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【PGAツアーレポート】2025年ソニーオープン イン・ハワイでニック・テーラーがプレーオフを制してPGA ツアー5勝目

2025 ソニーオープン・イン・ハワイ
2025年1月9日~12日/ワイアラエカントリークラブ(米国・ハワイ州オアフ島)

優勝 ニック・テーラー(カナダ)

ニック・テーラー(カナダ)
1988年4月14日生まれ。182cm、77kg。元世界アマチュアランキング1位。2010年プロ入り。「AT&Tペブルビーチプロアマ」「RBCカナディアンオープン」「フェニックスオープン」など、米ツアー5勝。
ニック・テーラーの家族で優勝トロフィーと記念撮影。左からチャーリーくん、アンディ夫人、ハーパーくん、ニック・テーラー。
©GettyImages

母国の「プレジデンツカップ」に選出されず、厳しい日々を過ごしたカナディアン
“ミスタープレーオフ”のニック・テーラーがプレーオフを制してPGAツアー5勝目

マッチプレーが得意なテーラー
「プレーオフの方が、ショットに集中できる」

18番ホールでチップインイーグルを決め、ニコ・エチャバリアとのプレーオフに持ち込んだテーラー。
©GettyImages
2ホールのプレーオフを戦ったテーラー(右)とエチャバリア。
©GettyImages

プレーオフは全勝

36歳のカナダ人プレーヤー、ニック・テーラーが、通算16アンダーをマーク。
ニコ・エチャバリアとのプレーオフを制し、「ソニーオープン・イン・ハワイ」でツアー5勝目を達成した。
彼はここ3年間で毎年勝利を収めており、2023年「RBCカナディアンオープン」、2024年「WMフェニックスオープン」、そして今年の「ソニーオープン」と連勝記録が続いている。

今大会の優勝で、優勝賞金156万6000ドル(約2億4200万円)を獲得し、フェデックスカップランキング(以下、FCR)で2位に浮上(現在は5位)。
2027年シーズンまでのシード権を獲得した。

「本当に厳しい1日でした。15番、16番で短いパットを外してしまった時点で、17アンダーに届かないとダメだ、と思いました。18番ではパーやバーディでは足りないと思っていたので、とにかくカップに入れようと狙った結果がチップインイーグル。最高でしたね。ニコは1日中、素晴らしいショットを打っていて、簡単には優勝させてくれないとわかっていたので、彼が最後にパットを外したのは運が良かったと思います」

3日目を終えて単独トップに立っていたJ・J・スポーンを逆転し、18番ホールでイーグルを決めてニコ・エチャバリアとのプレーオフに持ち込んだテーラーは、2023年「RBCカナディアンオープン」からの直近の3勝は全てプレーオフを制してのもの。
「ミスター・プレーオフ」の異名を持つほど、プレーオフを得意としている。
その理由を問われると「プレーオフの場面にいるのが好きなんだと思います。
不思議とそういう状況では、自分が打ちたいショットに集中して、すっきりした気持ちで臨めるんですよ。マッチプレーのような感覚ですね。若い頃からマッチプレーが好きで、成功してきました。その時々の目の前のショットに集中する感覚があるんです」
と語った。

しかし、プレーオフのように目の前の相手を倒す、という状況ではないのが通常のトーナメントであり、30位くらいにいる時はなぜショットが安定しないのか、については、本人も「改善したい」と口にしている。

「プレジデンツカップ」メンバーに入れずトップ50入りも逃した2024年

昨年、優勝しているにもかかわらず、FCRで50位入りを果たせず、母国カナダで行なわれた「プレジデンツカップ」ではキャプテン推薦ももらえなかったニック・テーラーは、悔しい日々を送っていた。
9月以降は、家族と離れてフェデックスカップ・フォールシリーズの大会に5試合出場。
それはFCRでトップ50入りを果たせなかったことで高額賞金のシグネチャーイベント8試合に出場できない状況を、秋以降の試合でなんとかポイントを稼ぎ、改善しようと試みたからだ。
それは昨年、「WMフェニックスオープン」で優勝した彼にとって、望んだ形ではなかった。
そんな彼は、オフシーズンにしっかり準備をして、良いスタートを切りたいと思っていたが、「休暇明けにまさかすぐに勝てるとは思っていなかった」と語るように、彼のターニングポイントは2025年に入ってすぐに訪れた。

「ここ6~7か月は、本当に厳しい時期でした。妻や家族がそばにいて、支えてくれ、励ましてくれたおかげで、こうして勝利を掴むことができました。そのおかげもあって、今回の優勝は特別です」

毎年優勝しているにもかかわらず、ポイントランキングで上位をキープできていないのは「安定感が足りないせい」と痛感しているテーラー。
「優勝トロフィーも欲しいけど、コーリー・コナーズのような安定感も欲しいですね」と語っている。

最終成績

優勝ニック·テーラー−16
2位ニコ·エチャバリア−16
3位J.J.スポーン
ステファン·イエーガー
−15
5位エリック·コール−14
6位ジャクソン·スバー
アダム·シェンク
パトリック·フィッシュバーン
キーガン·ブラッドリー
−13
10位ジェスパー·スベンソン
ニック·ダンラップ
ポール·ピーターソン
ラッセル·ヘンリー
リー·ホッジズ
ハリー·ホール
−12
16位松山英樹−11
21位平田憲聖−10
65位久常 涼−4

予選落ち/金谷拓実、大西魁斗、星野陸也、杉浦悠太、松山茉生(アマ)

Text/Eiko Oizumi

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