

成長を続けるLIVゴルフとそこを目指す韓国人選手たち
アジアンツアー最終戦であり、インターナショナルシリーズの「PIFサウジ・インターナショナル」には、5人の韓国人選手が出場。
2022年「杭州アジア競技大会」の団体戦で金メダルを獲得し、2024年の韓国プロゴルフ協会(KPGA)のジェネシス大賞を受賞したチャン・ユビン、チャン・ユビンとともに金メダルを獲得したチョ・ウヨンが出場した。
その他には、キム・ホンテク、イ・ジョンファン、ワン・ジョンフンが名を連ねた。
大会を前に業界内では、LIVゴルフチーム「アイアンヘッズGC」が韓国人選手をリクルートするのではないかという噂が広がっていた。
「アイアンヘッズGC」のキャプテンである韓国系アメリカ人ケビン・ナ(韓国名/ナ・サンウク)は、「『LIVゴルフ選手権』は韓国で開催されるべきだ。韓国のゴルファーも試合に参加するべきだ」と常に主張してきたが、ケビン・ナの言葉が現実のものとなった。
LIVゴルフの元CEO、グレッグ・ノーマンは昨年、韓国を訪問。韓国で複数の会合を開き、仁川市長と協定を締結した。
「LIVゴルフ・韓国」を開催するためである。
「プレジデンツカップ」、「ジェネシス選手権」、「インターナショナルクラウン」が開催されたジャック・ニクラスGCが今回の開催地。
大会は5月2日~4日までの3日間にわたって行なわれる。
偶然にも、アジアンツアーと韓国ゴルフ協会(KGA)の共催で行なわれる「GSカルテックス・メイキョンオープン」が同週に開催される予定で、スケジュールがそのまま変わらなければ、LIVゴルフとアジアンツアーのトーナメントが初めて同じ地域、同じ週に開催されることになる。
アジアンツアーもこの重複スケジュールについては事前に知らされていなかった。

韓国ツアーNO.1のチャン・ユビン
LIVゴルフへ進路変更

白羽の矢が立ったチャン・ユビン
そして、韓国人選手のリクルートも現実のものとなった。
2023年9月、LIVゴルフはアイアンヘッズGCのCEOにマーティン・キム氏を任命した。
彼はかつてメジャーリーガー、柳賢振(リュ・ヒョンジン)の通訳を務めていた人物である。
マーティン・キム氏は、2011年からMLBおよびロサンゼルス・ドジャースでアジア太平洋地域の企業提携、マーケティング、選手管理に従事。
その後、5年間にわたりGen.G Eスポーツで事業収益の拡大と戦略的提携に携わってきた。
「LIVゴルフのビジョンに深く感銘を受けました。アイアンヘッズの世界的に成功するフランチャイズをさらに拡大、成長させるという目標に携われることを嬉しく思います」
マーティン・キム氏はSNSで、アイアンヘッズの写真を公開したことがあった。
写真にはケビン・ナが写っており、残りの3席は空席となっている。
その下には「Loading」というキャプションが添えられていた。
これは新たに3人の選手が加入することを意味していた。
「PIFサウジ・インターナショナル」大会前の練習ラウンドで、ケビン・ナがチャン・ユビンと同組でプレーしている姿が目撃されたが、そのことでチャン・ユビンのチーム加入が確実視された。
通算14アンダーの22位タイに入ったチャンは、「これからPGAツアーの予選会に挑戦しようと思っています。米国進出を果たすため、準備してきた通り、冷静にプレーしたいと思います」と語っていた。
しかし、状況は一瞬にして変わった。LIVゴルフは12月10日、アイアンヘッズGCチームにチャン・ユビンを引き入れた。
さらに、ダニー・リーと香妻陣一朗も契約更改したのだ。
キャプテンのケビン・ナは、「チャン・ユビンは将来有望な若手選手だ。ここ数年、彼のキャリアを見守ってきたが、チームへの加入を期待していた。こうしてチーム入りが実現して嬉しい。彼はメンバー入りすることで、若い韓国人ゴルファーに世界レベルの選手とどう戦えばいいかを示すことだろう。特に2025年は韓国で初めて大会が開催されるが、韓国ゴルフは非常に素晴らしい時期を迎えている」と語った。
これに対しチャンは、「初めてオファーを受けたのは11月でした。直前まで本当に悩みましたが、8日に韓国に帰国し、9日に契約を結びました。韓国人初のチャンピオンになりたいですね。もちろん、巨額の賞金も魅力的です。もしLIVゴルフとPGAツアーの関係が改善すれば、PGAツアーでプレーすることもできると思います。LIVゴルフのシーズン終了後はKPGAツアーでプレーする予定です。不安もありますが、LIVゴルフでも良い成績を残せるよう頑張ります」と語った。
一方、「サウジ・インターナショナル」で34位タイに入ったチョ・ウヨンは、「LIVゴルフ・プロモーションズ」に参加し、「世界の選手たちと競い合えたことだけでも素晴らしい経験でした」と語った。
韓国開催よりも日本開催が先だった?!
2025年シーズンのLIVゴルフにおいて、「韓国」はキーワードとなった。
初の大会開催と初の韓国人選手獲得が実現したからだ。
もともと、2025年シーズンは日本が注目を集めるはずだった。
しかし、日本大会は契約直前でスポンサーとの合意に至らず、開催が実現しなかったと言われている。
某関係者は「大会開催の決定はかなり前に下されていた。会場についても話し合いがあったし、製作物もすでに発注を受けていたが、大会が延期されたと聞いている」と話す。
グレッグ・ノーマンは、日本も訪問しているが、これは日本で大会を開催するためのものだった。
なお、彼の後任には、NBAチームの運営を務めていたスコット・オニール氏がCEOに選ばれた。
Text/Donghoon Lee

イ・ドンフン
ソウル生まれのゴルフライター。アジュビジネスデイリー紙、ゴルフマガジン、ゴルフジャーナル(ともに韓国)などに寄稿。2021年韓国PGA感謝賞受賞。