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【2024マスターズ】タイガー・ウッズが史上最多の24回連続予選通過!マスターズ6勝&メジャー16勝を目指す!

史上最多の24回連続予選通過!

タイガー・ウッズ
「マスターズ」6勝&メジャー16勝を目指す

©GettyImages

今年の「マスターズ」では最下位の60位に終わったタイガー・ウッズ。
本人にしてみれば、不甲斐ない成績だったかもしれないが、実は今年も大きな記録を樹立していた。

「足首の痛みはもうない。ただ背中やヒザ、体の他の部分に負担がかかり、痛みが出る」

最終日、唯一予選通過を果たしたアマチュアのニール・シプリー(左)とプレーしたタイガー。©Augusta National GC

予選通過を果たしたがワーストスコア更新

タイガー・ウッズは、「マスターズ」の最終ラウンドで、足を引きづりながら77を叩き、「良い1週間だった」としか言いようのない結果に終わった。
72ホールを完走し、新たな記録を樹立できたこと、そして彼がオーガスタで注目され、称賛され、高く評価されたことは良かったが……。

彼が5勝している「マスターズ」での100ラウンド目で、77を叩き、自身で3番目に悪いスコアを記録したが、その前日の土曜日には82と、自己最低のスコアを記録。
彼は通算16オーバーで終了し、自己ワーストスコアとなった。
これは2年前、彼が24回目の「マスターズ」出場時に記録した13オーバーよりもさらに悪いスコアだった。
彼は予選通過を果たした60人中、最下位に終わった。

晴天に恵まれた日曜日のラウンドでは、唯一予選通過したアマチュアで、「全米アマ」2位のニール・シプリーとともにプレーしたが、バーディは2番ホール(パー5)で取った1つだけだった。
日曜日恒例の赤シャツを着ていたが、いつも通りのプレーはできなかった。
これが50歳を目前にした、タイガーの人生だ。

昨年の「マスターズ」後に受けた足首固定の手術の影響で足の柔軟性は損なわれたが、その硬くなった足で毎日、1番ティーに向かうために、どのような措置を取ったのかは知る由もない。
それと同様に、彼がどれほどの苦痛に耐えなければならなかったのかについても、彼にしかわからないことだ。
彼は、「足首の痛みはないが、長時間歩いたり立ったりすると背中やヒザ、体の他の部分に負担がかかり、痛みが出る」と語っている。

オハイオ州立大学の大学院生であるシプリーは、最終日に73を叩いて通算12オーバーとしたが、タイガーの措置や苦痛を知る手がかりを提供してくれた。

「彼は今日の準備をするために、朝3時45分に起きたって言っていた。つまり……僕は彼より3時間ほど多く睡眠を取ったということ。タイガーは本当に粘り強く、皆のためにここに来ようと真剣に取り組んでいる。パトロン(ギャラリー)が彼に本当に感謝しており、タイガーがここにいることを本当に楽しんでいるのを見るのは素晴らしいこと」と語った。

今後のメジャー出場に向けて準備するタイガー

昨年12月にバハマで開催された「ヒーロー・ワールドチャレンジ」での復帰前に、ウッズは月に1度は試合に出ることを望んでいた。
2月に病気のため「ジェネシス招待」を棄権したので、今年は「マスターズ」終了時点で5ラウンドを消化していることになる。
5月中旬にはバルハラGCで行なわれた「全米プロ」に出場したが、ここはボブ・メイとのプレーオフを制し、優勝した2000年「全米プロ」の舞台。
比類のない偉業「タイガースラム」の中の3勝目を挙げた場所である。

良いニュースは、パインハーストNo.2で開催される「全米オープン(特別推薦を受けて出場)」、そしてロイヤル・トゥルーンでの「全英オープン」を見据えていることだ。
さらにこれらのコースが比較的平坦で、オーガスタナショナルよりもはるかに歩きやすいのは彼にとっていいことだ。

「オーガスタに戻ってくるのはいつも楽しい。コースもプレーの仕方も知っているからね。ショットをシミュレートすることもできるよ。確かに、実際にここでプレーするのとは少し違うが、今後のメジャー開催コースはいくつか変更したところもあると聞いているから、早めに現地に行って、確認しないとね」

彼はメジャー以外の大会に出るかどうかについては明らかにしなかった。

24回の連続予選通過
記録よりも優勝回数に興味

息子のチャーリーくん(右)が、オーガスタの練習場で父のスイングチェック?!©Augusta National GC
ラウンド中に靴ひもを締め直すタイガー。手術した足首の痛みはもうないというが、足に負担はかかっており、ラウンド後のケアは欠かせないという。©GettyImages

記録のためではなく、優勝のために出場する

金曜日、常に競争心旺盛なウッズは、24回連続予選通過という記録を達成したが、6度目のグリーンジャケットとメジャー16勝目を目指す可能性の方が重要であるという考えを表明した。
「(予選通過したということは)週末に向けてチャンスがあるということだ」と、通算1オーバーで予選通過を決めた彼は言った。

「私はここにいて、トーナメントに勝つチャンスがある。現時点で7打差だ。今のところ、誰も逃げ切らないと思うし、実際、かなり混戦している」

ウッズはフレッド・カプルスとゲーリー・プレーヤーを抜いて、予選通過記録を更新したことにはあまり興味を示さず、強風の中、驚異的なイーブンパー(72)を叩き出し、ラクラクと決勝ラウンドに進出した。
カリフォルニア出身の有名なアマチュア、スチュワート・ヘイジスタッドは、ウッズのパフォーマンスを「異星人のもののようだ」と称賛。
彼がやること、なすことが、超人的に見えることがある。

ウッズは、優勝に関係する場合を除いて、記録のために試合に出場したことはない。
PGAツアーで82勝を挙げ、サム・スニードと並んで歴代最多優勝タイ記録を保持しているが、彼がもう1勝できるかは不明だ。
そして彼は、勝てない可能性もあるとは認めたくないようだ。
48歳で、さまざまなケガや痛みに悩まされているが、彼の考え方や決意には敬意を表する。

2022年「マスターズ」以来、初めて4日間プレーしたメジャーを振り返りながらこう語った。

「非常に長い間、試合で4日間プレーしていなかったが、木曜日、金曜日は良い戦いだった。昨日は残念ながら、私の望んでいたような結果にはならなかったけどね」

MASTRES連続予選通過記録

24回タイガー·ウッズ(1997〜2024)
23回ゲーリー·プレーヤー(1959〜1982)
フレッド·カプルス(1983〜2007)
21回トム·ワトソン(1975〜1995)
19回ベルンハルト·ランガー(1984〜2002)
ジーン·リトラー(1961〜1980)
18回ビリー·キャスパー(1960〜1977)
16回フィル·ミケルソン(1998〜2013)
15回ブルース·デブリン(1964〜1981)
ジャック·ニクラス(1968〜1982)
アダム·スコット(2010〜2024)
13回ベン·クレンショー(1980〜1992)
ニック·ファルド(1979〜1996)
レイモンド·フロイド(1973〜1985)
コーリー·ペイビン(1985〜1998)
ジャスティン·ローズ(2003〜2018)

Text/Dave Shedloski

デーブ・シェドロスキー(アメリカ)
長年にわたり、ゴルフトーナメントを取材。著書にアーノルド・パーマーの伝記『A Life Well Played』やジャック・ニクラスの『ゴールデン・トワイライト』などがある。

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