Text & Photo/Eiko Oizumi

マーティン・カイマーが率いるクリークGCに所属するリチャード・ブランドは、現在52歳。48歳でDPワールドツアー「ベトフレッド・ブリティッシュマスターズ」で最年長初優勝を果たし、昨年の「全米プロシニア」「全米シニアオープン」でシニアメジャーを2勝。今年は「全米プロ」「全米オープン」の出場も決まっている。そんな彼は2日目を終えて、5バーディ、2ボギーの69で回り、通算9アンダーで終了。首位のブライソン・デシャンボーに4打差の2位につけている。
「今日はドライバーがすごくよかった。フェアウェイを外したのは1回だけで、アイアンも質の高いショットがいくつも打てた。今週は、なぜかパー5でスコアを伸ばせていない。先週はパー5でトータル12アンダーだったのに、今週はたったの1アンダー。ゴルフって不思議だね」と語っている。
最終日はブライソン・デシャンボーと回るブランドだが、「彼のドライバーはまさに武器。彼と同じ位置から打てたら、誰でもピンに寄せられる可能性があるけど、あそこの位置まで運べるのがすごいんだよ」とライバルに感服。
デシャンボーのこれまで2日間の平均飛距離は342.4ヤードでトップだが、ブランドも304.3ヤードと52歳ながら300ヤード越え。セルヒオ・ガルシアらとともに40位タイだ。またフェアウェイキープ率は、デシャンボー、ブランドともに2日間平均89%で、4位タイと互角。そしてパーオン率となると、2日間平均で83%のブランドが、2位のデシャンボー(78%)を上回る。飛距離では40ヤードほどの差があるが、ショットの正確性では互角以上だ。
ブランドは2日目のプレーを終えると、次のように語った。
「年上の全米シニアオープンチャンピオンが、若き全米オープンチャンピオンに勝てるか、と言われれば、難しいのはわかっている。ブライソンは世界でもトップクラスの選手だから、簡単には崩れない。でも、できるだけ食らいついていきたいと思っている」 ブランドは遅咲きの選手で、DPワールドツアー(欧州ツアー)で初優勝したのも48歳だった。しかし、「LIVゴルフで若い強豪選手たちに揉まれていくうちに、上達している」と自身が語っているように、昨年のシニアメジャーでも抜群の成績を残している。体力、パワー、ショットの精度とも兼ね備えたデシャンボーを逆転するのは至難の技だが、粘り強く、正確にショットを運べれば、まだ逆転のチャンスはある。
