ゴルフの経済を知ればビジネスのヒントも見つかる!
今回のテーマは「コロナ禍でゴルフ人工は増えていない?」です。
コロナ禍でゴルフブームだったはず?!
しかし実際は、34万人のゴルファーが減少
コロナ禍でゴルフ人口が増えたかと思いきや……
ゴルフ場数、ゴルフ人口は減少している日本
コロナ禍で3密を避けられるゴルフが注目を浴び、特に若い世代や女性が増えてきた、とよく言われている。
矢野経済研究所の「コロナ参入・リタイアゴルファー実態調査2021」でも、コロナ期に新規参入ゴルファーが約60万人いると推定。
だが一方で、コロナがきっかけでゴルフをやめた人も約94万人いると言われており、結局ゴルフ人口は34万人減少したことになる。
また、総務省が5年ごとに実施している「社会生活基本調査」によると、ゴルフ参加率は2016年は7・9%で、2021年は6・9%、とコロナ以後の方が減少している。
少子高齢化でゴルフ対象人口の減少とあわせて、ゴルフ人口は約13%減少しているのだ。
このデータを分析した『月刊GEW』の記事によると、その中でも、年齢別ゴルフ行動量は20~24歳で2016年対比ほぼ倍の102%、25~29歳で約1・5倍の58%アップとなっており、データと我々が受けている感覚が一致している。
ゴルフ人口の減少は続いているが、プレーする頻度は大幅に増えているのだ。
最近、ゴルフ場の予約が取りづらくなっていることとこのデータは一致している。
では、ゴルフ場の数はどうなっているのだろうか。
一般社団法人・日本ゴルフ場経営者協会調べの最新データで、2016年と2020年を比べてみる。
2016年の全国のゴルフ場数2336、2020年2216で120コース減少しているのだ。2002年が2457とピークで、それ以降減少。
約10%の241コースが2020年時点で失われている。
経営的に厳しくなっても、ゴルフ場オーナーになりたい経営者や、ゴルフ場グループによる買収などでゴルフ場数は一気には減らなかったが、2011年東日本大震災の影響で19コース、さらに2014年には50コースが減少した。
ゴルフ場は、他への転用が難しいが、整備された日当たりの良い環境で、ソーラー発電用地として活用され、転用が進んだ。
一方、コロナ禍でゴルフを経験したことのない若い世代がゴルフに参入したのは、ゴルフ業界においては追い風だが、今回の総務庁の調査でも、全人口に占めるゴルファーの割合はまだ6・9%にすぎない。
Text/Hirato Shimasaki
Illustration/Koji Kitamura