで練習していたのを見て、つい見入ってしまいました。
ミケルソンが引退する前に、早く一緒に回ってみたいですね。

O嬢日記@オークヒルCC

©PGA of America

LIVゴルファーとして初めてメジャーを制したケプカと、PGAオブ・アメリカCEOのセス・ウォー氏。

PGAオブ・アメリカは、「全米プロ」の他、「ライダーカップ」も主催しているが、そのCEOのセス・ウォー氏はLIVゴルフに対して批判的な見解を持っていたことで知られている。
そのためか、ブルックス・ケプカが優勝しても「握手をしなかった」などと、ケプカの優勝を祝福しなかったとする記事やSNSが出回った。
だが、実際は違った。「私は依然として分裂はゴルフ界にとって良くないし、ファンにとっても良くないと思っている。
LIVが優れたプロダクトを持っているとも思わない」と語っていた一方で、「もし彼が自力で(ライダーカップの)チームに選ばれるなら、我々は歓迎する」と語ったのだ。

私は今回、LIVゴルファーのケプカが優勝してよかったと思っている。
結果的には、ケプカの優勝は関係なく、その前から水面化でPGAツアー、LIVゴルフのスポンサーであるPIF(サウジ政府系ファンド)、DPワールドツアーが和解し、統合話が進められてきたわけだが(6月初旬にこの3者の和解・統合が発表された)、ケプカのようにメジャーで勝てる強い選手がLIVゴルフには数人いるため、PGAツアーにとっても、このような選手たちを再びPGAツアーでプレーさせることの意味は大きいだろう。

LIVゴルファーたちがPGAツアーの試合に出場停止になってから1年後に、統合話がこんなに急に浮上するとは思わなかったが、サウジ側と結束するのは金銭的な面だけでなく、こうした人材の上でも非常に意味があること。
PGAツアーの試合にどのくらいのLIVゴルファーが再び出たいと思っているのかは不明だが、ダスティン・ジョンソン、ブルックス・ケプカ、ブライソン・デシャンボー、キャメロン・スミス、フィル・ミケルソンらは、ファンの注目を浴びる選手であることは確か。
彼らのような個性の強い選手たちの不在は、ゴルフ界にとっても面白くないのである。

Photo/Eiko Oizumi、PGA of America、Getty Images

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