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【PGAツアーレポート】タイガー・ウッズがマスターズ以来8ヶ月ぶりに復帰「今季は月イチで参戦する」

昨年の「マスターズ」では予選通過したものの、途中棄権。
その後、足首の手術を受けて以来、公の場でプレーしたことのなかったタイガー・ウッズが自身がホストを務める「ヒーロー・ワールドチャレンジ」で8ヶ月ぶりに復帰した。
ここではタイガーの近況を報告する。

バハマで開催された「ヒーロー・ワールドチャレンジ」には大勢のギャラリーが詰めかけ、タイガーのプレーを観戦した。©GettyImages

TigerWoods
タイガー・ウッズ(米国)
1975年12月30日生まれ。185cm、84kg。2019年「ZOZOチャンピオンシップ」を含む米ツアー82勝(最多勝利タイ)。メジャー15勝。2022年世界ゴルフ殿堂入り。

ヒーロー・モトコープCEOのパワン・ムンジャル氏(右)とタイガー。ムンジャル氏は本大会だけでなく、欧州ツアー「ヒーロー・ドバイ・デザートクラシック」なども開催している。©GettyImages
ヒザにサポーターを装着し、痛み止めのクリームを塗るタイガー。©GettyImages

2本のネジで固定した足首で
4日間を戦い抜いたタイガー

タイガー・ウッズが、バハマ・アルバニーで行なわれた「ヒーロー・ワールドチャレンジ」で約8か月ぶりに復帰したが、1番ホール(438ヤード・パー4)でプレーした様子を見た限り、決して試合レベルから程遠いわけではなかった。

彼はティーショットで美しい弾道を描きながら326ヤードを飛ばし、フェアウェイセンターをキープ。
当日、このホールで記録された飛距離の中でも最長だった。
ウッズはその後、ピン下4・6メートルに2打目をつけたものの、パットを外し、パーで終わった。

ウッズは世界中が見守る中、「マスターズ」の第2ラウンドで右足首の激しい痛みを抱え、第3ラウンドで棄権して以来、236日ぶりに試合会場でショットを放ったが、皆一斉にため息混じりの安堵感と強烈な幸福感に包まれた。

大会前の火曜日に記者会見でウッズは、皆が感じているのと同じくらい、自身の今後がどうなるのかについて興味津々だと語った。
そして日曜日の最終ラウンド後に、4日間通じてプレーしてどうだったかを問われ、興奮したと述べた。

20名の選手が出場する中、18位に終わったウッズだが、「私も、どんな感じになるか興味があった。しばらく競技に出ていなかったし、今の足首の状態でプレーしていなかったからね。それをなんとか乗り越えて、再びラウンドを組み立て始められたことに、毎日ワクワクしていたよ」

今大会は、世界ランク1位のスコッティ・シェフラーが20アンダーで優勝し、ウッズのスコアを20打も上回ったが、かつての世界王者がどんなショットを打ったか、あるいは何位で終わったのか、ということは問題ではなかった。
ただ、右足首の距骨下関節を固定するために2本の鋼鉄ネジを装着した状態で、4日間の過酷な競技ゴルフに体がどう反応したのか、が問題だったのだ。
その点において、ウッズは見事な成績でテストに合格したと言っていい。
彼は昨年12月に48歳になり、かつてのような最強ゴルファーではないかもしれないが、正しく歩行し、ほとんど足を引きずることはなく、希望通りのショットを放つことができた。

今後の課題と今シーズンのスケジュール

「ヒーロー・ワールドチャレンジ」で彼が直面した最大の課題は、ショートゲームだった。
彼が通常見せることのない多くのミスを犯していたのだ。今は練習スケジュールを強化し、試合に出場できるようにすることが課題である。

ウッズもこれに同意し、「今週一番よかったのは、ドライバーショットだったと思う。今週はフェアウェイが広いにもかかわらず、ほとんど真っすぐ飛んでいたし、ボールスピードも上がっているように感じた(かつて時速288キロを記録)。そして今週はフェースの真ん中で球をとらえていたが、それもよかった」

「日々、エンジンがかかるのが速くなっていった。初日はしばらく時間がかかったが、2日目は速くなり、今日はすぐだった。だから、来年に向けて何かをしなければならないわけではない。私が取り組んできたことは問題なくできるようになっており、多少調整する必要があるだけだ」と述べた。
そして2024年は、少なくとも1か月に1回はトーナメントに出場する予定だという。

ここで彼の復帰戦でわかったことをお伝えしよう。

ドライバーショットはOKだが、ショートゲームとメンタル面に課題

デビュー以来、27年間継続してきたナイキとの契約が、ついに終了した。©GettyImages
テーラーメイドの新ドライバー「Qi10」を使用中。©GettyImages
こんなブッシュに打ち込むことも……。それでも最下位ではなかった。©GettyImages

【体力面】
エリートレベルのゴルファーに期待される体力には程遠いが、昨年の「マスターズ」以前と比較すると、驚くべき進歩である。
「ヒーロー・ワールドチャレンジ」では、計81ホール(プロアマで9ホールプレーした分も含め)で、彼は足を引きずることなくコースを歩き、どんなショットでも顔をしかめることがなかった。
ラウンド後、次のラウンドに向けて、回復時間を管理可能なレベルにまで短縮するには、さらに多くのリハビリが必要だろう。
ウッズは、足首に痛みはないとしたものの、背中、ヒザ、首の回りに痛みを感じたと語った。

【精神面での鋭さ】
ウッズは、コースで集中できていなかったことを認めた。
これは常に彼の最大の武器だったものだ。
彼は以前では考えられないような数々のミスを犯していた。
彼の感覚は鈍っていたが、こんなに長い間競技から離れていたため、予想の範囲内だった。
フルショットできなかった時、ショートゲームを多く練習したとはいえ、競技で通用する切れ味が必要だったのだ。

さて、彼を最もイライラさせたのは、ラウンド終盤のミスの多さだった。
優勝者のシェフラーが23個のバーディを叩き出したのに対し、復帰戦だったタイガーが19バーディを奪ったことは、彼にとって大きな励みとなった。
だが、タイガーは15のボギーと2つのダブルボギーもあったのだ。

【ロングゲーム】
大会中のスタッツを見ると、SG(ストローク・ゲインド)・オフ・ザ・ティー部門では3・660で全体の4位にランクイン。
アルバニーのフェアウェイは、サッカー場よりも広いにもかかわらず、他のプレーヤーよりもフェアウェイをとらえ、飛距離も出ていたことがわかる数値だ。

【ショートゲーム】
ウッズの復帰戦で、最も残念なのはショートゲームだった。
少なくとも2回、彼はグリーン上でパットした球がグリーンの外にこぼれたが、それは彼の問題ではなく、コースが難しかったということを示しているかもしれない。
タイガーの場合は2回、打った場所にボールが戻ってくることがあった。
彼はSG・パッティングで▲3・963、SG・アプローチでは▲5・159だった。

【スイング】
ウッズは背骨を中心に、フットワークを使いながらスイングするなど、多くの動きをスイング中に行なうことができない。
以前、健康な足で行なっていたように地面反力を使いながらヒットすることは不可能なのだ。
背骨が固定された状態では、適切に回転することができず、足首も固定されているのでさらに動きが制限されている。
それにもかかわらず、彼は筋力のある腕を使ってクラブに必要な力を与えることで、時速282キロのボールスピードを生み出すことができた。

【今後の展望】
ウッズが2024年の限られたスケジュールで優勝争いに加わることがあっても不思議ではないが、PGAツアー82勝の記録を更新することができるだろうか?
彼は48歳になったが、痛みのないウッズなら可能かもしれない。
現在彼は、2月にロサンゼルス・リビエラCCで開催される、「ジェネシス・インビテーショナル」での復帰を目指している。

Text/Joy Chakravarty
Photo/Getty Images

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