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「自分の一生懸命がこの程度なのかな……」
中島啓太、今年は全力で欧州で戦い抜き、来年はアメリカへ

Text & Photo/Eiko Oizumi

渋い表情を浮かべる中島啓太。昨年に続き、今年も予選通過はならなかった。

 「全米プロ」については、昨年に続いて2回連続で予選落ちし、全メジャーに関していえば、7試合目の予選落ちを喫した中島啓太。昨年、「ヒーロー・インディアンオープン」でDPワールドツアー(以下DPWT)初優勝を遂げ、今年も同大会で2位。「ポルシェ・シンガポールクラシック」でも2位に入る好調ぶりを見せており、同ツアーのポイントランキング「レース・トゥ・ドバイ」で11位につけている。

  DPWTで、様々な国の様々なコースを経験し、対応力はかなり培われているはずの中島だが、メジャーに来ると本領発揮が難しい。

「自分の一生懸命が、この程度なのかな、という感じです。やることは変わらないんですけど、なんとなくメンタルというか、志というか、そういうものの難しさがあります。こういうふうに予選は落ちていますが、挑戦、苦戦を続けるのはいいことだと思うので、これからも続けていきたい」

と予選落ちはしても、あくまで中島の姿勢は前向きだ。

 DPワールドツアーを主戦場にしている彼は、「結構このツアーは好きですし、居心地もいい。ここで長くプレーするのも悪くない」と語っているが、メジャー出場などでアメリカに来ると、PGAツアーを主戦場に戦い、スポット参戦ではなく、常駐組としてメジャーも出場する、という本来の目標を達成したい気持ちが強くなる。

「やっぱり来年はアメリカでやりたい。スポットできただけだと、どうしてもイメージが違うので、まずは今シーズン、全力で戦い抜いて、来年はアメリカに来ます」

 今後は、DPツアーでの連戦が続く。翌週はベルギーで行なわれる「ソウダルオープン」、その次は「オーストリアン・アルパインオープン」「KLMオープン」「イタリアンオープン」「BMWインターナショナルオープン」……という具合だ。「全米オープン」や「全英オープン」の出場権は、これらの試合で上位を目指し、世界ランキングを上げることで出場が可能。しかし今のところは出場権を持っていない。昨年末は腰痛に悩まされたが、今はもう痛みはないという。今年のDPワールドツアー最終戦「DPワールドツアー選手権・ドバイ」までを全力で駆け抜け、PGAツアー枠10人に入れば、久常涼、星野陸也らが辿った道を、中島も歩むことになる。現在、PGAツアー枠ランキングで8位の彼が、このまま体調をキープし、調子を上げていけば、もともと目指していた夢の舞台に到着するのも時間の問題だ。

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