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「タイガー・ウッズと同じ道を辿れて嬉しい」
「マスターズ」→「ZOZO」優勝の
松山英樹、米ツアー7勝目

第3回「ZOZOチャンピオンシップ」で優勝した松山英樹(右)。左は株式会社ZOZO代表取締役社長兼CEOの澤田宏太郎氏。

Text/Eiko Oizumi
Photo/Yoshitaka Watanabe

 松山英樹が2年前のタイガー・ウッズと同様に、「マスターズ」で優勝し、同年に「ZOZOチャンピオンシップ」でも優勝を果たした。今大会の優勝で、米ツアー7勝目を記録し、フェデックスカップランキングも3位に浮上した。今シーズンは始まったばかりだが、早くも1勝を挙げ、1月の優勝者のみが出場できる「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(ハワイ・マウイ島カパルア)への出場資格もゲットした。

「ここで優勝することは一つの目標でもあったので、嬉しい。マスターズで勝った後に、ここで優勝している2年前のタイガーみたいに僕もなれてよかった」(松山)

2年前に優勝スピーチをしたタイガー・ウッズと同様、松山英樹もアコーディアゴルフ・習志野CCの18番ホールのグリーン上で、観客を前にスピーチした。

 大会前のインタビューでは、「マスターズを10とすれば、1か2くらい」と自信なさげに語っていた松山だが、試合が始まってみればその言葉とは裏腹に、2位タイ、単独1位、単独1位、そして優勝と、素晴らしい形で大会を締めくくることができた。今年、アジアで唯一の開催となったPGAツアーの「ZOZOチャンピオンシップ」。コロナ禍で、日本で開催するまでには相当な努力と準備が施されたはずであるが、しかも有観客での実施とあって、松山も「日本で開催することは簡単ではなかったと思うんですけど、その中でもこうして開催されて、日本人の僕が勝つことは意味があることだと思う。すごく嬉しい」と日本開催の意味と価値を噛みしめながら語った。

最終日の17番ホールでパットを外し、思わずこの表情。このホールをボギーとした。右はセバスチャン・ムニョス。

 また、ゴルフの調子自体は決してよくなかったというが、優勝できた勝因に「ギャラリーの応援を力に変えることができた」と語った松山。ホームである日本で、1日約5000人のギャラリーを前に戦った彼は、ギャラリーからの応援を一身に受けた。そしてギャラリーから「ここに打っていけ」という良い意味でのプレッシャーを感じていたという。

 「毎日毎日、練習場を見てくれている方はわかると思うんですが、ボールは散らかっていますし、勝っている人の練習場の球ではないと思うんですけど、コースに出たらたくさんの方が応援してくれて、良い見でプレッシャーをギャラリーの方から感じた。ここに打っていけという雰囲気は感じるんで、その中で良いショットが打てたり、良いパットが入ってくれたりしたのかな、と思います」(松山)

 3日目を終えて2位のキャメロン・トリンガーリと1打差だった松山は、最終日に2イーグル、3バーディ、2ボギーの65をマークして、2位のトリンガーリ、ブレンダン・スティールに5打差をつけて優勝。18番ホール(パー5)では、2打目で果敢にピンを攻め、2オンに成功してイーグルを奪取。今大会のパーオン率で、全選手中1位(81.9%)だった精度の高いショットが、最後の最後で火を吹き、大いにギャラリーを沸かせた。

「自信を持ってプレーできているかと言われればそうではない。自信は1か2なんですけど、たくさんの後押しがあったから、集中してスイングのことを意識せずにできた」(松山)

 なお、アジア人ツアー最多優勝記録はKJチョイの8勝。松山は丸山茂樹から「KJチョイの記録を抜いてくれ」と命題を課されているという。この記録に並ぶまでにあと1勝だが、その後抜き去るまでにも、そう時間はかからないかもしれない。

予選ラウンドは金メダリストのザンダー・シャウフェレ(左)、銅メダリストのCTパンと一緒に回った松山英樹(右)。
同伴競技者であり、優勝争いを演じていたキャメロン・トリンガーリも、松山のスーパーショットにサムアップ。

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